「本当に行くの?」「無事の帰国を祈る!」といった言葉に見送られて出かけたブリュッセル、新年の3日まで開いているクリスマスマーケットをはじめとして街中が大変な賑わい、テロに対する人々の懸念は全く感じられません。
そのため出掛ける前の緊張はすっかり薄れ、いつもの旅行と何ら変わることなく大いに楽しむことができました。ブリュッセル在住の日本人女性によると、ここはそういう人たち(テロリストに近い人たち)が住むところ、ここでテロが起きる可能性は小さい、とのこと、妙に説得力がありました。もちろん自動小銃をもった兵士が街中で警戒しています。だからかえって安全、と言う旅行者もいます。
今回の目玉はブルージュ、「屋根のない美術館」と言われるだけあって、街中いたるところが絵になる風景です。ヨーロッパの古い街並みのほとんどが狭い範囲に限られるているのに、ここはまさに広い街全体、どこもかしこも中世の雰囲気を持っていて、最高の街歩きができました。チョコレートやレースのお店がたくさんあり、どちらにも大いに興味のある妻はあちこちに立ち寄っています。レース博物館では展示品の一つひとつに感心しながら見入っていました。
美術館も今回のお目当でした。アムステルダムのゴッホ美術館では3時間以上かけてゴッホ絵画の変遷を観て、国立ミュージアムでも4時間以上、レンブラントやフェルメールをゆっくり鑑賞しました。デン・ハーグのマウリッツハイス美術館にあるフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や「デルフトの眺望」なども心行くまで鑑賞することができました。オランダの美術館がこれほど充実していることに驚いています。ルーブルやエルミタージュだけが美術館ではないのです。
ベルギー・アントワープのノートルダム大聖堂ではルーベンスの最高傑作と言われる大きな宗教画があり、そのうちの一つ「キリストの降架」では、「フランダースの犬」の少年ネロが、念願だったこの絵を見ながら息絶えていくさまを、日本人のツアーガイドさんがとても興味深く説明していました。二人で、ツアー参加者のような顔をして図々しく付いてまわっています。
ベネルクス三国を制覇しようと、ルクセンブルグにも出かけました。ブリュッセルからの日帰り、往復6時間半ほどでしたが、行った甲斐がありました。断崖絶壁の上に建つ城塞都市は、日本の城下町には無い厳しさが感じられました。
前回年末年始の南フランスのときは事前に調べたレストランが冬の長期休業だったり開店が夜7時半からだったりで利用できず、行き当たりばったりの夕食が多かったのですが、今回は事前調査のレストランでしっかり食事をとることができました。フランスと違って気軽なレストランが多いようです。どこも評判通り美味しかったのですが、最後に食べたムール貝が格別美味しかったように思います。でも、8泊10日の8泊目、胃も疲れ気味のときにホテルで食べたインスタントのカレーヌードルも記憶に残る美味しさでした。