海外旅行

No.114:驚きが多かったホーチミン

 4泊5日で滞在したベトナム・ホーチミン、驚くことが多い街でした。バイクの多さとマナーの悪さにはびっくりです。歩道を走る、歩行者専用の横断歩道を青信号で渡っている前後すれすれを横切る、左折と対向右折が無秩序に入り乱れる、あちこちでクラクションが鳴り響く、といった具合、車のマナーも似たようなものです。それに、どこへ行ってもたくさんのバイクが走っており、排気ガスが気になります。

 歩道では、料理して食事している、商品を満載した天秤棒を担いで来て商売をしている、公園では通路に直接座り込んでみんなで話し込んでいる、市場では狭い通路に商品が迫り呼び込みも激しい、街歩きを楽しむという気分にはなれません。この無秩序や活力を楽しむのであれば別ですが。ベトナムでこうですから、東南アジアのもっと貧しい国々では更に驚かされるに違いありません。

 空港と市内を結ぶバスが25円、と聞き嬉しくなってベトナムへ出かけました。結果、物価の安さと食事の美味しさにはほぼ満足でした。タクシーは初乗60円から市内ならばかなり遠くでもせいぜい250円、レストランはビールが100円、スイカジュースが150円、牛肉のフォー330円やカニの爪のフライ1,150円と嬉しい価格、飲まず食わずでひたすら歩き回る我々のいつもの観光とはまるで違いました。雨期なので雨合羽などを持参しましたがスコールに出会うことも無く、最高気温も31℃、32℃で、旅行中東京では36.7℃になる日もあり、日によっては東京よりも涼しく、天候にも恵まれています。


楽しい水上人形劇<写真へのクリックで拡大できます>

 ツアーや観劇も安く、マングローブなどが迫る狭い水路を小さな手漕ぎボートで進むメコン川クルーズ、ベトナムの神話と伝説を題材にした数々の巨大像があるテーマパーク、竹製小道具を使ったアクロバットパフォーマンス、歌とベトナム楽器に合わせての水上人形劇など、エンターテイメントにも毎日出かけています。いずれもベトナムに行かないと楽しめないものばかりです。

 観光地であればどこにでもある絵葉書がほとんど見当たりません。やっとのことで見つけたのは、お婆さんが歩道で売っているものでした。フランス植民地時代の大聖堂や郵便局の建物が少しあるものの、多くは農村風景の絵葉書です。ホーチミンには観光すべきところはほとんどない、ということなのでしょう。あるのは”安さ”、でも雑貨や衣料に興味のない私にとっては、また行こう、というほどの魅力はありません。

 ぼったくり、ひったくり、スリなどが日常茶飯事のようで、空港からホテルへの送迎バスの中で散々注意されました。ぼったくり対策として、流しの自転車タクシー(シクロ)やバイクタクシーには乗らない、タクシーはVINASUNとMAILINH以外には乗らない、バイクのひったくり対策として、バッグをたすき掛けにする、スリ対策は、ズボンのポケットに財布を入れない、パスポートは絶対に持ち歩かない、といった具合です。被害は、シクロ、タクシー、ホテル、みやげ物店、レストランと多岐にわたり、片時も油断できない様子、安全、安心の日本とは全く違います。

 私も被害を受けました。思い出すと相手にも自分自身にも腹が立つのですが、自分への戒めとしてここに書き記しておきます。長文ですが、興味ある方はお読みください。


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 タクシーの運転手に釣りがないと騒がれ、丁度の金額で支払おうと、不慣れな上に種類も多いドン紙幣を妻がチェックしていたときのことです。運転手が、あなたは持っていないのか、という感じで私のポケットを探りました。親切を装って、途中で助手席に乗せられていたのです。財布を見つけ出し中身を見た直後に、突然新聞紙を取りだし何かわめきましたが、すぐおとなしくなりホッとしているところで財布を返してきました。

 冷静に考えるとこれで十分に危ういのですが、不思議にも何の疑いも持ちませんでした。釣りが必要な高額紙幣しかないことが分かってくれただろう、などとむしろ安堵すらしています。日本であれば、運転手に財布を確認してもらっても、まあそんなことは起きませんが、十分安心安全、そんな環境にすっかり慣れていて、ボケていたに違いありません。それに、運転手の親しげな態度にすっかり騙されました。車を降りて、妻に言われて財布を確認すると現金がなくなっていたのです。1万円以上の被害でした。

 観光初日でした。まずタクシーで旅行会社へ。ホテルからはVINASUNタクシーで安心でしたが、何回か停車して旅行会社の場所を尋ねていたので、頼りなさを感じていました。降りてからスマホで現在地を確認すると、全く違う場所、どうしよう、困った、というところにタクシーが止まり、話しかけてきたのです。とても親しげで親切そうな態度に、場所の間違いに気付いた運転手が戻ってきてくれた、と勝手に勘違いして乗り込んだのが運の尽きでした。とんでもない悪質運転手だったのです。違う運転手だったことを妻は知っていたようですが、思い込んでいる私には分かりませんでした。

 車が少し動いたところでスマホを見ると目的の旅行会社近くを走っていたので安堵し、運転手をますます信用してしまいました。後で妻が言うには、このときは1ブロックか2ブロックを周って元のところに戻っただけ、とのこと、結局、最初に降りたところは正しかったのです。「全く違う場所」はスマホの誤表示でした。スマホだけに頼り、表示を信用して慌ててしまった自分が情けなくなります。慌てたときにとんでもない判断と行動に出る、それはオレオレ詐欺被害そのもの、私も要注意のようです。

 料金は35,000ドン、175円程度、妻が、慣れないドン紙幣を探しているときを狙っての犯行でした。後で考えると、一周しただけにしては高すぎます。かなり走った最初のタクシーが40,000ドン、200円程度でしたから、メーターに細工があったのかもしれません。それにこれも後からですが、最初のタクシーが目的の旅行会社を尋ねるために停車したとき、この悪質運転手がやって来て、勝手にドアを開けて手に持った何枚かのお札を振り回してわめいていました。何だったのかさっぱり分からないのですが、このときから「不慣れな観光客」と目を付けていたのでしょう。


悪質運転手。感情線が上下に分かれているのは「優しい笑顔の下には、想像もつかないくらい激しい、鬼のようなもう一つの顔を持っているかも」だそうだ。<写真へのクリックで拡大できます>

 翌々日、水上人形劇チケット売場近くで、この悪質運転手を妻が見つけました。すぐに近寄って行って、金を返せ、と迫り、至近距離でカメラを向けると手で顔を隠し、停まっている車の陰に逃げ込みました。金を返せ、と何回か大声で叫び、追いかけようとすると、妻が危ないからやめろと手を引っ張ります。それもそうか、とその場を離れたのです。逃げて車の陰からこちらを窺っている様をみていると、所詮はコソ泥、という気がして、それに罵声ともいえる大声を相手に何回か浴びせたこともあって、少しは気が晴れました。

 失敗はこれだけではありません。帰国した翌日の夕食後にお腹が少し痛くなりトイレに行きました。下痢気味でした。やや不調のまま3日後、大学時代の友人たちとの飲み会があり、飲み食いをかなり控えめにしたつもりでしたが、下痢が悪化してしまいました。その後お粥の毎日、普通の食事に戻したのは帰国から8日目、ほぼ完治と思われたのは16日目でした。こんなに長く続くお腹不調は近年なく、原因はベトナムに間違いありません。友人が東南アジアでひどい目に遭っていたので、かなり注意していたのですが、やられました。

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No.156:ガウディの世界 (2020年01月31日)

大輪の花のような大きな丸窓、そこにはめ込まれた花びらの形をした色とりどりのステンドグラスを通して、明るく柔らかい光が差し込んでいます。バルセロナ近郊の小さな町にあるコロニア・グエル教会です。ガウディ建築の原点で、最高傑作とも言われています。床から伸びるやや傾いた柱は樹木を連想させ、天井を這うたくさんの梁はその枝を連想させます。まるで林の中にいるようです。

No.151:北欧夏の旅 (2019年08月31日)

 両岸に迫る切り立った岩山の間を縫うように、静かに進むクルーズ船、鏡のような海面に映し出される岩山と青空、朝の清々しい空気とあいまって、神々しいばかりの自然の美しさに心打たれました。この風景だけで、今回の北欧夏の旅に出た価値がありました。ノルウェーのソグネフィヨルド、その最も狭いところを巡るクルーズ、グドヴァンゲンという港を朝8時半に出て、フロムという港までの2時間、心洗われる思いでした。

No.144:多難なギリシャ旅行でした (2019年01月31日)

 異例の寒波に見舞われたギリシャ、大雪で交通機関が混乱するなかでの観光旅行でした。長距離のバスや電車は通常でも本数が少なくて不便なギリシャ、それが混乱したのですから、ギリシャ語の分からない個人旅行者にとっては不安の多い、多難な移動となりました。

No.141:親日国ポーランド (2018年10月31日)

 初めてのポーランドでは多くの親切に出会いました。ヤヴォルの平和教会では教会のパイプオルガン演奏を収録したCDをいきなりプレゼントされ、戸惑ったり、喜んだり、ワルシャワの中央駅では広大な構内をバス停まで案内してもらい大助かりでした。いずれもたまたまそこにいた人たちで、CDは教会の受付でわざわざ購入したものらしく、バス停に案内してくれた人は売店で後ろに並んだ人でした。券売機の操作でまごついていると声を掛けてくれたり、乗車ホームの確認ができずに困っていると快く助けてくれました。

No.132:シチリア旅行 (2018年01月31日)

 今回の旅のハイライトはパルレモの王宮内パラティーナ礼拝堂でした。多くの教会や礼拝堂を見てきましたが、これほど美しい礼拝堂は初めてです。シチリアが地中海で最も財力ある国に発展したノイマン王朝時代(12世紀)に造られました。黄金色、青、赤、緑のモザイクが壁一面を覆い、900年近くも経つのに、色褪せることなく鮮やかに美しく輝いています。

No.128:ポルトガル旅行 (2017年09月30日)

 季節の良いときに旅行に行きたい、と勤務先のボスに頼み込み、秋のポルトガル旅行が実現しました。直行便のないポルトガルは15時間ほど、飛行機の狭い座席で長時間過ごすこと、キツイ時差ぼけになることで、歳をとったら厳しく、ヨーロッパにあと何回行けるかわからない、と訴えたのです。

No.120:2度目のミラノ、ヴェネチア (2017年01月31日)

 2度目のミラノ・ヴェネチアは充実した旅でした。14年前に初めて訪れたときは、ツアーだったので、効率は良いものの、次から次へと味わう間もなく見物していった感がありましたが、今回は全て自由行動、思うところをゆっくり旅することができました。まさに「2度目の旅は断然楽しい!」です。

No.108:ベネルクス3国の旅 (2016年01月31日)

 「本当に行くの?」「無事の帰国を祈る!」といった言葉に見送られて出かけたブリュッセル、新年の3日まで開いているクリスマスマーケットをはじめとして街中が大変な賑わい、テロに対する人々の懸念は全く感じられません。

No.100:何事も大きく頑丈そうなロシアでした (2015年05月31日)

 ゴールデンウィークでの海外旅行は2回目、1回目は37年前の初めてのヨーロッパでした。それから何回も出かけているヨーロッパですが、今回はフィンランドのヘルシンキ、エストニアのタリン、ロシアのサンクトペテルブルク、と初めての国ばかりです。映画「かもめ食堂」の舞台となったヘルシンキを観光し、ムーミンのマグカップを購入、街中が中世のテーマパークのようなタリンを楽しみました。サンクトペテルブルク、旧レニングラードはヘルシンキから高速鉄道で行けることが分かり、急きょ計画に組込み、世界三大美術館であるエルミタージュ美術館や美しいエカテリーナ宮殿を見物しました。

No.096:南仏の旅 (2015年01月31日)

 1月1日元日の午前0時30分羽田発でパリ経由南仏ニースへ。搭乗するとすぐに「いつもエールフランスをご利用いただきありがとうございます」とプレミアム・エコノミーにグレードアップしてくれました。妻と2人で10万円以上相当のプレゼント、幸先の良い年明けです。


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