海外旅行

No.144:多難なギリシャ旅行でした

 異例の寒波に見舞われたギリシャ、大雪で交通機関が混乱するなかでの観光旅行でした。長距離のバスや電車は通常でも本数が少なくて不便なギリシャ、それが混乱したのですから、ギリシャ語の分からない個人旅行者にとっては不安の多い、多難な移動となりました。

 1日1便のバスが大雪で運休となりそうだったので、確実な電車での移動に急きょ切り替えたときのことです。駅のある町までバスで1時間、バス停から駅まではタクシー、と宿泊したホテルに言われていたので、バス停のカフェで駅までのタクシーを頼むと、そんな駅はない、と言っている様子、ここで不安が一気に広がりました。『地球の歩き方』にもある駅で、その駅でないと予定の電車に乗れず、今日の目的地に行けないかもしれません。訳が分からないまま、とにかく「駅」と言われるところまでタクシーで行くと、ちゃんと『地球の歩き方』にある駅名になっていました。何のことだったのでしょう。お互いが片言の英語のため意思疎通がうまくいかなったようです。


大雪の中でのギリシャ観光。岩の上に立つメテオラの修道院。<写真へのクリックで拡大できます>

 予定の電車に無事乗車しましたが、乗換駅で下車するつもりが、間違って1つ手前の駅で降りてしまいました。乗換駅到着時刻を過ぎていたので降りたのですが、雪のために遅れていたのです。ギリシャ語の車内アナウンスが分れば降りなかったでしょう。そこは、周囲に民家ひとつない無人駅、雪が積もった氷点下の夜、暖房のない冷えきった小さな待合室で2時間後の次の電車を待ちました。次は最終便、もし乗ったのがこの便だったら、この駅で夜を過ごすこととなり、命にも関わることでした。最終便は遅れたものの無事停車、乗り込むと、冷え切った身体が温められ、安堵と喜びをしみじみと味わいました。危ないところでした。

 次の日、昨日の乗換駅で電車を待っていると、遅れていた乗換電車が急に入ってきました。停車したプラットフォームまで慌てて走り、階段でこけそうになって持っていたホットチョコレートをこぼしています。駅に案内表示がなく、ギリシャ語の構内アナウンスのみなのです。

 エーゲ海のミコノス島にフェリーで夜に到着したときは、いるはずのバスが居ませんでした。そのうち、フェリーを降りた客は迎えの車で全て立ち去り、我々二人と港の保安員二人だけが残り、バスが来ないことを確信しました。保安員にタクシーを呼んでほしいと頼むと、タクシー乗場で待っていればそのうち来る、と言います。そんなはずない、と更に食い下がるともう一人が電話でタクシーを呼んでくれました。保安員二人が車で立ち去って、我々二人だけが広い港に取り残されてしばらくしてタクシーが来ました。まるで救助される遭難者のように、大きく手を振ってタクシーに駆け寄っています。

 最終日、アテネ空港に行くと、出発便案内に搭乗予定の便名がありません。尋ねると欠航とのこと、航空会社のスタッフが小一時間ほどで来るからその人に相談しろ、とのことでした。結局、航空会社が手配した空港近くのホテルで1泊して、1日遅れでの帰国となりました。快適なホテルだったので、これは幸運だった、と思うようにしています。空港なので、片言でも英語での意思疎通ができたし、旅行中に直面したいくつかの困難や不安に比べれば楽勝だったといえます。

 
言葉が分からない国で、何かあると大変、ということを改めて認識しました。いままで何も無さ過ぎたのかもしれません。

今回の教訓を、今後のために以下に記録しておきます。興味ある方はお読みください。


続きを表示/非表示

 

1.天候異変のとき、観光地の状況をホテルに確認する。

 大雪の翌日、ホテルからタクシーで1時間かけて修道院見学に出かけましたが、雪で修道院が閉鎖されていました。また1時間かけてホテルに戻っています。天候に異変があるときは、出かける前にホテルで確認すべきでした。通常を知らないので、異変の判断は難しいかもしれません。観光先や移動に問題が無いかホテルを出るときに確認することを心がけたいと思います。ストなどもあるかもしれないし。

 

2.お互い片言での英語が予想される場合、紙に書いたもので話をする。

 バス停となっているカフェで駅までのタクシーを依頼したとき、乗車する駅名、時刻、行先を書いたものがあればお互いの確認がとれて不安を持つことは無かったと思われます。予定ルートであれば事前に印刷してあるのですが、予定外のルートだったので印刷したものがありませんでした。手書きで用意すべきでした。

 

3.途中下車するバスや電車では、乗車する前にGPSを作動させておく。

 乗換駅の1つ手前の駅で誤って降りたときは、GPSが動作していませんでした。GPSは停止した状態で位置検知を開始・完了しておけば、走行中でも位置検知を続けますが、走行中に位置検知を開始すると検知しないときがあるようです。山間部だから、と考えたのですが、海上のフェリー窓際での位置検知もできませんでした。

 


氷点下の無人駅には物欲しげな犬くんが。お互いの不遇を一緒に嘆きたい気分だった。<写真へのクリックで拡大できます>

4.停車した駅名は、現地の人と思われる人に確認する。

 乗換駅を間違って降りたとき、停車した駅名を確認したのがフィリッピンからの旅行者でした。母と娘の二人連れ、この人たちも乗換駅到着時刻を過ぎていたので乗換駅と判断したようで、自信たっぷりに「この駅だ」と言って、一緒に降りました。結局、間違って降りたのは4人だけ、駅舎にある駅名を見て間違ったことに気が付いたときには電車はすでに立ち去っていました。車内で、訊く人を間違えました。現地の人だと思ったのが旅行者だったのです。

 

5.電車の場合、全停車駅を事前に確認しておく。

 全停車駅を印刷、あるいはスマホに入れておけば、乗換駅の前に駅があることも事前に分かり、間違って降りることはなかったでしょう。

 

6.何番ホームから出るのか分からない時は、複数の人に尋ねておく。

 乗換の電車が、いつ、どのホームに来るのか分からなかったので、何人かに尋ねました。そのときの答は「まだ分からない」でしたが、後で、そのうちの一人が、もうすぐ電車が入ってくる、と教えてくれました。おかげで、近づく電車を見つけて停車したホームに走って乗車できました。複数人に尋ねておけば一人ぐらいは教えてくれるということでしょう。それにしても駅の案内が不親切すぎます。

 

7.船のチケットを買うときに、出港場所だけでなく、入港場所も確認する。

 ミコノス島にはオールド・ポートとニュー・ポートがあり、ニュー・ポートだと町までバスかタクシーになります。今回の入港がニュー・ポートと確認していれば、町へのアクセスを事前に検討できました。確認不足でした。

 

8.島の観光は、帰りの船が出なくても日本には帰れる、余裕のある行程にしておく。

 今回は、帰国直前でのミコノス島往復でしたが、天候が荒れることなく、予定通り帰れました。でも、船の欠航などを考えて、余裕のある往復とすべきでした。

 

9.帰りのフライトには余裕を持って出る。

 ドイツのメルケル首相が訪問しており、国会周辺の地下鉄駅閉鎖や道路交通規制がありました。ホテルは国会の斜め前、国会前広場から出る空港行バスの運行をバス停のチケット売場で確認すると、ここからは出ない、とのこと、タクシーがちゃんとバス停で控えています。地下鉄でも空港に行けますが、駅が閉鎖されていて乗れません。タクシーか、と考えていたところに空港行バスが入ってきて、無事空港まで行くことができました。時間的な余裕があったので、バス停でうろうろできましたが、他の旅行客はさっさとタクシーで行ったようで、バスの乗客はまばら、空港で降りたのは我々二人だけでした。チケット売場での確認は何だったのでしょうか。

の記事

No.156:ガウディの世界 (2020年01月31日)

大輪の花のような大きな丸窓、そこにはめ込まれた花びらの形をした色とりどりのステンドグラスを通して、明るく柔らかい光が差し込んでいます。バルセロナ近郊の小さな町にあるコロニア・グエル教会です。ガウディ建築の原点で、最高傑作とも言われています。床から伸びるやや傾いた柱は樹木を連想させ、天井を這うたくさんの梁はその枝を連想させます。まるで林の中にいるようです。

No.151:北欧夏の旅 (2019年08月31日)

 両岸に迫る切り立った岩山の間を縫うように、静かに進むクルーズ船、鏡のような海面に映し出される岩山と青空、朝の清々しい空気とあいまって、神々しいばかりの自然の美しさに心打たれました。この風景だけで、今回の北欧夏の旅に出た価値がありました。ノルウェーのソグネフィヨルド、その最も狭いところを巡るクルーズ、グドヴァンゲンという港を朝8時半に出て、フロムという港までの2時間、心洗われる思いでした。

No.141:親日国ポーランド (2018年10月31日)

 初めてのポーランドでは多くの親切に出会いました。ヤヴォルの平和教会では教会のパイプオルガン演奏を収録したCDをいきなりプレゼントされ、戸惑ったり、喜んだり、ワルシャワの中央駅では広大な構内をバス停まで案内してもらい大助かりでした。いずれもたまたまそこにいた人たちで、CDは教会の受付でわざわざ購入したものらしく、バス停に案内してくれた人は売店で後ろに並んだ人でした。券売機の操作でまごついていると声を掛けてくれたり、乗車ホームの確認ができずに困っていると快く助けてくれました。

No.132:シチリア旅行 (2018年01月31日)

 今回の旅のハイライトはパルレモの王宮内パラティーナ礼拝堂でした。多くの教会や礼拝堂を見てきましたが、これほど美しい礼拝堂は初めてです。シチリアが地中海で最も財力ある国に発展したノイマン王朝時代(12世紀)に造られました。黄金色、青、赤、緑のモザイクが壁一面を覆い、900年近くも経つのに、色褪せることなく鮮やかに美しく輝いています。

No.128:ポルトガル旅行 (2017年09月30日)

 季節の良いときに旅行に行きたい、と勤務先のボスに頼み込み、秋のポルトガル旅行が実現しました。直行便のないポルトガルは15時間ほど、飛行機の狭い座席で長時間過ごすこと、キツイ時差ぼけになることで、歳をとったら厳しく、ヨーロッパにあと何回行けるかわからない、と訴えたのです。

No.120:2度目のミラノ、ヴェネチア (2017年01月31日)

 2度目のミラノ・ヴェネチアは充実した旅でした。14年前に初めて訪れたときは、ツアーだったので、効率は良いものの、次から次へと味わう間もなく見物していった感がありましたが、今回は全て自由行動、思うところをゆっくり旅することができました。まさに「2度目の旅は断然楽しい!」です。

No.114:驚きが多かったホーチミン (2016年07月31日)

 4泊5日で滞在したベトナム・ホーチミン、驚くことが多い街でした。バイクの多さとマナーの悪さにはびっくりです。歩道を走る、歩行者専用の横断歩道を青信号で渡っている前後すれすれを横切る、左折と対向右折が無秩序に入り乱れる、あちこちでクラクションが鳴り響く、といった具合、車のマナーも似たようなものです。それに、どこへ行ってもたくさんのバイクが走っており、排気ガスが気になります。

No.108:ベネルクス3国の旅 (2016年01月31日)

 「本当に行くの?」「無事の帰国を祈る!」といった言葉に見送られて出かけたブリュッセル、新年の3日まで開いているクリスマスマーケットをはじめとして街中が大変な賑わい、テロに対する人々の懸念は全く感じられません。

No.100:何事も大きく頑丈そうなロシアでした (2015年05月31日)

 ゴールデンウィークでの海外旅行は2回目、1回目は37年前の初めてのヨーロッパでした。それから何回も出かけているヨーロッパですが、今回はフィンランドのヘルシンキ、エストニアのタリン、ロシアのサンクトペテルブルク、と初めての国ばかりです。映画「かもめ食堂」の舞台となったヘルシンキを観光し、ムーミンのマグカップを購入、街中が中世のテーマパークのようなタリンを楽しみました。サンクトペテルブルク、旧レニングラードはヘルシンキから高速鉄道で行けることが分かり、急きょ計画に組込み、世界三大美術館であるエルミタージュ美術館や美しいエカテリーナ宮殿を見物しました。

No.096:南仏の旅 (2015年01月31日)

 1月1日元日の午前0時30分羽田発でパリ経由南仏ニースへ。搭乗するとすぐに「いつもエールフランスをご利用いただきありがとうございます」とプレミアム・エコノミーにグレードアップしてくれました。妻と2人で10万円以上相当のプレゼント、幸先の良い年明けです。


タイトルとURLをコピーしました