海外旅行

No.096:南仏の旅

 1月1日元日の午前0時30分羽田発でパリ経由南仏ニースへ。搭乗するとすぐに「いつもエールフランスをご利用いただきありがとうございます」とプレミアム・エコノミーにグレードアップしてくれました。妻と2人で10万円以上相当のプレゼント、幸先の良い年明けです。

 ニース到着は同じ1月1日の午前8時45分、快晴、東京では見ることができない紺碧の空で、気温も東京よりも暖かく感じる絶好の観光日和、8日の午後7時25分にニースを発つまでのまるまる8日間、最終日まで初日同様の良い天気が続く、天候に恵まれた旅となりました。

 ニースを中心に、コート・ダジュール沿いの、鷲の巣村のエズ、F1のモナコ、映画祭のカンヌ、ルノアールが晩年を過ごしたカーニュ・シュル・メールを観光し、プロヴァンス地方に移動して、アヴィニヨン、ローマ時代の水道橋で世界遺産のポン・デュ・ガール、南仏の美しい村々、アルル、マルセイユ、などを観光、個人旅行としては盛りだくさんで、天気良し、景色良し、人は親切、と大満足の旅でした。

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絵画の風景に出合う旅ともなりました。

 人の親切で特に印象に残ったのはアルルです。郊外にある「ゴッホの跳ね橋」の見物にバスを利用しましたが、観光案内所やバスのチケット売場の人がとても親切で、定期ルートにはない、橋への直行直帰ルートのタクシー並みのサービスを手配してくれました。定期ルートだとバス停から20分ほど歩くので、往復1時間半はかかるところを、40分もかからずに、しかもゆっくり橋を見物できたのです。乗客は我々2人のみ、料金は1人1ユーロ、運転手さんがカメラのシャッター押しまでやってくれて。持参した「地球の歩き方」には記載のないサービスで、2人とも大喜びでした。

 アルル駅では、親切なお婆さんが片言の英語で「フォローミー、フォローミー」と手招きしてくれました。乗車予定だった電車が到着直前に人身事故で止まってしまい、駅で待機していて1時間以上経ったときに、振替バスが出るので一緒に乗ろうと誘ってくれたのです。お婆さんも我々と同じマルセイユ行き、というのが分かっていたので安心して一緒にバスに乗り込みました。ミラマという町で別の路線の電車に乗換えて、2時間遅れでマルセイユに無事到着、フランス語を聞き取れない、読めない、何もわからない我々にとっては、心強い助っ人でした。カップスープを2つ持っていたので、ジャパニーズ・フーズ、と差し上げたらとても喜んでくれて、お礼を何回か言われました。

 パックツアーとは違い、とにかくよく歩きました。終盤では疲れも出てきて、マルセイユの丘の上の大聖堂への登り坂などは休みやすみ歩いています。満席の観光用トラムが2回も追い越して行き、帰りはこれに乗る、と妻が語気を強める一幕もあって、帰りは結局バスとなりました。でも、最終日のニースでは、マティス美術館に行くのにバスを使った以外は1日中、6時間以上歩いています。旅の間中常に歩きだったので、慌ただしかったり、車窓が多かったりのパックツアーではなかなか経験できない、現地の空気や人々の暮らしにより触れることができた気がします。さんざん歩くにも関わらず、やはり個人旅行がいいね、と二人で話しています。

 残念だったのは、日本で事前に調べたレストランには1軒も行くことができなかったことです。オフシーズンで2ヵ月休み、だったり、始まりが夜7時半、だったりしたためです。夕食が遅い時間になると、寝るのが遅くなり、翌日早朝に起きられずに、予定の電車やバスに乗れなくなります。多くの日が朝5時か6時起きでしたから。ちなみにこれは、パックツアーよりもハード、という妻のぼやきの元ともなっていました。

 帰りのパリ発エールフランス、乗客が少なかったので座席を3つも占有して横になり、ぐっすり寝ることができました。往きも広いプレミアム席でぐっすり寝たので、今回は、現地でも帰国後も時差ボケに悩まされることはほとんどありませんでした。いい旅でした。

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No.156:ガウディの世界 (2020年01月31日)

大輪の花のような大きな丸窓、そこにはめ込まれた花びらの形をした色とりどりのステンドグラスを通して、明るく柔らかい光が差し込んでいます。バルセロナ近郊の小さな町にあるコロニア・グエル教会です。ガウディ建築の原点で、最高傑作とも言われています。床から伸びるやや傾いた柱は樹木を連想させ、天井を這うたくさんの梁はその枝を連想させます。まるで林の中にいるようです。

No.151:北欧夏の旅 (2019年08月31日)

 両岸に迫る切り立った岩山の間を縫うように、静かに進むクルーズ船、鏡のような海面に映し出される岩山と青空、朝の清々しい空気とあいまって、神々しいばかりの自然の美しさに心打たれました。この風景だけで、今回の北欧夏の旅に出た価値がありました。ノルウェーのソグネフィヨルド、その最も狭いところを巡るクルーズ、グドヴァンゲンという港を朝8時半に出て、フロムという港までの2時間、心洗われる思いでした。

No.144:多難なギリシャ旅行でした (2019年01月31日)

 異例の寒波に見舞われたギリシャ、大雪で交通機関が混乱するなかでの観光旅行でした。長距離のバスや電車は通常でも本数が少なくて不便なギリシャ、それが混乱したのですから、ギリシャ語の分からない個人旅行者にとっては不安の多い、多難な移動となりました。

No.141:親日国ポーランド (2018年10月31日)

 初めてのポーランドでは多くの親切に出会いました。ヤヴォルの平和教会では教会のパイプオルガン演奏を収録したCDをいきなりプレゼントされ、戸惑ったり、喜んだり、ワルシャワの中央駅では広大な構内をバス停まで案内してもらい大助かりでした。いずれもたまたまそこにいた人たちで、CDは教会の受付でわざわざ購入したものらしく、バス停に案内してくれた人は売店で後ろに並んだ人でした。券売機の操作でまごついていると声を掛けてくれたり、乗車ホームの確認ができずに困っていると快く助けてくれました。

No.132:シチリア旅行 (2018年01月31日)

 今回の旅のハイライトはパルレモの王宮内パラティーナ礼拝堂でした。多くの教会や礼拝堂を見てきましたが、これほど美しい礼拝堂は初めてです。シチリアが地中海で最も財力ある国に発展したノイマン王朝時代(12世紀)に造られました。黄金色、青、赤、緑のモザイクが壁一面を覆い、900年近くも経つのに、色褪せることなく鮮やかに美しく輝いています。

No.128:ポルトガル旅行 (2017年09月30日)

 季節の良いときに旅行に行きたい、と勤務先のボスに頼み込み、秋のポルトガル旅行が実現しました。直行便のないポルトガルは15時間ほど、飛行機の狭い座席で長時間過ごすこと、キツイ時差ぼけになることで、歳をとったら厳しく、ヨーロッパにあと何回行けるかわからない、と訴えたのです。

No.120:2度目のミラノ、ヴェネチア (2017年01月31日)

 2度目のミラノ・ヴェネチアは充実した旅でした。14年前に初めて訪れたときは、ツアーだったので、効率は良いものの、次から次へと味わう間もなく見物していった感がありましたが、今回は全て自由行動、思うところをゆっくり旅することができました。まさに「2度目の旅は断然楽しい!」です。

No.114:驚きが多かったホーチミン (2016年07月31日)

 4泊5日で滞在したベトナム・ホーチミン、驚くことが多い街でした。バイクの多さとマナーの悪さにはびっくりです。歩道を走る、歩行者専用の横断歩道を青信号で渡っている前後すれすれを横切る、左折と対向右折が無秩序に入り乱れる、あちこちでクラクションが鳴り響く、といった具合、車のマナーも似たようなものです。それに、どこへ行ってもたくさんのバイクが走っており、排気ガスが気になります。

No.108:ベネルクス3国の旅 (2016年01月31日)

 「本当に行くの?」「無事の帰国を祈る!」といった言葉に見送られて出かけたブリュッセル、新年の3日まで開いているクリスマスマーケットをはじめとして街中が大変な賑わい、テロに対する人々の懸念は全く感じられません。

No.100:何事も大きく頑丈そうなロシアでした (2015年05月31日)

 ゴールデンウィークでの海外旅行は2回目、1回目は37年前の初めてのヨーロッパでした。それから何回も出かけているヨーロッパですが、今回はフィンランドのヘルシンキ、エストニアのタリン、ロシアのサンクトペテルブルク、と初めての国ばかりです。映画「かもめ食堂」の舞台となったヘルシンキを観光し、ムーミンのマグカップを購入、街中が中世のテーマパークのようなタリンを楽しみました。サンクトペテルブルク、旧レニングラードはヘルシンキから高速鉄道で行けることが分かり、急きょ計画に組込み、世界三大美術館であるエルミタージュ美術館や美しいエカテリーナ宮殿を見物しました。


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