1月1日元日の午前0時30分羽田発でパリ経由南仏ニースへ。搭乗するとすぐに「いつもエールフランスをご利用いただきありがとうございます」とプレミアム・エコノミーにグレードアップしてくれました。妻と2人で10万円以上相当のプレゼント、幸先の良い年明けです。
ニース到着は同じ1月1日の午前8時45分、快晴、東京では見ることができない紺碧の空で、気温も東京よりも暖かく感じる絶好の観光日和、8日の午後7時25分にニースを発つまでのまるまる8日間、最終日まで初日同様の良い天気が続く、天候に恵まれた旅となりました。
ニースを中心に、コート・ダジュール沿いの、鷲の巣村のエズ、F1のモナコ、映画祭のカンヌ、ルノアールが晩年を過ごしたカーニュ・シュル・メールを観光し、プロヴァンス地方に移動して、アヴィニヨン、ローマ時代の水道橋で世界遺産のポン・デュ・ガール、南仏の美しい村々、アルル、マルセイユ、などを観光、個人旅行としては盛りだくさんで、天気良し、景色良し、人は親切、と大満足の旅でした。
人の親切で特に印象に残ったのはアルルです。郊外にある「ゴッホの跳ね橋」の見物にバスを利用しましたが、観光案内所やバスのチケット売場の人がとても親切で、定期ルートにはない、橋への直行直帰ルートのタクシー並みのサービスを手配してくれました。定期ルートだとバス停から20分ほど歩くので、往復1時間半はかかるところを、40分もかからずに、しかもゆっくり橋を見物できたのです。乗客は我々2人のみ、料金は1人1ユーロ、運転手さんがカメラのシャッター押しまでやってくれて。持参した「地球の歩き方」には記載のないサービスで、2人とも大喜びでした。
アルル駅では、親切なお婆さんが片言の英語で「フォローミー、フォローミー」と手招きしてくれました。乗車予定だった電車が到着直前に人身事故で止まってしまい、駅で待機していて1時間以上経ったときに、振替バスが出るので一緒に乗ろうと誘ってくれたのです。お婆さんも我々と同じマルセイユ行き、というのが分かっていたので安心して一緒にバスに乗り込みました。ミラマという町で別の路線の電車に乗換えて、2時間遅れでマルセイユに無事到着、フランス語を聞き取れない、読めない、何もわからない我々にとっては、心強い助っ人でした。カップスープを2つ持っていたので、ジャパニーズ・フーズ、と差し上げたらとても喜んでくれて、お礼を何回か言われました。
パックツアーとは違い、とにかくよく歩きました。終盤では疲れも出てきて、マルセイユの丘の上の大聖堂への登り坂などは休みやすみ歩いています。満席の観光用トラムが2回も追い越して行き、帰りはこれに乗る、と妻が語気を強める一幕もあって、帰りは結局バスとなりました。でも、最終日のニースでは、マティス美術館に行くのにバスを使った以外は1日中、6時間以上歩いています。旅の間中常に歩きだったので、慌ただしかったり、車窓が多かったりのパックツアーではなかなか経験できない、現地の空気や人々の暮らしにより触れることができた気がします。さんざん歩くにも関わらず、やはり個人旅行がいいね、と二人で話しています。
残念だったのは、日本で事前に調べたレストランには1軒も行くことができなかったことです。オフシーズンで2ヵ月休み、だったり、始まりが夜7時半、だったりしたためです。夕食が遅い時間になると、寝るのが遅くなり、翌日早朝に起きられずに、予定の電車やバスに乗れなくなります。多くの日が朝5時か6時起きでしたから。ちなみにこれは、パックツアーよりもハード、という妻のぼやきの元ともなっていました。
帰りのパリ発エールフランス、乗客が少なかったので座席を3つも占有して横になり、ぐっすり寝ることができました。往きも広いプレミアム席でぐっすり寝たので、今回は、現地でも帰国後も時差ボケに悩まされることはほとんどありませんでした。いい旅でした。