暮し

No.115:抜歯


愛犬モモの抜けた歯(右)<写真へのクリックで拡大できます>

 「抜歯になると思います」と歯医者さんに言われて慌てました。2年ほど前に抜歯して、自分自身の歯がいかに大切かを知ったからです。歯ぐきに白い点が2つでき、レントゲンを撮ると、かなり昔に神経を抜いた歯の根元が化膿し、骨を溶かし、歯ぐきを突き抜けて細いトンネルができていました。セラミックの被せ物を取り除いて、神経を抜いた跡の根元内側の空洞をきれいにして、殺菌し、1週間様子を見ましたが、1つは消えたものの、もう1つが消えません。

 こうなると、歯の根元外側から治療する必要があるが、化膿が消えないので、おそらく歯自体が損傷しており抜歯が必要となるだろう、と言われました。抜歯などとんでもない。前回の抜歯、インプラントにすればいいや、と軽く同意してしまいましたが、その後、抜歯箇所が狭いのでインプラントはリスクが大きく、ブリッジや差し歯は健康な両隣の歯を弱め、ドミノ倒しのように歯が抜けていくリスクがあることを知り、悔やんでも悔やみ切れない思いをしているのです。

 本当に抜歯しかないのか、別の歯科医に意見を求めました。1人目は、「二度と入れ歯や差し歯を入れたくない」人のために、とホームページにあったので行ってみました。これがどうみてもひどい歯科医、助手とのコミュニケーションが悪く、治療中に怒鳴るし、狭い治療室には所狭しと物が置いてあり、無造作に置かれた治療器具に清潔感はなく、私の胸に掛けられたタオルには血が付いています。「頼れる歯科医9人」という本で紹介されている1人なのですが、とても頼れる医者ではありません。後でネットを見ると、この出版社はその多くが自主出版らしいのです。いわいる宣伝本で、ある本では薬事法違反で告訴されています。

 2人目は、「『削る・抜く』から『守る』へ」とホームページにあったので行きました。スウェーデンでの歯のケア方式の素晴らしさなどを丁寧に説明、このため診察は1時間半近くに、週1回来ているアルバイト先生で、時間給だからなのでしょうか、たまたま次の患者がいなかったのでしょうか、時間をあまり気にせずにべらべらしゃべる先生を信頼することはできませんでした。それに、前回抜歯した奥歯について、狭い場所へのインプラントであれば埋め込む土台を長めにすればよい、と自信たっぷりでしたが、神経などが近くを通っている奥歯での長めの土台がかなり危険であることを後から知りました。信頼できない、という直観は正しかったようです。

 2人の歯医者ともに、根元の情況によっては抜歯、そうしないと隣の歯にも影響する、という意見でした。それで、仕方なく今までの歯医者さんに3週間ぶりに行きました。すると先生が、あれ、良くなってますね、と。私にはよく分からないのですが、先生には分る様で、この状態であればもう少し様子を見ましょう、ということになったのです。それから5週間後、歯内側の処置をして新しい被せ物が完了したときには、細いトンネルはすっかり消え、骨と肉に戻っていました。

 殺菌してから1週間すれば腫れは引く、という標準の人に対して、私の場合は1週間以上かかった、ということのようです。お伊勢さんへの歩き旅で疲れ、免疫力が極端に落ちていたために化膿し、殺菌してもなかなか腫れが引かなかったのではないかと推測しています。医者は、それぞれの個体差や生活状況までは分からず、平均値や経験値で判断せざるを得ません。

 2年ほど前の抜歯では、被せ物がぐらついたので診てもらったとき、様子を見ましょうと言われ、その後の食事で歯本体が折れ抜歯となってしまいました。歯本体が折れる可能性に全く言及しなかった先生を、基本的には信用していません。今回もあのままだったらほぼ間違いなく「抜歯」の勢いでした。かといって他に良さそうな先生は見つかりません。お医者さんも所詮は人、判断ミスも当然あるわけですから、重要な決定は立止まって冷静になって熟考することが大切なのだと思います。自分のことは自分で守るしかないのです。

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No.203:人生の転機となった学校 (2023年12月31日)

 「授業中もぼんやりしていることが多い」とか、「教科書を忘れて来る」、「えんぴつも持たずに登校する」とかを小学校の通信簿連絡欄に書かれていた私ですが、中学に入ってからは少しまともになりました。

No.198:睡眠は改善したものの・・・ (2023年07月31日)

 スマートウォッチによる睡眠の質が「良し」となる「睡眠スコア80以上」の日が続いています。記録し始めた昨年7月から、30日移動平均が75から80の間で上下していましたが、今年6月から80超えで安定し、現在82超えとなっています。ですから免疫力には少々自信があったのですが、7月に帯状疱疹になってしまいました。年金生活者にとって、健康維持は大切なお仕事、お務めのようなものですが、いろいろ努力しても歳には勝てない、ということなのかもしれません。

No.197:帯状疱疹になりました (2023年06月30日)

 痛みが一日中治まらず、夜眠れずに痛み止めを飲みました。原因は帯状疱疹だったのですが、痛み出してから1週間ほど経って首に発疹が出て初めて分かったのです。眠れないほどの痛みは数日でしたが、一日中の痛みは3週間ほど続き、その後も若干の痛みが1週間ほど続きました。

No.193:睡眠スコアその後 (2023年02月28日)

 今月、スマートウォッチの睡眠スコアが63になった日がありました。89~80が「(睡眠の質が)良い」で、79~60は「やや低い」、59~は「低い」なので、「低い」に近いスコアです。気のせいかもしれませんが、スコアが高いと体調が良いし、低いと寝不足感があります。

No.187:睡眠スコア (2022年08月31日)

 睡眠の質が「良い」の睡眠スコア80を越える日が増えました。睡眠スコアはスマートウォッチを着けて寝ることで測定します。今月前半2週間では、80を超えたのが2日、平均74.6でした。それが、後半2週間では80越えが6日あり、平均80.3と、平均で5.7ポイント上がりました。前半2週間は暑さのため昼間のウォーキングをやめており、後半2週間は、ジムマシンでの屋内昼間ウォーキングを始めています。運動量の違いが、睡眠の質の違いになった、ということだと思います。

No.183:帝国ホテル特製フレンチトースト (2022年04月30日)

 京都、横浜、シカゴ、銀座など、「おしゃれ」を連想させる地域が勤務地でした。そして今、内幸町の帝国ホテル東京となり、「高級」という響きが加わりました。おしゃれや高級とは最も縁遠い私が、そんなところで働くなんて、不思議なめぐり合わせです。最近暑くなってきて、半そでTシャツでの出勤、そんな恰好だと帝国ホテルに入れてもらえないわよ、と妻に言われながら出かけます。

No.182:マンションの売却 (2022年03月31日)

 貸していたマンションを売却しました。入院中の長兄が自宅を売ろうとしたのですが、そのうち物事の判断ができなくなり、売るに売れない状況になりました。家が売れたのは長兄が亡くなってからです。そんなことがあって、80歳までには売却しておきたいと考えていました。

No.181:勤務先は帝国ホテル (2022年02月28日)

 事務所のボスが事務所兼自宅を売却して新しいマンションを購入しました。マンション完成まで2年弱あるので、それまでを帝国ホテル東京で過ごすと決め、昨年の12月からホテルに住んでいます。このため、私の勤務先が帝国ホテルとなり、それまで歩いていた自宅から新宿が、自宅から内幸町となりました。

No.175:囲碁三昧の日々 (2021年08月31日)

 「何で(事務所に)来ないの!!」と事務所のボスに責められぎみです。事務所への往きは歩きなので、感染の危険は渋谷スクランブル交差点付近ぐらいですが、帰りは電車なので、小さいとはいえ感染リスクがあります。感染力の強いデルタ株で感染が爆発しており、どこに感染者がいるか分かりません。それに、感染したら自宅療養、という切迫した医療状況なので、避けることができるリスクは避けるべきでしょう。

No.174:月を眺めるひととき (2021年07月31日)

よく出会う80代と思われるお二人、ご夫婦に違いなく、女性は杖代わりのように男性の腕をつかんでゆっくりゆっくり歩いています。お二人に出会うのは夕食後の妻との散歩のとき、我々の10年後を想像してしまいます。どちらかを杖代わりにして散歩しているでしょうか。お二人の歩きはおそらく健康のためでしょう、敬意をもって見つめています。


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