海外旅行

No.077:パリは美の都

パリは美の都
ノートルダム大聖堂の塔からの眺め

 事務所のボスがイギリス、ドイツでのオペラ三昧を決め込んだので、その間を利用して妻と二人でパリに行ってきました。パリ到着が午前4時、6泊して、7日目のパリ発が午後11時半、みっちり7日間で、途中1泊2日で世界遺産の町、リヨンへ行っています。ツアーではないので、自分たちのペースで旅を楽しめます。ノートルダム大聖堂の塔にも上がりました。並ぶので時間がかかり、いままでの慌ただしいツアーでは上がれませんでした。

 リヨンでは丘の上の教会の塔に上がりました。塔の保護のために個人は午前と午後の2回の少人数ツアーでしか上がれません。1日目に時間と入口を確認し、2日目の午前の時間に入口へ行きました。ところが、我々以外には誰もいなくてツアーが成立しません。午後のツアーに来なさい、と言われ困っていると、先に入った予約済み団体ツアーに紛れ込ませてくれました。フランス人ってなんて親切、と感激しながら、大喜びで上がっています。おかげで、聖堂天井の美しいモザイク画を間近に見ることができ、塔上からの素晴らしい眺望を楽しむことができました。

 今回、モンマルトルの丘にあるサクレ・クール寺院の塔や凱旋門にも上りました。なにしろ、階段が厳しく、次に行くときには歳で上がれないかもしれないので。いくつかの美術館をゆっくり見て歩き、名画の前で写真を撮り、たくさんある寺院にも入り、建物の荘厳さやステンドグラスの美しさに感心しています。百貨店もなかなかのものです。歴史があり、建物も、ディスプレイもあか抜けています。まあ、衣服などは高級すぎて私の想像を超えた価格でしたが。

 ルーブル美術館は4時間ほど見て回りました。ここには3万5千点ほどの展示があり、1点10秒としても100時間弱かかります。でも、4時間以上は無理、名画の数々に最初は感激していたものの、しだいに感じなくなり、最後は駈足状態でした。見るだけでも大変なのに、これらを創り、描き、集め、維持するためのエネルギーの大きさやこだわりの強さは相当なものです。フランス人の美へのこだわりや憧れの強さを感じます。ムーランルージュやリドのキャバレーでくり広げられる美しいパリジェンヌたちのナイトショーにもそんな美への願望や称賛を感じるのです。

 パリは今回で4回目、今までほとんど気が付かなかった犬の糞や物乞いの多さが気になりました。二人で何日も歩き回ったからでしょうか。地下鉄の乗換の不便さも感じました。路線間が結構離れているのです。スリも多いとのこと。リヨンの地下鉄車内では楽器を演奏した子供がお金を集めに来ます。レストランも高い、昼食に2人で4千円ほどかかるし、ごく簡単に済ませても3千円はかかります。ビールも気軽には飲めません。清潔、安全、便利、それに手ごろなレストランもある東京の良さを改めて認識しています。

 ホテルへの通り道にいた物乞いは小さい犬を飼っていて、その犬が狭い場所でいつも丸まってじっとしていました。とてもけなげで、やはりおとなしかったモモを思い出してしまいます。成田からの帰りの電車では、モモがいないと帰る張り合いがない、などと妻と話したり。いるときは何かと足手まといだったモモがいなくなって、二人とも戸惑っています。

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No.156:ガウディの世界 (2020年01月31日)

大輪の花のような大きな丸窓、そこにはめ込まれた花びらの形をした色とりどりのステンドグラスを通して、明るく柔らかい光が差し込んでいます。バルセロナ近郊の小さな町にあるコロニア・グエル教会です。ガウディ建築の原点で、最高傑作とも言われています。床から伸びるやや傾いた柱は樹木を連想させ、天井を這うたくさんの梁はその枝を連想させます。まるで林の中にいるようです。

No.151:北欧夏の旅 (2019年08月31日)

 両岸に迫る切り立った岩山の間を縫うように、静かに進むクルーズ船、鏡のような海面に映し出される岩山と青空、朝の清々しい空気とあいまって、神々しいばかりの自然の美しさに心打たれました。この風景だけで、今回の北欧夏の旅に出た価値がありました。ノルウェーのソグネフィヨルド、その最も狭いところを巡るクルーズ、グドヴァンゲンという港を朝8時半に出て、フロムという港までの2時間、心洗われる思いでした。

No.144:多難なギリシャ旅行でした (2019年01月31日)

 異例の寒波に見舞われたギリシャ、大雪で交通機関が混乱するなかでの観光旅行でした。長距離のバスや電車は通常でも本数が少なくて不便なギリシャ、それが混乱したのですから、ギリシャ語の分からない個人旅行者にとっては不安の多い、多難な移動となりました。

No.141:親日国ポーランド (2018年10月31日)

 初めてのポーランドでは多くの親切に出会いました。ヤヴォルの平和教会では教会のパイプオルガン演奏を収録したCDをいきなりプレゼントされ、戸惑ったり、喜んだり、ワルシャワの中央駅では広大な構内をバス停まで案内してもらい大助かりでした。いずれもたまたまそこにいた人たちで、CDは教会の受付でわざわざ購入したものらしく、バス停に案内してくれた人は売店で後ろに並んだ人でした。券売機の操作でまごついていると声を掛けてくれたり、乗車ホームの確認ができずに困っていると快く助けてくれました。

No.132:シチリア旅行 (2018年01月31日)

 今回の旅のハイライトはパルレモの王宮内パラティーナ礼拝堂でした。多くの教会や礼拝堂を見てきましたが、これほど美しい礼拝堂は初めてです。シチリアが地中海で最も財力ある国に発展したノイマン王朝時代(12世紀)に造られました。黄金色、青、赤、緑のモザイクが壁一面を覆い、900年近くも経つのに、色褪せることなく鮮やかに美しく輝いています。

No.128:ポルトガル旅行 (2017年09月30日)

 季節の良いときに旅行に行きたい、と勤務先のボスに頼み込み、秋のポルトガル旅行が実現しました。直行便のないポルトガルは15時間ほど、飛行機の狭い座席で長時間過ごすこと、キツイ時差ぼけになることで、歳をとったら厳しく、ヨーロッパにあと何回行けるかわからない、と訴えたのです。

No.120:2度目のミラノ、ヴェネチア (2017年01月31日)

 2度目のミラノ・ヴェネチアは充実した旅でした。14年前に初めて訪れたときは、ツアーだったので、効率は良いものの、次から次へと味わう間もなく見物していった感がありましたが、今回は全て自由行動、思うところをゆっくり旅することができました。まさに「2度目の旅は断然楽しい!」です。

No.114:驚きが多かったホーチミン (2016年07月31日)

 4泊5日で滞在したベトナム・ホーチミン、驚くことが多い街でした。バイクの多さとマナーの悪さにはびっくりです。歩道を走る、歩行者専用の横断歩道を青信号で渡っている前後すれすれを横切る、左折と対向右折が無秩序に入り乱れる、あちこちでクラクションが鳴り響く、といった具合、車のマナーも似たようなものです。それに、どこへ行ってもたくさんのバイクが走っており、排気ガスが気になります。

No.108:ベネルクス3国の旅 (2016年01月31日)

 「本当に行くの?」「無事の帰国を祈る!」といった言葉に見送られて出かけたブリュッセル、新年の3日まで開いているクリスマスマーケットをはじめとして街中が大変な賑わい、テロに対する人々の懸念は全く感じられません。

No.100:何事も大きく頑丈そうなロシアでした (2015年05月31日)

 ゴールデンウィークでの海外旅行は2回目、1回目は37年前の初めてのヨーロッパでした。それから何回も出かけているヨーロッパですが、今回はフィンランドのヘルシンキ、エストニアのタリン、ロシアのサンクトペテルブルク、と初めての国ばかりです。映画「かもめ食堂」の舞台となったヘルシンキを観光し、ムーミンのマグカップを購入、街中が中世のテーマパークのようなタリンを楽しみました。サンクトペテルブルク、旧レニングラードはヘルシンキから高速鉄道で行けることが分かり、急きょ計画に組込み、世界三大美術館であるエルミタージュ美術館や美しいエカテリーナ宮殿を見物しました。


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