事務所のボスがイギリス、ドイツでのオペラ三昧を決め込んだので、その間を利用して妻と二人でパリに行ってきました。パリ到着が午前4時、6泊して、7日目のパリ発が午後11時半、みっちり7日間で、途中1泊2日で世界遺産の町、リヨンへ行っています。ツアーではないので、自分たちのペースで旅を楽しめます。ノートルダム大聖堂の塔にも上がりました。並ぶので時間がかかり、いままでの慌ただしいツアーでは上がれませんでした。
リヨンでは丘の上の教会の塔に上がりました。塔の保護のために個人は午前と午後の2回の少人数ツアーでしか上がれません。1日目に時間と入口を確認し、2日目の午前の時間に入口へ行きました。ところが、我々以外には誰もいなくてツアーが成立しません。午後のツアーに来なさい、と言われ困っていると、先に入った予約済み団体ツアーに紛れ込ませてくれました。フランス人ってなんて親切、と感激しながら、大喜びで上がっています。おかげで、聖堂天井の美しいモザイク画を間近に見ることができ、塔上からの素晴らしい眺望を楽しむことができました。
今回、モンマルトルの丘にあるサクレ・クール寺院の塔や凱旋門にも上りました。なにしろ、階段が厳しく、次に行くときには歳で上がれないかもしれないので。いくつかの美術館をゆっくり見て歩き、名画の前で写真を撮り、たくさんある寺院にも入り、建物の荘厳さやステンドグラスの美しさに感心しています。百貨店もなかなかのものです。歴史があり、建物も、ディスプレイもあか抜けています。まあ、衣服などは高級すぎて私の想像を超えた価格でしたが。
ルーブル美術館は4時間ほど見て回りました。ここには3万5千点ほどの展示があり、1点10秒としても100時間弱かかります。でも、4時間以上は無理、名画の数々に最初は感激していたものの、しだいに感じなくなり、最後は駈足状態でした。見るだけでも大変なのに、これらを創り、描き、集め、維持するためのエネルギーの大きさやこだわりの強さは相当なものです。フランス人の美へのこだわりや憧れの強さを感じます。ムーランルージュやリドのキャバレーでくり広げられる美しいパリジェンヌたちのナイトショーにもそんな美への願望や称賛を感じるのです。
パリは今回で4回目、今までほとんど気が付かなかった犬の糞や物乞いの多さが気になりました。二人で何日も歩き回ったからでしょうか。地下鉄の乗換の不便さも感じました。路線間が結構離れているのです。スリも多いとのこと。リヨンの地下鉄車内では楽器を演奏した子供がお金を集めに来ます。レストランも高い、昼食に2人で4千円ほどかかるし、ごく簡単に済ませても3千円はかかります。ビールも気軽には飲めません。清潔、安全、便利、それに手ごろなレストランもある東京の良さを改めて認識しています。
ホテルへの通り道にいた物乞いは小さい犬を飼っていて、その犬が狭い場所でいつも丸まってじっとしていました。とてもけなげで、やはりおとなしかったモモを思い出してしまいます。成田からの帰りの電車では、モモがいないと帰る張り合いがない、などと妻と話したり。いるときは何かと足手まといだったモモがいなくなって、二人とも戸惑っています。