大輪の花のような大きな丸窓、そこにはめ込まれた花びらの形をした色とりどりのステンドグラスを通して、明るく柔らかい光が差し込んでいます。バルセロナ近郊の小さな町にあるコロニア・グエル教会です。ガウディ建築の原点で、最高傑作とも言われています。床から伸びるやや傾いた柱は樹木を連想させ、天井を這うたくさんの梁はその枝を連想させます。まるで林の中にいるようです。
2度目のスペイン、北大西洋のビスケー湾に面したビルバオに入り、バスク地方を周って南下、地中海に面したバルセロナへ、ここで5連泊して、往き同様にパリ乗継で帰国しました。日本からの発着で11日間、現地には9日間、うち5日間がバルセロナでした。おかげで、ガウディの世界を堪能できました。
ガウディといえばサクラダ・ファミリア、多くの装飾で飾られた外観とは異なり、内部はいたってシンプルで広々とした明るい空間となっています。木の幹とその枝をイメージした柱が高い天井を支えていて、森の中にいるような印象を与えます。コロニア・グエル教会でのガウディの思いをさらに推し進めたということなのでしょうか。海がテーマと言われるカサ・バトリョも見応えがありました。外観の屋上や窓、内部の大きな窓やドア、それらが全て波打っていて、不思議な空間を創り出しています。
スペインに着いて2日目ぐらいから喉が痛みだし、風邪気味のままでの旅となりました。旅先での風邪は初めてです。最初のバスク地方ではバルなどを楽しむことができましたが、次第に食欲がなくなり、バルセロナでは、ラーメン、焼うどん、小龍包といった食事になりました。スペインのバルやレストランで美味しいものを食べようと張り切って日本を出た妻には申し訳ない思いです。
そんな中でも、鉄道が運休となり行けなかったフランスのカルカッソンヌ以外は、予定の観光を全てこなしました。スペインまで来て、食事だけでなく、観光までできないとなると悲しすぎます。頑張りました。特に、第1日曜日に入場無料となるグエル邸、サン・パウ病院、ピカソ美術館はしっかり無料で見てきました。ピカソ美術館は、「おまけ」という気持だったのですが、絵を見ているうちに何故か引き込まれるような魅力を感じています。さすが名匠と言われるだけのことがあるのでしょうか。観光は、行ってよかった、というところばかりです。根性での観光となったスペイン旅行でした。