海外旅行

No.151:北欧夏の旅


フィヨルドの美しさを堪能した。<写真へのクリックで拡大できます>

 両岸に迫る切り立った岩山の間を縫うように、静かに進むクルーズ船、鏡のような海面に映し出される岩山と青空、朝の清々しい空気とあいまって、神々しいばかりの自然の美しさに心打たれました。この風景だけで、今回の北欧夏の旅に出た価値がありました。ノルウェーのソグネフィヨルド、その最も狭いところを巡るクルーズ、グドヴァンゲンという港を朝8時半に出て、フロムという港までの2時間、心洗われる思いでした。

 前日から、グドヴァンゲンのがらんとした港にポツンとあるコテージに宿泊しました。崖となって迫る岩山に挟まれた谷間、そこを流れる川が、フィヨルドの海に注いでいます。崖からは何本かの細い滝が流れ落ち、氷河が削り取った荒々しくも美しい景観を作り出しています。ぶらぶら歩きながら、美しい景色を堪能しました。

 コテージの屋根には草が生えています。断熱のためでしょうか、この辺りで時々見かけるスタイルです。屋根には大きな窓もあって、外の明かりがもろに入ります。この日の日没は22時13分、その後も空は白く、なかなか暗くなりません。ノルウェーの人はこんな夏の深夜を楽しむそうですが、寝たい私にはたまりません。アイマスクを借りて寝ました。

 ハダンゲルフィヨルドというところもクルーズし、アナ雪でエルサが作る氷の宮殿のモデルとなった木造教会を訪れ、フロムから山岳鉄道に乗り、街歩きでは、モスクワ、ベルゲン、オスロ、コペンハーゲン、ストックホルムを訪れる、といった盛りだくさんの旅、ツアー並み、いやそれ以上の効率のよさで観光してきました。何日もかけて、バス停位置やバス時刻などを根気よく事前調査した成果です。

 北欧はキャッシュレス社会、最初のノルウェーで5千円だけ両替しましたが、現金不要を体験し、デンマーク、スウェーデンでは両替しませんでした。また、日本で購入したデータ通信用SIMも、動きが鈍かったモスクワとは違い、サクサクと気持ちよく動きました。電車やバスの時刻もヨーロッパとしては正確で、冷たい水道水が飲め、社会インフラが高度に整備されている様子です。我々の旅に付きもののトラブルがほとんど無かったのは、そのためだったのでしょう。

 食事では、ノルウエーのサーモン、デンマークの乳製品、スウェーデンの魚介類などを楽しみました。ソフトクリームが、少し大きめではありますが900円、中ジョッキービールが1200円、と物価の高い北欧なので、努めて日本円に換算しないようにしています。換算すると食べることができないものばかりです。

 ストックホルムの地下鉄で乗車ホームを尋ねたとき、いつか日本に行きたい、でも物価が高いと友人から聞いている、と言われました。北欧の人から、日本は物価が高い、と聞くのはちょっとびっくり、そんなことはない、と具体的な価格などを説明しておきました。旅行中、日本人か、と何人かに尋ねられています。とても親日的な印象です。

 日本が酷暑で大変なときに、快適な北欧で過ごすことができ、天候にも恵まれた、思い出深い旅となりました。

の記事

No.156:ガウディの世界 (2020年01月31日)

大輪の花のような大きな丸窓、そこにはめ込まれた花びらの形をした色とりどりのステンドグラスを通して、明るく柔らかい光が差し込んでいます。バルセロナ近郊の小さな町にあるコロニア・グエル教会です。ガウディ建築の原点で、最高傑作とも言われています。床から伸びるやや傾いた柱は樹木を連想させ、天井を這うたくさんの梁はその枝を連想させます。まるで林の中にいるようです。

No.144:多難なギリシャ旅行でした (2019年01月31日)

 異例の寒波に見舞われたギリシャ、大雪で交通機関が混乱するなかでの観光旅行でした。長距離のバスや電車は通常でも本数が少なくて不便なギリシャ、それが混乱したのですから、ギリシャ語の分からない個人旅行者にとっては不安の多い、多難な移動となりました。

No.141:親日国ポーランド (2018年10月31日)

 初めてのポーランドでは多くの親切に出会いました。ヤヴォルの平和教会では教会のパイプオルガン演奏を収録したCDをいきなりプレゼントされ、戸惑ったり、喜んだり、ワルシャワの中央駅では広大な構内をバス停まで案内してもらい大助かりでした。いずれもたまたまそこにいた人たちで、CDは教会の受付でわざわざ購入したものらしく、バス停に案内してくれた人は売店で後ろに並んだ人でした。券売機の操作でまごついていると声を掛けてくれたり、乗車ホームの確認ができずに困っていると快く助けてくれました。

No.132:シチリア旅行 (2018年01月31日)

 今回の旅のハイライトはパルレモの王宮内パラティーナ礼拝堂でした。多くの教会や礼拝堂を見てきましたが、これほど美しい礼拝堂は初めてです。シチリアが地中海で最も財力ある国に発展したノイマン王朝時代(12世紀)に造られました。黄金色、青、赤、緑のモザイクが壁一面を覆い、900年近くも経つのに、色褪せることなく鮮やかに美しく輝いています。

No.128:ポルトガル旅行 (2017年09月30日)

 季節の良いときに旅行に行きたい、と勤務先のボスに頼み込み、秋のポルトガル旅行が実現しました。直行便のないポルトガルは15時間ほど、飛行機の狭い座席で長時間過ごすこと、キツイ時差ぼけになることで、歳をとったら厳しく、ヨーロッパにあと何回行けるかわからない、と訴えたのです。

No.120:2度目のミラノ、ヴェネチア (2017年01月31日)

 2度目のミラノ・ヴェネチアは充実した旅でした。14年前に初めて訪れたときは、ツアーだったので、効率は良いものの、次から次へと味わう間もなく見物していった感がありましたが、今回は全て自由行動、思うところをゆっくり旅することができました。まさに「2度目の旅は断然楽しい!」です。

No.114:驚きが多かったホーチミン (2016年07月31日)

 4泊5日で滞在したベトナム・ホーチミン、驚くことが多い街でした。バイクの多さとマナーの悪さにはびっくりです。歩道を走る、歩行者専用の横断歩道を青信号で渡っている前後すれすれを横切る、左折と対向右折が無秩序に入り乱れる、あちこちでクラクションが鳴り響く、といった具合、車のマナーも似たようなものです。それに、どこへ行ってもたくさんのバイクが走っており、排気ガスが気になります。

No.108:ベネルクス3国の旅 (2016年01月31日)

 「本当に行くの?」「無事の帰国を祈る!」といった言葉に見送られて出かけたブリュッセル、新年の3日まで開いているクリスマスマーケットをはじめとして街中が大変な賑わい、テロに対する人々の懸念は全く感じられません。

No.100:何事も大きく頑丈そうなロシアでした (2015年05月31日)

 ゴールデンウィークでの海外旅行は2回目、1回目は37年前の初めてのヨーロッパでした。それから何回も出かけているヨーロッパですが、今回はフィンランドのヘルシンキ、エストニアのタリン、ロシアのサンクトペテルブルク、と初めての国ばかりです。映画「かもめ食堂」の舞台となったヘルシンキを観光し、ムーミンのマグカップを購入、街中が中世のテーマパークのようなタリンを楽しみました。サンクトペテルブルク、旧レニングラードはヘルシンキから高速鉄道で行けることが分かり、急きょ計画に組込み、世界三大美術館であるエルミタージュ美術館や美しいエカテリーナ宮殿を見物しました。

No.096:南仏の旅 (2015年01月31日)

 1月1日元日の午前0時30分羽田発でパリ経由南仏ニースへ。搭乗するとすぐに「いつもエールフランスをご利用いただきありがとうございます」とプレミアム・エコノミーにグレードアップしてくれました。妻と2人で10万円以上相当のプレゼント、幸先の良い年明けです。


タイトルとURLをコピーしました