先月、友人を誘って運慶展に出かけました。お目当ての一つは重源(ちょうげん)上人坐像(東大寺俊乗堂。国宝)、源平の争乱で焼失した東大寺を復興した僧侶の坐像です。運慶は、貴族社会から武家社会に移行する過渡期に活躍した仏師で、日本のルネサンス彫刻と称賛する人もいて、圧倒的な力強さと徹底的なリアリティなどで、人々に感銘を与えています。
重源上人坐像も、その息づかいが聞こえてきそうな、生き生きとした姿で彫られています。厳しさとともに優しさも感じられる老僧の像からは、彼に対する作者の優しい眼差しや尊敬の念が伺えました。仏師として復興に尽力した運慶、あるいはその一門の人たちだからこその作品ではないでしょうか。年2回、重源の命日と東大寺初代別当の法要の日だけに一般公開される貴重な像を、360度の角度から手が届くほどの間近で心行くまで拝観させていただきました。
重源上人は23年かけて東大寺を復興しました。その間、勧進活動や巨木調達などで全国を回り、復興を果たし総供養を行った3年後に亡くなっています。86歳でした。この時代としてはかなりの長寿です。像からも、老いてなお精悍なオーラを感じることができます。東大寺復興という大きな目標と、それを成し遂げるための東奔西走の活動が長寿につながったに違いありません。
(参照:東大寺を再建した重源)
運慶展は大人気で、1ヵ月の展示期間で60万人が訪れ、寒空の中での入館待ちが60分にもなり、急きょ、最後5日間の閉館時間を17時から21時に延長しています。「史上最大の運慶展」と銘打った展示物の数々からは、運慶ら仏師たちの、人などへの観察眼の確かさと、仏師としての細部にわたる強いこだわりを感じました。だからこそ、1000年近くの時を経てもなお人々に感銘を与えるのでしょう。東西を問わず、大切に引き継がれていくものには、作者のそれだけの並々ならぬ努力、深い見識、究めた技などの総合力といったものがある、そういものだけが後世に残る、と改めて思いました。
今年の総決算です。
1.家族
家族に特別の変化はありませんでした。平穏な日々ということのようです。
2.友人たち
中学・高校時代、大学時代、会社員時代、それぞれの友人たちと楽しい時間を持てています。
3.趣味
最大かつ唯一と言える趣味、ウォーキングでは年間3746キロ歩き、1日平均10キロを達成しています。
また、東海道歩き旅は今年で8回目、お伊勢さんまでの466キロを13日で完歩しました。70歳までは続けたい、と始めた歩き旅、次の目標は80歳までは、ということでしょうか?
4.旅行
海外は北イタリア、台湾、ポルトガル、国内は金沢、青森、山形、奈良に出かけました。友人が新車を購入したので、2組夫婦で出かける国内旅行が2回もありました。旅行は暮しの一部、といった感じになっています。ありがたいことです。
5.日々の思い
今年も抜歯で悲しい思いをしています。この3年間で3本の抜歯、全て、若いころに神経を取り除いた歯です。残った歯は全て神経が通っているので大切にしていきます。
6.日々の暮らし
「住みたい街ランキング」でわが街の人気が上昇中で、関東上位3位に迫る勢いです。すぐ近くに家電量販店ができ、ますます便利、早速洗濯機を購入しました。おかげで脱水時の驚くほどの騒音から解放され、静かな日々を取り戻しました。
7.仕事
今年から、春と秋のベストシーズンに2週間ほどの長期休暇が取れるようになりました。春は東海道歩き旅、秋はヨーロッパ街歩き、となります。
また、私が70歳までは頑張るから、と言っていた勤務先事務所のボス、まだまだ頑張ってくれそうです。来年は勤務11年目に入ります。