国内旅行

No.130:正倉院展

 友人から「正倉院展に行こう」との電話、展示会は遠い奈良ですが、本人は行く気満々です。しかもわずか「1泊で」と。つい最近新車を買ったので出かけたいに違いありません。それにしてもかなりの遠出、片道6時間以上かかるので、せめて2泊にしたかったのですが、私の勤務先での調整がつかず、1泊となりました。出発は6日後、ホテルをどうにか確保して出かけました。

 往復860km、私と同じ70歳の友人が一人で運転します。友人の奥さんと私の妻が後部座席で仲良くうとうとする中、運転で眠気がこないように助手席の私がいろいろと話しかけます。とりとめのない話なのですが、これが楽しいのです。だいたい、一緒にいて楽しくなければ、旅行など行けません。朝6時過ぎに家を出て、友人宅最寄駅で車に乗り込み、高速で奈良へ、ホテルに車を停め、正倉院展に到着したのが14時半過ぎ、8時間半ほどの道のりでしたが、それだけの価値がありました。

 1300年前の美術工芸品、シルクロードを通ってはるばるやって来たもの、当時の日本で作られたもの、いずれも時間をかけ、手間をかけ、丁寧に作られています。日本で作られたものでも、図柄や形は異国風で、仏教をはじめとする異国文化を積極的に取り込もうとしている、寛容で開かれた天平期の空気を感じることができます。展示物には戸籍や地図もあって、国家が形成されつつあることを示しているとのことでした。奈良から遠く離れた関東の地「下総国葛飾郡大島郷」の戸籍もありました。そこには「刀良(とら)」という男性や「佐久良賣(さくらめ)」という女性の名があり、天平の寅さんが柴又近くに住んでいたことが分かります。1300年も昔の人がとても身近な存在に思えてきます。


早朝、ホテル近くの復元された朱雀門を見物<写真へのクリックで拡大できます>

 毎年開催されている正倉院展、行きたいと10年来思い続けてきたという友人は、今回その願いが叶い、展示物の大きな写真と詳細説明が載った本を記念に購入しています。何か嬉しそうで、そんな友人を見ても、やはり来てよかったと改めて思うのです。翌日は、復元された朱雀門、興福寺、なら仏像館、東大寺、薬師寺などを訪れました。興福寺阿修羅像の憂いを秘めたようなお顔、薬師寺の平山郁夫画伯「大唐西域壁画」の山頂残雪の鮮やかな白、などが特に印象に残りました。たくさんの仏像を拝観しましたが、それぞれが丹精込めて作られた美しく素敵なお顔でした。

 最後の薬師寺を午後3時50分に出発したので、往路での時間実績から、私と妻が乗る電車の終電ギリギリになりそうでした。終電に乗り遅れたら家まで送って行く、と友人は言うのですが、そうなると友人は片道40kmを往復しなくてはなりません。結局、途中休憩を短縮するなどして、終電の30分ほど前に友人宅最寄駅に到着、午後11時45分に帰宅することができました。前日朝6時に出て、翌日夜12時近くに帰宅するという、2日間まるまる遊んだ奈良でした。70歳を過ぎた者がやるような旅ではないのかもしれませんが、お互い元気だということでしょう。運転手さん、本当にご苦労様でした。感謝、感謝です。

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No.206:日本海に蟹を食べに行きました (2024年03月31日)

 「(福井県の)小浜に蟹を食べに行くけど・・・(行かないか?)」と京都在住の友人からメールが届きました。京都に住んでいた若いころ、日本海での蟹といえば、蟹、蟹、蟹の蟹尽くしのイメージがあって、しかも、今回のメンバー5人全員が会社の元同僚で、内2人は私と同じ大学、これは行かなくては、と即決しました。

No.205:長崎ランタンフェスティバル (2024年02月29日)

 旧正月を祝う長崎ランタンフェスティバルを見物してきました。旧正月のランタンフェスティバルといえば台湾、無数のランタンが夜空に舞い上がる風景が有名ですが、長崎も負けてはいません。無数の光るランタンが広場や通路の頭上にあり、人物や動物のオブジェや高さ10mにもなる大型オブジェが市内中心部のいたるところで輝いています。

No.204:年末年始は今年も京都 (2024年01月31日)

 年末年始は京都でした。3年連続ですが、どこを歩いても楽しく、街歩きに飽きることはありません。今回は、嵐電1日パスでの名所巡り、大津、宇治に足を延ばしての「紫式部ゆかりの地」巡りでした。6日間で11.5万歩、二人でぶらぶら歩いた楽しい旅でした。

No.202:北陸の旅 (2023年11月30日)

 カニ漁の解禁が今月初め、しかも今年は豊漁とのこと、カニへの期待を膨らませて金沢に3泊した旅でした。ズワイガニを目の前で茹でててくれる居酒屋でいただきましたが、期待が大きすぎたためか、少し物足りなさを感じました。カニといえばカニカマ、という普段の生活なので、あの大きさと食感がないと満足できないようです。でも、お寿司屋さんでは、のどくろやガスエビといった北陸の美味しさに大満足、同じ店に2日出かけ、「たくさん食べていただきありがとうございます」とお礼を言われました。美味しいお寿司をたくさん頂きました。

No.201:14回目の会社同期会 (2023年10月31日)

 同期入社を中心とした、かつての遊び仲間が岐阜・下呂温泉に集まりました。関西在住6名、関東在住6名の12名のうち、今回は8名、同伴奥さん4名で計12名の参加でした。会社在籍中から家族ぐるみでの付き合いです。

No.200:恐山と奥入瀬渓流 (2023年09月30日)

 友人夫妻との旅行、今回は恐山と奥入瀬渓流でした。我々夫婦だと電車、バス、徒歩での旅行なので、車を運転する友人との旅行は、車でしか行けないところ、あるいは車でないと便が悪いところ、となります。今回は、新幹線と在来線で下北半島のむつ市に、そこからレンタカーで、霊場恐山、本州最北端大間崎、下風呂温泉、車で南下して、ミシュラン・グリーンガイド二つ星の奥入瀬渓流、カルデラ湖の十和田湖、田沢湖近くの国見温泉、そして盛岡から新幹線で東京、という行程でした。

No.199:今年の夏は大花火大会 (2023年08月31日)

 長岡まつり大花火大会を見物しました。日本一の花火大会と言われるだけあって、全国からたくさんの人が押し寄せ、宿が取れません。そこでバスツアーに参加、花火終了後の宿は遠く離れた越後湯沢で、大会終了後の混雑もあって、ホテル到着が夜12時半、寝たのが午前2時でした。そんなハードなツアーでも行った価値は十分ありました。

No.198:睡眠は改善したものの・・・ (2023年07月31日)

 スマートウォッチによる睡眠の質が「良し」となる「睡眠スコア80以上」の日が続いています。記録し始めた昨年7月から、30日移動平均が75から80の間で上下していましたが、今年6月から80超えで安定し、現在82超えとなっています。ですから免疫力には少々自信があったのですが、7月に帯状疱疹になってしまいました。年金生活者にとって、健康維持は大切なお仕事、お務めのようなものですが、いろいろ努力しても歳には勝てない、ということなのかもしれません。

No.196:伊豆大島G7 (2023年05月31日)

 今月、伊豆大島にG(爺)7が集結しました。大学同期の部活仲間7人、島を観光し、椿油での贅沢なフォンデュをいただき、濃厚な大島牛乳やそのアイスを味わい、夜の勉強会では2人の真剣な議論を子守歌に4人が眠りに陥りました。昨年11月の新潟県松之山温泉での53年ぶりの合宿、その楽しさがまたまた再現されたのです。

No.195:春、日本のベストシーズン (2023年04月30日)

 風邪をひき、1週間おとなしくして、やっと回復しました。その間、かなり弱気になっています。月並みですが、健康のありがたさ、大切さを改めて感じました。健康第一、と考え、出来るだけのことはしていても、病気になるときはなるものです。


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