もろもろの話

マスコミの学校

大下英治氏:作家になるまで

 「なさけない」と送金指示メール問題での民主党永田寿康衆院議員、前原誠司代表への憤りから始まった作家大下英治(おおした えいじ:1944年広島県生まれ)氏の、開講式(2005年10月15日)に続く2回目講座は前回同様に氏の凄みを強く感じるものだった。政治は血を流さない戦争(毛沢東)であり、殺るか殺られるかの世界だ。そんな認識がなければ手ごわい金正日などと戦えない。政治は学問ではないのだ。と30分にわたり一気にまくし立てた。やくざや政治家を多く見てきた大下氏の言葉だけに迫力がある。
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品田英雄氏:ヒットメーカーに学んだ、仕事の取り組み方・捌き方

 事実を述べるだけの文章では商品価値は上らない、自分の考えを入れた文章こそ商品価値を上げる、つまり自分の立ち位置によって商品価値が上る。「日経エンタテイメント」発行人品田英雄(しなだ ひでお:1957年東京都出身)氏は「商品価値」といったビジネス用語を使い、受講者によるロールプレイングなども取り入れたユニークな講座を展開した。「この講座が終わった時に、受講者みんなが『明日から頑張ろう』という気持ちになるようにしたい」と、話す内容ではなく、話す目的を最初に述べたのも印象的で、編集者であると同時に大きな組織で働くビジネスマンといった感じだ。
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奈良原敦子氏:女性誌の現場、その仕事

 「TOKYO★1週間」「KANSAN 1週間」の編集長奈良原敦子(ならはら あつこ:1960年名古屋生まれ)氏は道なきところに道を作るような逞しさと知恵をもっているようだ。「KANSAN 1週間」の創刊では関西での事務所探しやライター募集から始めて、2年間で軌道に乗せた。講談社社内では「変わっている」と言われるらしいが、社内の常識ややり方に捉われない発想や行動がそう言わせるのだろう。
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鈴木洋嗣氏:週刊誌の現場、その仕事

 2006年1月5日発売での「上海日本総領事館領事自殺事件」のスクープや先週2月16日発売「紀子さまご懐妊 宮中(奥)全情報」特集の完売など勢いづいている週刊文春の編集長鈴木洋嗣(すずき ようじ:1960年東京都千代田区生まれ)氏には、他の週刊誌とは異なる戦略で文春を引っ張っていこうという強い意欲が感じられた。
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轡田隆史氏:文章力③<エッセイの書き方>

 ベストセラーとなった「考える力をつける本」の著者で「朝日新聞」元論説委員の轡田隆史(くつわだ たかし:1936年東京生まれ)氏は「文章を書く上で重要なことは『なに』を書くかであって、『どう』書くかは屁のような(ささいな)ことだ」と主張する。『なに』が書けるかは、『なぜ』をどれだけ考えているかによって決まる。文章は体験であり、体験を自覚しながら日々を生きる、それを轡田氏は「日々を書くように生きる」と表現している。体験があっても自覚がなければ文章は生まれない。自覚があれば小さな体験であっても素晴らしい文章が生まれる。『自覚』のための有力な方法が、どんなことにも『なぜ』という疑問を持つことなのだ。
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宮嶋茂樹氏:外国取材の実際

 戦争写真を多く手がけている報道カメラマン・ライター宮嶋茂樹(みやじま しげき:1961年兵庫県生まれ)氏は、正義感に溢れた反戦写真家ではない。むしろ、「(戦争取材で)怖いとか可哀そうとかいった思いはない。とにかく弾の下をくぐってきたという思いだけだ」「今までの人との出会いで一番悲しい思いをしたのは、極上美人の売春婦を値段が高くて買えなかったことだ」と公言する、自分に正直に生きている現実派だ。
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山田ゴメス氏:フリーライターになる

 「ライターは作家とは違う。黒いものを白く書けと発注者が言えば白く書くのがライターだ」と始まったフリーライター&イラストレータ山田ゴメス(やまだ ごめす:1962年大阪府生まれ)氏の「フリーライターになる20ヶ条」では、「都心に住め。深夜、タクシーの短距離で帰れるところに住まないと仕事を逃がす」といった現実的で、作り物ではない迫力と氏の逞しさが感じられた。
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山田ズーニー氏:文章力②<機能する文章術/人を動かす文章力>

 山田ズーニー氏文章力ワークショップ2回目だ。1回目(11月12日)が「自分の想いを表現する」で、今回は「一人の人に伝える」がテーマとなる。次回「多くの人に伝える」で1つのコースが完了する。雪のためか1回目の2/3程度の参加者となったが、今回も「良いワークショップでした」という山田氏の評価をいただいた。多くの高校生の小論文を山田氏が読んで感じたのは「自分の声をだしていない」「他者がいない(自分の中にある世界が全て。自分の外にある世界との係わり合いがない。他者に伝わらない)」ということだった。前者が1回目の、後者が今回および次回のワークショップのテーマとなる。
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二宮清純氏:スポーツライターになる

 TV、新聞、書籍で幅広いテーマに取り組んでいるスポーツジャーナリスト二宮清純(にのみや せいじゅん:1960年愛知県八幡浜市生まれ)氏は、何にでもコメントできる情報と頭の回転の速さを持っているようだった。長身でがっちりした体格、黒を基調としたファッション、彫りの深い顔立ち、途切れることのない豊富な話題、まさにTVが放ってはおかない人材だ。二宮氏は、書く作業の90%を取材に当て、報道された情報でも鵜呑みにしないと明言する。そんな中でTVで活躍し、多くの書籍を執筆する氏の体力、気力の大きさを実感した講座となった。 <全文です>
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額田久徳氏:情報誌の作り方

 幻冬舎が初めてだす雑誌「Goethe(ゲーテ)」の編集長額田久徳(ぬかだ ひさのり:1962年生まれ)氏の講座は実践的な内容だった。また、一部上場の社長秘書から出版社の編集者者に転職した若い女性を連れてきて、転職や編集での実体験を語らせるなど、身近で分かりやすい内容でもあった。ワールドフォトプレス広告部から同社編集部にスカウトされ、更に幻冬舎にスカウトされた氏は「どんな仕事でもやりたいことがやれるチャンスがある」と言う。どんな仕事にも真摯に取り組んできた結果なのだろう。この講座でもそんな姿勢を強く感じた。
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