年末総決算

No.155:タワマンの脆弱さ

 10月12日の台風19号で、近くの47階建て高層マンションの地下室が水没し、停電、断水が何日も続きました。エレベータが使えず、料理はできず、トイレも使えません。囲碁サークルのメンバーに住民の方が数人おられ、階段の上り下りで足がおかしくなった、とのことです。電気システムが地下に集中しているタワマンの脆弱さが露見したと、マスコミにも大きく取り上げられました。

 神奈川新聞(10月15日付)には、「同マンションには止水板の設備がなかった。台風襲来の1週間ほど前には有志の住民らによる防災の勉強会も開かれ、『止水板を導入しないと停電になったときに生活が全部駄目になる』との話も上がったばかりだったという」とあります。実際、周辺が同様に冠水したすぐ横のタワマンには止水板があり、全く浸水していません。

 タワマン全体の維持管理、防犯、防災は複雑で多岐にわたるため、委託管理会社任せになりがちです。委託元の住民による管理組合の理事会は素人かつ片手間なので、プロである管理会社に任すしかないのですが、管理会社は管理組合の指示がないと動けないし、原則、動く必要もありません。このため、難しいこと、面倒なこと、先々のこと、などは決められないままになることがあるのです。地下室が水没したタワマンは築10年以上経っており、その間「止水板」が検討されたことは何回かあったにちがいありません。今のことは人任せ、先々のことは先送り、これこそがタワマンの真の脆弱さなのかもしれません。

 我がタワマンでは、周辺での冠水が無かったので無事でしたが、その可能性が高いことが分ったので、現状検証と対策が必要です。管理組合の理事会をサポートする委員会のメンバーなので、しっかり取り組まなくてはなりません。今回のことで、みんなの防災意識は高まっていると思うので、費用などの合意形成は比較的やり易いのではないでしょうか。「終の住家」として選んだこのタワマン、便利、快適の裏に潜む危さが明るみに出て、「よかった」とも思っています。

今年の総決算です。

1.家族

母の妹、叔母が亡くなりました。96歳、3人姉妹の末っ子で、子どもの頃は体が弱かったらしいのですが、2人の姉よりも長生きしました。小さいころからいつも一緒にいたような、とても身近な存在でした。私の実家に行くと、自転車に果物を積んでやって来ます。八百屋特選の美味しい果物で、甥や姪のためなら金に糸目をつけません。食べろ食べろと嬉しそうに勧め、「美味しい」と喜んで食べているのを楽しげに眺めていました。自分のことを差し置いてでも、甥や姪を喜ばそうとした叔母、そんな人がいて、私も恵まれていたのだ、とあらためて思うのです。

2.友人たち

大学卒業50周年記念の部活同期会を開催し、この歳までよくぞ無事にやってきた、とお互いの健闘を讃え合いました。中・高校や会社の友人たちとの交流も相変わらずで、最近は囲碁仲間との交流が加わりました。初めての地域仲間です。

3.趣味

東海道歩き旅は10回目、会社同期会のあった伊東を経由して伊勢神宮まで、512キロを歩きました。年間を通してのウォーキングは3,355キロ(1日平均9.2キロ)でした。年3,650キロ(1日平均10キロ)に295キロ足りません。記録し始めて12年目、初めての1日平均10キロ割れです。日曜日のウォーキング時間を囲碁サークルで使っているので、年40回ほど、年400キロほどを歩かなかった計算になります。ウォーキングと同じぐらい楽しい趣味がもう一つできつつあるのです。ウォーキングは少しやり過ぎかもしれず、囲碁のほうが歳相応なのかもしれません。


北欧への乗換モスクワで赤の広場のワシリー寺院を見物した<写真へのクリックで拡大できます>

4.旅行

今年は、冬のギリシャと夏の北欧3国でした。同じヨーロッパでも、社会インフラや治安が大きく異なる両者でしたが、それぞれにそれぞれの楽しさがありました。どこであれ、旅に「はずれ」はありません。国内では復興割りでの福岡旅行、大宰府天満宮に参拝し、博多めんたい重、博多うどん、博多水炊きなどをいただきました。友人夫妻との日帰りドライブ、今年は山梨・身延山、栃木・大谷石地下採掘場跡、群馬・吹割の滝に連れて行ってもらいました。感謝感謝です。

5.日々の思い

長兄が入院中に転倒し、脳にダメージを受けて身体が思うように動かなくなり、寝たきりの状態となりました。話しかけても僅かな反応しかなく、意思確認ができません。大きなお金が必要になっても家を売るなどのことができないのです。歳をとったらそんな突然の事態への備えが必要なのだ、と切実に感じています。

6.日々の暮らし

囲碁の占める時間がかなり増えました。暮らしのなかで、やることがなくて辛い、という状況は当分なさそうです。

7.仕事

週2日の勤務は続けていますが、事務所でボスと四方山話をしている時間が多く、「仕事をしています」と胸を張れる状況ではありません。でも楽しい時間だし、10年以上お世話になっているボスのためにも、自分のためにも、許される限り続けていきたいと考えています。

の記事

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 「授業中もぼんやりしていることが多い」とか、「教科書を忘れて来る」、「えんぴつも持たずに登校する」とかを小学校の通信簿連絡欄に書かれていた私ですが、中学に入ってからは少しまともになりました。

No.191:鹿児島・宮崎旅行 (2022年12月31日)

 今年は8回も国内旅行に出かけました。盛んに旅行したアメリカ駐在時代にもなかった頻度です。家を売って気が大きくなったわけではありません。コロナ禍前の年2回ほどの海外旅行よりも少ない出費です。旅行支援も背中を押してくれました。

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 自宅から事務所まで歩くときに通る渋谷駅前スクランブル交差点、もうすっかりコロナ前の人出の感があります。これでは、感染リスクの高い会食も減ってはいないでしょうから感染拡大が止まらないのも当然か、と思ってしまいます。

No.143:キャベツの効果は大きかった? (2018年12月31日)

 東京駅発の大型バス、乗客は私と妻と妻のお母さんの3人だけでした。二度の入院や圧迫骨折などがあって、今年はもう遠出はできない、と思っていたお母さんが元気になって我家に来れたので、福島県いわき市にある常夏のスパリゾート、ハワイアンズ行きのバスで出かけたのです。途中、妻の妹と合流した北千住でそこそこの人が乗り込んできました。現地も結構の人、平日とは思えない賑わいです。各所から無料送迎バスが出ているので、豊富な源泉をかけ流した大きな風呂と映画にもなったフラガールのショー、温水プールなどを気軽に楽しめます。

No.131:運慶展 (2017年12月31日)

 先月、友人を誘って運慶展に出かけました。お目当ての一つは重源(ちょうげん)上人坐像(東大寺俊乗堂。国宝)、源平の争乱で焼失した東大寺を復興した僧侶の坐像です。運慶は、貴族社会から武家社会に移行する過渡期に活躍した仏師で、日本のルネサンス彫刻と称賛する人もいて、圧倒的な力強さと徹底的なリアリティなどで、人々に感銘を与えています。

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No.083:スイスのクリスマス (2013年12月31日)

 スイスのチューリッヒを拠点に各地のクリスマスマーケットを巡りました。クリスマスマーケットは6年前の2007年にドイツのフランクフルトを拠点に周ったとき以来です。アメリカのシカゴに駐在していたころ、家々や街を飾り立て、人々が買物に出かけるクリスマスシーズンの楽しい雰囲気が好きでした。前回のドイツは9日間で6都市を訪れましたが、今回は6日間で7都市、ツアーだったのでかなり効率よく周ることができました。その分駈足ではありましたが。


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