ナポリの王宮やチボリの貴族の別荘をゆっくり見物すれば気分は中世貴族、アマルフィの太陽を浴びて海岸の街をそぞろ歩けば気分は陽気なイタリア人、そんな南イタリア10日間の旅、夜はホテルでパソコン操作の日々でした。仕事です。休暇中も仕事が頭から離れないワーカホリックのようですが、本人はバカンスも仕事も楽しんでいるつもり、定年後の気楽な仕事だからでしょう。
仕事先の事務所にはパソコン操作のできる人がいないので、大切なメールには返信して事務所にFAX連絡しておく必要があるのです。わたくしの休暇中はメール処理の人を手配するのですが、メールの少ない1月ということで、「担当者不在のため、お急ぎの方はFAXにてご連絡ください」との自動返信で乗り切ろうということになりました。しかし、それだけでは不安なので、海外でのメール処理をトライしたのです。これがうまくいけば、今後はいつでも休暇がとれる、そんな魂胆もあります。
宿泊するホテル全てに無線LANのWiFiによるインターネット接続サービスがあります。これが使えるはずですが、念のためインターネット接続を世界中でサービスしているiPassに加入し、日本で接続テストを済ませてから出かけました。ホテルでの接続だけに頼るのは危険と考えて、保険のつもりでしたが、このiPassが大活躍、空港でのメール送受信だけでなく、ホテルでも、一晩3から5ユーロ(350円から580円ぐらい)、ホテルによっては10ユーロ(1,150円ぐらい)、という接続料金を60円程度で済ませたりしています。FAX送信はインターネット経由、1ページ10円のPamFaxに加入し、これも日本で送信テストを済ませました。
もくろみでは、朝ホテルでメールを送受信、移動中のバスで返信作成、翌朝ホテルでメール送受信とFAX送信、というサイクルでした。しかし、8時間の時差のために夜の方が大切なメールが多く入ってくるので、夜の返信作成、朝のFAX送信、というパターンに、夜が遅かったときはバスでの睡眠となりました。もくろみが外れたのはこれだけではありません。ホテルの部屋にWiFiの電波が届かず、電波を検知できる廊下で真夜中にパソコン操作したり、iPassサービススポットまで早朝に出かけたが電波が検知できず無駄足だったり、飛行機の搭乗ゲートを通過した途端に接続していたWiFiが切れたり、といった貴重な体験がありました。今回の実績で、少なくとも1月であれば海外旅行が遠慮なくできることとなり、iPadサイズのモバイルパソコンを購入し、イタリア事情を調査し、日本でリハーサルした、というもろもろの苦労が報われました。
パソコンは天気予報のチェックなどにも役立ち、これからの必須アイテムです。持参したもう一つのハイテク機器、GPS機、これも必須アイテムとなりそうです。行きたいところを事前に登録しておけば、確実に到達できます。アナウンスの全くないバスや電車に乗っても安心、初めての街を歩いても迷うことはありません。これほど役に立つとは思いませんでした。
ハイテク機器を使って効率よくバカンスを楽しみ、仕事もこなす、自分としてはいままでにない新しいスタイル、この歳になっても進化している、と自画自賛です。だれも褒めてくれないし、気にも留めてくれないので。