友人

No.042:平山先生を偲んで

 中学生のときに大好きだった国語の先生、平山先生が5月に亡くなりました。享年85歳、わたしが中1のときは34歳ということになります。とても優しい先生で、国語の時間が楽しみだったのを覚えています。

 数年前、40年以上も会っていないわたしをみて「よう、XX君」と名前を呼んで話しかけてくれました。生徒一人ひとりをしっかり見つめてきた先生、あのころ大好きだった理由が少し見えた気がしたものです。そのとき先生が特攻の生き残りであることを知りました。先生の教育に対する真摯な姿勢の根元には、カトリック信者ということとともに特攻経験者ということもあったにちがいありません。そんな先生の教え子だったわたしは幸運でした。

平山先生を偲んで
中学2年生のときの校舎

 そのとき知ったもう一つのこと、それはわたし自身に関係したことで、幸運だったという思いをさらに強くするものでした。カトリックのサレジオ会が運営していた工業高校の付属中学に入学したわたしは卒業後そのまま工業高校へ、卒業したら就職、と考えていた母の思いをよそに、大学を目指すようになります。50人ほどのクラスで進学希望者は数人、専門教育中心の工業高校に受験教育などはありません。そこで倉本先生という方が受験勉強のための私塾を開いてくれました。週何回か先生のご自宅に伺い数人で指導を受けます。これがなかったら大学受験にはおそらく失敗していたでしょう。この私塾、平山先生が倉本先生にお願いして実現したということを数年前のそのときに知りました。中学を卒業して担当から離れた後も、高校で学ぶ我々をしっかり見つめていてくれたのです。深い感謝の念とともに、大好きになったのは当然だったとも思えるのです。

 先日、学校跡地にいまも残る教会で追悼ミサがとり行われ、360名もの参列者で満席となりました。ミサ終了後、教会に隣接した会館での追悼集会となり、みなさんが亡き平山先生の思い出を語ります。わが校の有名人に水戸黄門うっかり八兵衛役の高橋元太郎さんがいて、仕事の都合で参列できないと思っていたが、突然時間ができたので出先から駆けつけた、先生に歌をやれと言われ、リサイタルを来年開くはこびとなったが、先生にぜひ来ていただきたかった、と会場をしんみりさせました。真の教育者であることをあらためて感じる集会でした。

 この集会で45年ぶりに再会した友人と、同じ仲間だったあと2人が集会に参加していなかったので、この2人を誘ってミニ追悼集会をやろうということになりました。4人の都合で、9月開催となりそうですが、とても楽しみです。お互い家に遊びに行ったりした仲間ですが、高校卒業後の交流は途絶えており、ここにきて再開となりそうです。「また仲良くやれ」と平山先生がおっしゃっているのかもしれません。

の記事

No.206:日本海に蟹を食べに行きました (2024年03月31日)

 「(福井県の)小浜に蟹を食べに行くけど・・・(行かないか?)」と京都在住の友人からメールが届きました。京都に住んでいた若いころ、日本海での蟹といえば、蟹、蟹、蟹の蟹尽くしのイメージがあって、しかも、今回のメンバー5人全員が会社の元同僚で、内2人は私と同じ大学、これは行かなくては、と即決しました。

No.201:14回目の会社同期会 (2023年10月31日)

 同期入社を中心とした、かつての遊び仲間が岐阜・下呂温泉に集まりました。関西在住6名、関東在住6名の12名のうち、今回は8名、同伴奥さん4名で計12名の参加でした。会社在籍中から家族ぐるみでの付き合いです。

No.200:恐山と奥入瀬渓流 (2023年09月30日)

 友人夫妻との旅行、今回は恐山と奥入瀬渓流でした。我々夫婦だと電車、バス、徒歩での旅行なので、車を運転する友人との旅行は、車でしか行けないところ、あるいは車でないと便が悪いところ、となります。今回は、新幹線と在来線で下北半島のむつ市に、そこからレンタカーで、霊場恐山、本州最北端大間崎、下風呂温泉、車で南下して、ミシュラン・グリーンガイド二つ星の奥入瀬渓流、カルデラ湖の十和田湖、田沢湖近くの国見温泉、そして盛岡から新幹線で東京、という行程でした。

No.196:伊豆大島G7 (2023年05月31日)

 今月、伊豆大島にG(爺)7が集結しました。大学同期の部活仲間7人、島を観光し、椿油での贅沢なフォンデュをいただき、濃厚な大島牛乳やそのアイスを味わい、夜の勉強会では2人の真剣な議論を子守歌に4人が眠りに陥りました。昨年11月の新潟県松之山温泉での53年ぶりの合宿、その楽しさがまたまた再現されたのです。

No.190:53年ぶりの合宿 (2022年11月30日)

 大学同期の部活仲間との53年ぶりの宿泊旅行です。卒業後はほとんど会うことがありませんでしたが、定年間近になってから数カ月に1回程度会うようになりました。そのころ始めたこのブログ、名前「リタイア間近組」はこの仲間のことです。コロナ禍では、オンラインでの飲み会を毎月のように開催していました。3年ぶりのリアル飲み会、しかも泊り、です。

No.161:会社仲間とのオンライン飲み会 (2020年06月30日)

「この中で、誰が一番早く(10万円の特別給付金を)受け取るか、楽しみだ」、行政の効率の悪さ、IT化の遅れをみんなで嘆いていたときの一言です。会社仲間とのオンライン飲み会でのこと。毎週金曜日、夜6時から10時頃までの4時間ほど、いろいろな...

No.159:オンライン飲み会 (2020年04月30日)

 人から人に感染する新型コロナウイルス、無症状の感染者がいるので、自分も含めて、人はコロナ、だと思っての行動が必要です。このため、日々のウォーキングで人と1m以内ですれ違うときは息を止めています。数秒で、ソーシャルディスタンスの2mは確実に離れます。ジョギングしている人のときはもう少し長く息を止め、かつ道の反対側に移動します。

No.154:勉強会 (2019年11月30日)

 幹事会開催の案内メールが届きました。大学卒業50周年記念部活同期会の世話役だった3人で飲もうという誘いです。同期会に一番熱心だった友人からで、東京での市民大学講座のために栃木から出て行くので付き合え、ということなのです。日程調整の結果、講座最終日に新宿で飲むこととなりました。

No.145:卒業50周年記念同期会 (2019年02月28日)

 大学を卒業して今年で50年、この節目を迎えての部活同期の集いを開催することとなりました。積極的に、「やろう!!」いう面倒見の良いのが1人いて、それに引っ張られるように私ともう1人、計3人の世話役トリオでまず連絡先調査から始めました。同期は14名、たかだかこの人数の集まりなのに、事前打合せを3回も、開催当日は2時間前に世話役トリオで集まって最終確認、という念の入れようでした。そのおかげか、14人中12人が参加して、楽しい時間を過ごすことができました。

No.140:浅草木馬館大衆劇場 (2018年09月30日)

 「きれいだねぇ」、うっとりした口調で隣の女性がつぶやきました。浅草木馬館、絢爛豪華な衣装をまとい、美女に変身した男性が妖艶な舞踊を披露しています。美しい顔立ちと美しい身のこなし、夢中になる女性がいるのも不思議ではありません。166席の小劇場は満席、通路に追加された小さな丸椅子も満席、ほとんどが女性で、30歳台から70歳台と幅広く、お洒落をしての観劇です。


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