3回目の京都への歩き旅、自宅から京都まで11日間で498キロ、1日平均約45キロ、もう一歩も歩きたくない、という瞬間を今回初めて経験しました。その日、妻に電話で報告すると、普通の人はそうなのよ、と軽くいなされましたが。
原因はマメ、それも最も歩きにくい足裏です。1日目が川崎の自宅から小田原までの67キロ、翌日が雨の予報だったので歩けるだけ歩きました。2日目、お昼前に雨がやんだので小田原を出発、途中で小雨になりましたが、そのまま箱根越え、三島へ37キロ、ここで靴の中が濡れたまま歩いたのがマメの原因となったようです。3日目の由比までの41キロでマメができました。4日目の藤枝までの47キロで、マメの痛みと、それをかばっての変則的な歩きで足親指の関節が痛みだし、もう歩きたくない、となったのです。
ホテル手前5キロぐらいのところ、でも歩く以外に方法はなく、何とかホテルにたどり着いたものの、翌5日目の磐田までの43キロでは、最初は妖怪のようなゆっくり歩き、東海道歩き旅と思われる、中年の夫婦に、老人男女4人に、若い男性2人に、追い抜かれました。追い抜かれたことなどあまりなく、とてもみじめな気分でした。それでも、15キロほど歩いて大井川を渡り、日坂への山を登り始めると痛みが和らいできて、何とか歩き切りました。
6日目の浜名湖西の新所原までの42キロ、7日目の岡崎までの45キロと歩くうちに、マメの痛みは和らいだものの、腰が痛くなり、真っ直ぐな姿勢で歩くことができなくなりました。ここが限界、と8日目は1日中ホテルで休養です。この日、天気予報通りに小雨と強風の1日となり、おかげで気分的な焦りも出ずにゆったりできました。歩ける天候なのに歩かないのは嫌なものです。この休養が功を奏して、9日目の名古屋市内までの36キロ、10日目の鈴鹿までの47キロはまあまあの歩き、11日目の水口までの45キロは普通の歩きとなり、12日目の京都までの48キロの、特に前半24キロは昨年同様の楽しい歩きとなりました。
GPS記録でも、もう歩きたくない、と思った4日目が時速4.2キロ、朝追い抜かれてみじめな思いをした5日目が3.9キロ、疲れが限界となった7日目が4.3キロで、普通では考えられない速度です。いつもは2時間半あれば余裕で行ける10キロに、3時間近くかかるなぁ、などと思いながら歩いていました。通常は時速4.5キロぐらい、今回でも初日で5.0キロ、最終日で4.5キロでした。
今回のことで、前回、前々回がいかに順調だったのかを思い知りました。何か事があればとんでもない苦行にもなりかねない歩き旅となるのです。マメはもちろん、歩けなくなる要因となる足腰の不調や体調不良、それに事故、特に暗さや疲れでのつまずき転倒、などには十分すぎるほどの注意深さが必要だとあらためて認識しました。歩道のない道路を歩いていて、通り過ぎる車を見ながら、いま転倒したら車にぶつかってしまうなぁ、などと考えたこともあります。何事も甘く見ない、特に、かつてうまくいったからといって。そんなことを身をもって実感した歩き旅でした。この歩き旅は「大江戸ウォーキング」でも報告しています。ご覧ください。