夜の成田空港第3ターミナル内を、スーツケースとショルダーバックの合計10kgを持って走り抜けました。格安航空会社(LCC)バニラエアー台北発が成田に到着して、搭乗口が開いたのが予定から15分遅れの22時25分、10分後の22時35分発東京行バスに乗ろうと、タラップを降りて、階段を上り、長い通路を走り、入国審査、税関審査を通り、航空会社のカウンター横を走り、バス停に着いたのが22時33分、8分という快挙でした。タラップを降りるときは15番目ぐらいでしたが、入国審査前からはトップを独走、境内を走る西宮神社の福男選びの気分です。このバスに乗らないと、東京駅発最終電車に間に合わない可能性が大なのです。
台北を離陸してベルト着用サインが消えると同時に、搭乗したときに目をつけていた搭乗口近くの空席に移動しました。有料オプションの座席指定をとっていないためか、割り当てられた席は搭乗口から遠い機体の奥、このままでは搭乗口が開いてから降りるまで5分か10分かかり、バスには確実に間に合いません。8分の快挙のための私なりの工夫です。他にも、荷物は機内持ち込みのみとし、出てくるまで時間がかかる預入荷物は無しとしました。まあ、預入荷物が有料、ということもありましたが。
台北2泊3日ツアー19,700円、実際は空港税などが追加されて23,240円ですが、それにしても安い、京都2泊3日といった感覚です。使う便はLCC、泊まるのは8人部屋のドミトリーですが、結構楽しめました。でも今回の便にはもう乗りません。帰りの成田到着時刻だけではなく、往きの出発時刻も問題なのです。朝7時15分発のため成田前泊が必要でした。成田空港内にあるカプセルホテルでしたが、廊下との境はカーテンのみ、足音が聞こえ、隣の音もときどき響きます。それでもほぼ満室のようでした。カプセルホテル初体験は、経験はないものの、空港ターミナルで一夜を明かす「タミ寝」よりはまし、といったところでしょうか。
往きの便はほぼ満席でほとんどが若者、それも圧倒的に女性多数、学生らしき人も多く、オジサンは気後れしてしまいます。帰りは空席が若干あって、夜遅い到着のためか若い男性が往きよりは多く、私ぐらいのオジサンもちらほら、同年配と思われるご夫婦も数組おられました。でも基本は「若者のためのLCC」のようです。186人乗りで、モニター画面もリモコンも無いやや狭い目の座席、客室乗務員は4人で、飲食は有料、アルコール類の持ち込みは禁止です。サービスには全く期待していないので、乗務員に丁寧に対応してもらっただけで、最初は感激してしまいました。
2泊したドミトリーは、ラウンジを挟んで、男性と女性に別れ、それぞれに8人部屋がいくつかあります。ラウンジでは夜遅くまで若い男女が楽しそうに話しており、受付も若くとても親切です。置いてあるノートには、「こんな、すてきな宿にもめぐりあえました。」との書き込みもありました。ここも若者の世界です。
台北は3ヶ月ぶり、今回は仕事半分なので妻は家で留守番、私一人だったためか地下鉄で若者から席を譲られました。初めての経験、日本ではそんな経験ありません。台北在住の日本人によると、台湾の若者は条件反射的にお年寄りに席を譲ります、それが当たり前で日本とは違います、とのこと。勤務している事務所のボスによると、日本と違って家庭教育がしっかりできている証拠、ということです。食事や買物、街歩きなどの安心感もあって、年寄にも住みやすい国なのでしょう。