2007

家族

No.005:時間感覚

 「遅かったじゃないか」、5時からの食事会に5時少し前に現れた姉に叔母が文句を言ったそうです。叔母は4時前から会場で待っていたのです。叔母の姉である私の母も同様の時間感覚で、一緒に旅行するときに待合せ時刻の1時間ぐらい前から待っていたときもあります。周りが迷惑です。そんな母の不思議な時間感覚を理解するのは難しいのですが、歳とともに母の性格を引き継いでいる自分を発見しつつある私としては気になるところです。
大江戸ウォーキング

No.002:時の鐘

 浦井祥子氏(うらいさちこ:日本女子大学講師)が膨大な史料を丹念に解読してまとめた「江戸の時刻と時の鐘」からは江戸時代の時の鐘の実態が生きいきと伝わってきます。史料を多面的に解読し、正確に理解しようとする研究者としての氏の姿勢には、歴史小説のような華やかさやダイナミックさはないものの、信頼感と好感がもて、とても新鮮な印象を受けました。
家族

No.004:両親のこと

 「団塊格差」(三浦展著、文春新書)を読んで両親への感謝の気持ちが更に強くなりました。団塊世代の大学卒業者は22%だそうです。文部科学省「2006年学校基本調査報告」では、私が大学進学した1965年の高等教育機関(大学・短大・専門学校)への進学率は18%程度で、現在の76.2%(2006年)とは進学状況に大きな違いがあったのです。兄2人が大学に進学しており、それを当たり前のように考えていましたが、世間一般以上の両親の努力があったことをあらためて知りました。
趣味

No.003:”たけくらべ”の浅草

 樋口一葉の「たけくらべ」の舞台となった浅草吉原界隈を、物語の場面を想像しながら歩いてみました。読書とウォーキングという好きなことを組み合わせて、それぞれを倍楽しもうという魂胆です。おかげで、最後まで興味深く読み、何気ない風景も楽しみながら歩くことができました。
大江戸ウォーキング

No.001:たけくらべ

 樋口一葉の「たけくらべ」の舞台となったところを歩きました。明治25年(1892年)7月から約2年間吉原に隣接した龍泉寺町で駄菓子屋を営んでいた一葉は、暖かい眼差しと鋭い観察眼でそこで育つ子供たちを見つめ、その細やかな心の動きを見事に捉えています。物語を読んで、育つ環境は違っても子供たちの発想や思考には違いがないことをあらためて感じました。だからこそ地域や時代を越えた多くの読者が物語の中に自分の子供時代を見つけて共感できるのでしょう。
友人

No.002:同期入社の仲間

 何十年ぶりかの再会でも、たちまち若いころの楽しさが蘇えってくる仲間がいます。白髪などが増えて外見が変わってきているように、さまざまな経験を経て中身も変わっているはずなのに、若いころの主客、強弱といった微妙な相互関係が会った瞬間から再現され、各自が一番居心地のよいポジションに収まって楽しい場となる、そんな感じです。久々の試合で、何の指示もないのに各自が守備位置に着いてそこをしっかり守る、全体として強固なチームワークを示す野球チームのようで、チームワークの良さが楽しさを更に大きくしてくれます。
暮し

No.001:定年の日

 定年の日は感激も、感動も、感傷もなく終わりました。TVで見るような職場での花束や拍手、自宅での豪華な食事などはありません。仕事で忙しい日々が続く中で、自宅でのそれらしい会話といえば「定年なのに何んでこんなに忙しいんだ」という私のぼやきに「仕事があるだけいいじゃない」という妻の返答があったぐらいです。
ライターな日々

Yahooセカンドライフ第11話:お年寄りのアイドル健太郎君

 特別養護老人ホーム王子光照苑のお年寄りたちのアイドルである健太郎君は子犬のときに右前足を骨折して河原に横たわっているところを動物愛護団体に保護された野良犬でした。交通事故にあったと思われ、人にいじめられてもいたのか、車や人を極端に怖がる子犬で、怪我の治療や食事の世話などにはかなりの根気が必要だったようです。
ライターな日々

Yahoo第10話:愛犬が病気になって分かったこと

 病気になった愛犬の痛々しい姿を見るのは辛いものです。どこがどのくらい痛い、などと本人は言わないので想像するしかなく、想像はふくらみ辛さもふくらみます。会社での仕事も手につきません、といってもそれほど大そうな仕事でもないのですが。頼りにするのは獣医さんですが、頼りにならない獣医さんもいます。
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