相変わらず書き手の顔が見えない文章を書いている。そこで、最初の段落に自分の考え方をできるだけ入れることにした。でも「老犬介護」って何だ、とあらためて自分の考えを整理してみると、悲しいとか辛いとかのネガティブなことしか頭に浮かばない。
ポジティブなことは、せいぜい「飼い主なしには食事もできない犬を世話する『やりがい』のようなものがある」といった説明の長い、しかもあいまいなものだ。何回か自分の考えを整理していく中で「生きることの大切さ、について教えてくれる」ということにたどり着き、そこを考え方の基本において最初の段落を書いた。いつも厳しい会社の同僚から「まあまあ」との評価をもらう。
老犬介護に関するブログやホームページを読んで「かなり辛いのだろう」と想像していたが、実際に話を聞くと「辛い日々」の印象は薄く、「緊張の日々」の印象だった。後から考えるともっともなのだが、その時は意外に感じた。事前調査は重要だが、インタビューでは白紙の心で臨むことが重要だと改めて思う。小松成美氏の「インタビュー前は『世界で一番この人のことを知っているインタビューアーでありたい』とありとあらゆる資料を読み、インタビューではこれらの資料によってフィルターがかからないように白紙の心で『世界で一番この人のことを知りたい』と臨む」(2005年11月18日の講座)の言葉を思い出す。