趣味

No.046:上には上が

上には上が
葉がすっかり落ちた1週間後の土手

 多摩川の土手に長く続く桜並木、葉がかなり落ちて心地よい木洩れ日です。夏は葉が生い茂り、涼しい木陰を作ってくれ、秋はこうして適度に暖かい日差しを通してくれます。あと数キロで叔母の家、朝8時前後に自宅を出て歩いて20キロほど、ここを通るのは正午から1時ごろ、1日で最も日差しの強い時間帯に、季節に応じた心地よさを提供してくれる桜並木です。平均すると月3回ほど叔母を訪ねていて、ここまで来たときの足の運び具合でそのときのウォーキング度を知ります。疲れて少しもつれ気味のときは「最近歩いてない」、疲れを感じることなく軽やかなときは「よく歩いている」と。

 1年を平均すると1日13キロ歩き、ウォーキング道にまい進しているわたくしに、妻が教えてくれた新聞記事は「てくてく地球2周分 宮城さん(71)毎日20キロ17年」(琉球新報2010年11月17日)。上には上がいるものです。地球2周分は8万キロ、毎日20キロはかなり大変、「歩いてます」などと少し自慢げに話していたのが恥ずかしい。しかも早朝出かけて午前10時ごろには歩き終わって、ガーデニングや読書、絵、カメラなど好きな趣味に没頭する、とあります。歩く以外にさして趣味もないわたくしとは、ここでもえらい違いです。継続の秘訣は「無理をしないこと」で、「自分に対し厳しくすることなく、楽しむことが大切」だそうです。

 妻が見せたもう一つの新聞記事、これはもっと壮絶で、わたしからすると雲の上の更にその上の人です。天台宗大阿闍梨・酒井雄哉さん(84)、比叡山廷暦寺で千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)という荒行を2回も成し遂げています。この修行は1000日で4万キロ歩きます。年100日間、年度によっては200日間、7年間かけての1000日、最後の7年目は200日で、前半100日は毎日84キロ、こうなると睡眠時間は1日2時間だそうです。記事の中で、「なぜ2度も?」との問いに、「ほかに何もすることがなかったの」「2度目もどんどん歩いているうちに、いつの間にかおしまいになった」(日本経済新聞2010年10月2日)とことなげにおっしゃっています。この壮絶な荒行に、「いつの間にかおしまいに」とは驚くべきコメントです。1回目が54歳、2回目が61歳と20年から30年も前のことで、荒行直後であればまた違ったコメントになったのかもしれませんが、沖縄の宮城さん同様に「楽しむ」気持ちがどこかになかったらこの感想には決してならなかったでしょう。

 お二人の言葉の気負いのなさに圧倒される思いです。偉業を成し遂げる人の持続力の凄さを感じるからでしょうか。「無心」になることや「楽しむ」ことの大切さがひしひしと伝わってきます。余計なことは考えずにひたすら歩く、楽しみとして歩く、というわたくしのウォーキング道に似ている、と思ったりもして、お二人のような偉業を成し遂げることはないものの、このままで頑張ればいいんだ、と励まされたおもいもします。

の記事

No.177:試し歩き (2021年10月31日)

 コロナ禍で2年間中断している東海道歩き旅、来年春には行けそうなので、事前の試し歩きをしてみました。毎日、日帰りで32キロ、5日間、雨のため1日だけ23キロだったので合計151キロ、自宅から静岡までの160キロの少し手前相当の歩きとなります。歳と共に低下する体力、それに加えての長い自粛生活でどうなるのか心配でしたが、何とか来年行けそうな感じです。

No.171:アンクルウエイトを重くしました (2021年04月30日)

 歩くときのアンクルウエイトを片足0.5kgから1.5kgに変更しました。1.5kg2個が入った袋を持った妻は、「こんな重いものを足に付けたら田園調布の坂を越えられないわよ」と心配しています。田園調布の住宅街は高台にあり、川崎の自宅からはそこそこの坂を上るのです。

No.169:コロナ禍最強の趣味 (2021年02月28日)

 「やることがなくて毎日が辛い。(あなたは)どうしてる?」と勤務先事務所のボス、「散歩と囲碁で過ごしています」と答えると、「そう・・・」と羨ましそうな感じでした。緊急事態宣言で在宅勤務、というよりも、仕事がないので勤務はなく、単なる在宅となっていて、ボスとは電話でときどき話をします。人好き、話好きなボスのこと、ストレスがかなり溜まっていることでしょう。

No.164:新たな囲碁の先生 (2020年09月30日)

 囲碁の先生が一人増えて二人になりました。新しい先生からのメールには、私のレベルに合った、大切と思われる詰碁問題と共に「目で5~10秒以内くらいで解ける」ように、との指示が付いています。つまり、詰碁が解けるだけでは駄目で、完璧に身に着けろ、ということなのです。囲碁も武術や柔術のように鍛錬こそ大切、ということでしょうか。

No.163:夏休みは囲碁三昧 (2020年08月31日)

 突然のこと、事務所のボスが2週間のホテル住いとなりました。どうやら、都心にある超一流ホテルに避暑、ということのようです。その間、私も思いがけない夏休み、どこかに行こうかと一瞬考えましたが、所詮はコロナ禍、結局囲碁三昧となりました。

No.162:オンライン囲碁対局 (2020年07月31日)

 地域の囲碁サークルで毎週日曜日にオンライン囲碁対局を始めて8週目となりました。皆さんご高齢なので参加されるか否か、提案者としては不安でしたが、始めてみるとみなさん熱心で、毎回10名ほどが参加されています。いままでの実対局でも、8名から多くても15名の参加でしたから、まずまずの成功、と言えます。

No.153:囲碁サークル (2019年10月31日)

 「上達しましたね」と私の囲碁対局を取り囲む人たちが口々に褒めてくれました。毎週日曜日の囲碁サークル、終了時間間近で他の対局はすでに終わって、メンバー全員が見守るという中で勝利したのです。ルンルン気分で帰宅しました。この日は2勝1敗、1年間続けて初めての勝ち越しです。9目という大きなハンディをもらっての勝利なのですが、それでも勝てなかった今までと比べると大進歩です。「勉強してますね」とも言われました。

No.147:10回目の東海道歩き旅 (2019年04月30日)

 今年で10回目となる東海道歩き旅、川崎の自宅から伊勢神宮まで、512kmを79万6千歩で完歩しました。ここ数年、気持よく歩ける日が少なくなり、歳とともに体力の衰えを実感するようになっています。

No.146:囲碁サークル (2019年03月31日)

 趣味は「旅行」と「ウォーキング」です。最近、それに「囲碁」が加わろうとしています。実益など求めず、ただただ楽しむ、それが本来の趣味というものなのかもしれませんが、私の場合は実益のない趣味は考えられません。貧乏性なのです。「旅行」は妻と二人、一緒に暮らす智恵を授けてくれます。一人旅はしません、実益が見いだせないのです。毎年の「東海道歩き旅」は一人ですが、これは毎日のウォーキングの励みの元になる、という実益があります。

No.135:東海道歩き旅で転倒しました (2018年04月30日)

 一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。あっ、という間の転倒、自転車とのすれ違いざまでのことです。なかなか起き上がることができず情けなく、立止まった自転車の女子高校生から「大丈夫ですか」と声を掛けられ恥ずかしくもありました。


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