そうだ 等々力渓谷、行こう。我が家のお犬様、モモの朝の散歩中に思い立ちました。日差しの強い日が続く中、その日は曇り、風がとても爽やかで久々のウォーキング日和です。調べてみると我が家から歩いて6.8km、往復13.6km、まあまあ適度な距離です。
都区内にある渓谷ということで、ビルに囲まれた小さな谷を想像していましたが、両斜面の樹木に覆われ、ビルはおろか、民家も見えず、外界から遮断された別世界、大自然の中で澄んだ川の流れと湧水を楽しみながら歩く、といった趣がありました。わずか1km足らずの渓谷ですが、これからはときどき出かけて、四季折々の景色を楽しもうと考えています。ただ歩くだけの無味乾燥ともいえるわたしのウォーキングに、少し彩りを添えてくれるかもしれません。
初めてのコースなのでGPS機、それにカメラ、携帯、財布、ハンカチを全てズボンのポケットに入れ、UVカット布を周りに垂らしたキャップを持って家を出ました。旧日本兵を連想させるこの帽子、少し恥ずかしいので家から離れたところでかぶります。手ぶらですが、ポケットが一杯で、少し重い。自宅から2.5kmほどの多摩川の丸子橋を渡って東京側へ。ここから、多摩川に沿って流れる丸子川を上流に3.4kmほど歩くと、等々力渓谷を流れる谷沢川、ここでは川と川が直角に交差しています。江戸時代初期に造られた農業用水路である丸子川が谷沢川の上を跨(また)いでいた、というのが昔、今は丸子川上流側は谷沢川に流れ込み、丸子川下流側には汲み上げられた谷沢川の水が流れています。川が川を跨ぐ昔の風景、見応えがあったのではないでしょうか。谷沢川を上流に少し行くと等々力渓谷です。
日曜日なので、家族連れや若いカップルで賑わっています。渓谷での人気は等々力不動、ここには不動の滝があり、その音が渓谷に響き渡り「轟いた」ことから「等々力」となったとか。さすがに、滝の音が「轟く」ほどの静けさは現代にはありません。いたるところに湧水があり、幼少時の弘法大師(空海)を祀った稚児大師堂の手水にも湧水が引かれています。心地よい冷たさでした。飲むのはちょっと遠慮しましたが。渓谷出入り口の長い階段を上がると商店街、そこはもう都会の一角です。すぐ近くに東急大井町線等々力駅があります。
四季を感じることができるであろうこのウォーキングコース、定年後始めた11kmウォーキングに3年半ぶりに加わった新コースとなります。初めての道でも安心して歩くことができるGPS機がなければ行かなかったことでしょう。これからはいろいろな新コースが開発できそうです。