趣味

No.040:ハンディGPS機

 「え!こんな細い道」、住宅街からいきなり、人ひとりがやっと通れる細い山道のような上り坂に出たのです。ハンディGPS機に登録した徒歩ルートによるとここを登ることになります。

 少し不安を抱きながら登ると、左が草木の茂る斜面、右が畑といった丘の中腹を進む細道で、さらに進むと下りとなり住宅街に入りました。丘を越えるための正しいルートだったのです。道を1mも外れようものなら、画面上の現在位置が登録ルートから外れる、GPSが正確に誘導してくれます。このGPS機さえあれば全国どんな道でも迷わずに歩ける、と確信しました。

 このハイテク機器、先月の静岡から京都までの歩きで悩まされた排気ガスへの対策として今月購入しました。排気ガスを避けるためには車の通らない細めの道を歩けばよいのですが、かさばる詳細地図が必要な上、道の確認も難しく迷いがちとなり、どうしても車の多い幹線道路に頼ってしまいます。しかしこのGPS機があればどんな細い道でも間違うことなく進むことができるのです。4万3千3百円とちょっと高めですが、江戸時代のように京都まで12日から15日で歩こうとしているわたくしには強力な助っ人です。江戸時代にはないハイテク機器ですが、排気ガスのない江戸時代であれば必要もなく、なにやら複雑な気持ちではありますが。

 細い道の選定は、これまた優れモノのグーグルマップサイトを使います。出発点と到着点を指定すると、最適な歩行ルートを検索してくれます。先の丘越えの細道は、自宅から友人宅までを検索した結果の約10kmルートの一部でした。エリアによってはエレベータを通る最短ルートや、どの信号で横断すべきかといったことまで示してくれます。最適ルートに幹線道路が入ってくる場合には、グーグルマップ画面上を手作業で変更します。このルートデータをGPS機にダウンロードし、歩きながらルートと現在位置を確認して進むのです。

ハンディGPS機
優れモノのGPS機を手に(東京・日本橋にて)

 購入前にネットで機能を確認しようとしましたが、詳細が分かりません。京都までの詳細ルート全データを格納できるのか、GPS機に内蔵できる2万5千分の1の地図にない道でもルートとして登録できるのか、これができないとわたくしには役に立たないのです。販売店に電話すると、女性の方が的確に答えてくれました。ルートデータは1万点プロットまで格納可能、地図とは無関係に自由にルート設定可能、鉛筆で絵を描くように、とのこと。京都までは約500km、1万点あれば50mごとのプロットでルート表現ができので十分な精度だし、地図にない道でもルートとして登録できるのであればどんな細道でも選ぶことができます。

 問い合わせたのは立川にあるGPS機器専門店ベルク、信頼できそうな店なので、電話の後にすぐ買いに出かけました。1時間ぐらいで到着すると、さほど大きな店ではなく、電話で答えてくれた若い女性が一人で対応しています。先程電話したものですが、と伝えると、日本橋から三条大橋までは3千7百ポイントほどですから登録可能です、と即座に教えてくれました。電話の後に調べてくれたのです。さらにいくつか尋ねましたが、どんな細かいことでも即座に答えが返ってくるし、関連した注意事項も教えてくれる、「詳しいんですね」と感心すると、「よくご存じのお客様からのご質問で鍛えられていますから」とのことでした。

 若い人の、その熱心な姿に感銘すら受けました。GPS機のプロともいえる知識、その姿勢や意欲、なにかとてもすがすがしい気分です。気持ちの良い機器購入となりました。丘越えの細道でその有用性が確認できたいま、来年の京都までの歩き旅が楽しみとなっています。

の記事

No.177:試し歩き (2021年10月31日)

 コロナ禍で2年間中断している東海道歩き旅、来年春には行けそうなので、事前の試し歩きをしてみました。毎日、日帰りで32キロ、5日間、雨のため1日だけ23キロだったので合計151キロ、自宅から静岡までの160キロの少し手前相当の歩きとなります。歳と共に低下する体力、それに加えての長い自粛生活でどうなるのか心配でしたが、何とか来年行けそうな感じです。

No.171:アンクルウエイトを重くしました (2021年04月30日)

 歩くときのアンクルウエイトを片足0.5kgから1.5kgに変更しました。1.5kg2個が入った袋を持った妻は、「こんな重いものを足に付けたら田園調布の坂を越えられないわよ」と心配しています。田園調布の住宅街は高台にあり、川崎の自宅からはそこそこの坂を上るのです。

No.169:コロナ禍最強の趣味 (2021年02月28日)

 「やることがなくて毎日が辛い。(あなたは)どうしてる?」と勤務先事務所のボス、「散歩と囲碁で過ごしています」と答えると、「そう・・・」と羨ましそうな感じでした。緊急事態宣言で在宅勤務、というよりも、仕事がないので勤務はなく、単なる在宅となっていて、ボスとは電話でときどき話をします。人好き、話好きなボスのこと、ストレスがかなり溜まっていることでしょう。

No.164:新たな囲碁の先生 (2020年09月30日)

 囲碁の先生が一人増えて二人になりました。新しい先生からのメールには、私のレベルに合った、大切と思われる詰碁問題と共に「目で5~10秒以内くらいで解ける」ように、との指示が付いています。つまり、詰碁が解けるだけでは駄目で、完璧に身に着けろ、ということなのです。囲碁も武術や柔術のように鍛錬こそ大切、ということでしょうか。

No.163:夏休みは囲碁三昧 (2020年08月31日)

 突然のこと、事務所のボスが2週間のホテル住いとなりました。どうやら、都心にある超一流ホテルに避暑、ということのようです。その間、私も思いがけない夏休み、どこかに行こうかと一瞬考えましたが、所詮はコロナ禍、結局囲碁三昧となりました。

No.162:オンライン囲碁対局 (2020年07月31日)

 地域の囲碁サークルで毎週日曜日にオンライン囲碁対局を始めて8週目となりました。皆さんご高齢なので参加されるか否か、提案者としては不安でしたが、始めてみるとみなさん熱心で、毎回10名ほどが参加されています。いままでの実対局でも、8名から多くても15名の参加でしたから、まずまずの成功、と言えます。

No.153:囲碁サークル (2019年10月31日)

 「上達しましたね」と私の囲碁対局を取り囲む人たちが口々に褒めてくれました。毎週日曜日の囲碁サークル、終了時間間近で他の対局はすでに終わって、メンバー全員が見守るという中で勝利したのです。ルンルン気分で帰宅しました。この日は2勝1敗、1年間続けて初めての勝ち越しです。9目という大きなハンディをもらっての勝利なのですが、それでも勝てなかった今までと比べると大進歩です。「勉強してますね」とも言われました。

No.147:10回目の東海道歩き旅 (2019年04月30日)

 今年で10回目となる東海道歩き旅、川崎の自宅から伊勢神宮まで、512kmを79万6千歩で完歩しました。ここ数年、気持よく歩ける日が少なくなり、歳とともに体力の衰えを実感するようになっています。

No.146:囲碁サークル (2019年03月31日)

 趣味は「旅行」と「ウォーキング」です。最近、それに「囲碁」が加わろうとしています。実益など求めず、ただただ楽しむ、それが本来の趣味というものなのかもしれませんが、私の場合は実益のない趣味は考えられません。貧乏性なのです。「旅行」は妻と二人、一緒に暮らす智恵を授けてくれます。一人旅はしません、実益が見いだせないのです。毎年の「東海道歩き旅」は一人ですが、これは毎日のウォーキングの励みの元になる、という実益があります。

No.135:東海道歩き旅で転倒しました (2018年04月30日)

 一瞬、何が起きたのか分かりませんでした。あっ、という間の転倒、自転車とのすれ違いざまでのことです。なかなか起き上がることができず情けなく、立止まった自転車の女子高校生から「大丈夫ですか」と声を掛けられ恥ずかしくもありました。


タイトルとURLをコピーしました