久しぶりの学校です。2006年末から中断していた「マスコミの学校」がまた始まり、その再開校記念講演会、計4回講演が開催されているので受講しています。この記念講演会後に本格開校となります。3年前に受講したこの学校がきっかけで、いまの仕事や仲間があるわたしにとっては、たいへんお世話になった母校です。受講の楽しみと、懐かしい人に会える期待で申し込みました。
8月8日のジャーナリスト・田原総一郎氏が最初で、22日がノンフィクション作家・小松成美氏、29日幻冬舎代表取締役社長・見城徹氏、そして最後が9月5日の作家・大下英治氏となっており、いつもながら豪華な講師陣です。こういった第一線で活躍されている方々とじかに接する経験は非日常的で刺激的であり、そのときの印象は後々どこかで蘇ってきて、大事な方向付けをしてくれる、そんな気がします。
それにしてもこの講師陣、校長の花田紀凱(はなだ かずよし)氏の人脈力のなせる技です。田原氏は「無いに等しい講演料だが、・・・・」、見城氏は「1日6件ぐらいくる講演依頼は全て断っているが、・・・・」、お二人とも「花田さんの依頼であればしかたがない」と、そして小松氏は講演メモを用意するほどの熱心さで花田氏の要望に応えています。
卓越した能力を持ちながらも、謙虚で飾らない月刊『WiLL』編集長・花田氏は来月9月で67歳、週刊文春の黄金期を築いた「ミスター文春」は、いま「月刊『WiLL』の目標は『文藝春秋』だ!」とますます意気盛んです。ゲラの校正中についうとうとすることもあるらしいのですが、大好きな雑誌作りにいつまでも熱中し、生涯現役を貫く様子、多くの人がそうありたいと願う、羨ましい人生です。
そんな花田氏を近くで見て、話を聴き、身近に感じることで「そうありたい」という思いはより具体的となり、少なくとも氏が現役で頑張った歳まではいまの仕事で頑張りたい、という気になります。3年前にはなかったそんな気持ち、2年前に会社という後ろ盾が無くなり、自分の力で生きている氏を少しでも見習いたいという思いがあるのかもしれません。そうだとしたら、これが今回受講の最大の成果となりそうです。
ところで、同じ編集者である見城氏が、花田氏のいいかげんさに散々な思いをしてきた、今回も講演依頼の電話が1回あっただけで、2回目からはいきなり事務局からの連絡、頼んだ本人が最後までやるべきだ、会場に来てみると知らない間に講演テーマが決まっていて、許可も出していない写真が使われ、しかも、しかも、受講料を3,000円もとるという、と語気を荒げる場面がありました。それに対して花田氏は「見城さんにはいつも叱られるんですよ」とケロッとしたもの。このお互いの信頼関係を羨ましく思うと同時に、そんな物怖じしない、大雑把な花田氏にますます親近感が強まりました。