名古屋までで中止したこの春のお伊勢参り歩き旅、残りのお伊勢さんまでをこの秋、11月に歩きました。始発のひかりで名古屋に行き、途中1泊して2日間で伊勢市駅に到着しています。その後、東京を後から出た妻と一緒に、式年遷宮で賑わうお伊勢さん、東海道宿場町の面影が最も残る関宿、日本一のイルミネーションショーと言われる「なばなの里」を観光しました。
3日目の朝11時過ぎに伊勢市駅に到着した妻と合流して、外宮をまず参宮し、バスで内宮へ。外宮も内宮も、次から次へと人が途切れなく列をなし、式年遷宮で新しくなった社殿に参拝しています。27年前の秋にも二人で来ていますが、これほどの人出ではなかったような気がします。新しい社殿はさすがに清々しく、心打たれました。しかも、ここは全国神社の本宗、正式名称を「神宮」とする最高の格式、格別な御利益が期待できます。いつもは100円のお賽銭がつい500円となりました。
内宮参拝後は門前町の「おはらい町」へ、そこは大変な賑わいです。この町の訪問者は昨年2012年で年452万人、式年遷宮の今年は更に増えていることでしょう。ところが、江戸時代のお伊勢参りは年200万人から400万人とのこと、人口がいまの3分の1ほどの、新幹線などない歩き旅の時代に現代に迫る人出というのは驚きです。江戸時代からの伊勢神宮の人気ぶりが伺えます。名物のふくすけ「伊勢うどん」、太くて柔らかい麺は私好みでした。赤福の「ぜんざい」も、虎屋の「ういろう」も、焼きたての大アサリも美味しくいただきました。食べ歩き、お土産屋さんをのぞきながらのゆったりとした時間を楽しんでいます。
この日は亀山で宿泊し、翌日、東海道五十三次の47番目の宿場町、関宿を見物しました。毎年の京都への歩き旅でいくつかの旧宿場町を通りますが、江戸時代の面影がここほど残っているところはありません。いつも脇目も振らずにひたすら歩き素通りするだけなので、一度ゆっくり歩きたいと思っていました。
朝、亀山駅から隣の関駅へ。駅構内の観光案内所で「関宿お楽しみ得とくマップ」を500円で購入し、付いているクーポン券で、関宿名物地酒「鈴鹿(すゞしか)」を一杯ひっかけ、関宿名物「志ら玉」を食べ、小さな民家の土間で抹茶をゆっくり楽しみ、更に昔なつかしいお菓子、あたり前田のクラッカー、と伊勢茶をいただいています。1キロ弱続く古い町並みをゆっくり歩き、飲んだり食べたりして、江戸時代気分を味わいました。
午後からは長島駅に移動して、そこからバスで「なばなの里」へ。東京ドーム約7個分というスケールの大きな植物園で、ベコニアで埋め尽くされた温室はサッカー競技フィールドの1.26倍の広さ、コスモスやダリアが一面に広がっている花広場は何と6倍、LEDが敷き詰められたイルミネーションメイン会場が3.8倍です。ベコニアの温室も、広大なコスモス畑も見応え十分でしたが、暗くなってからくり広げられるイルミネーションショーは圧巻でした。来てよかった、と思える壮大なショーです。
日が暮れて、教会の鐘がなり、それが止むと同時に園中央の大きな池の水上イルミネーションが点灯します。歓声が一斉に上がり、日本一のイルミネーションショーの始まりです。200mもある長い光のトンネルをゆっくり進むと、その先にイルミネーションで輝く巨大な富士山とそのすそ野が現れます。サッカー場の4倍近い広さのメイン会場です。今年のテーマは「祝・世界遺産 富士」、10階建マンションに相当する高さ30mもの富士山がそびえ、100m以上離れた観賞用通路との間に「富士のすそ野」が広がります。暗闇の中で、無数のLEDが繰りひろげる幻想的な光景は思わず息をのむ美しさです。富士山頂から昇る初日の出から始まる1年間の、季節とともに移り変わる風景を存分に楽しみました。
帰りは、名古屋駅新幹線ホームで、評判のきしめんをいただいてから東京行のひかりに乗車しています。二人でぶらぶら歩きながら、参宮し、名所を訪れ、名物をいただいた、楽しい2日間でした。