大学同期の部活仲間との53年ぶりの宿泊旅行です。卒業後はほとんど会うことがありませんでしたが、定年間近になってから数カ月に1回程度会うようになりました。そのころ始めたこのブログ、名前「リタイア間近組」はこの仲間のことです。コロナ禍では、オンラインでの飲み会を毎月のように開催していました。3年ぶりのリアル飲み会、しかも泊り、です。
定年間近から今まで、20年近く続いているのは、「会いたい」というみんなの思いだけでなく、毎回のように幹事を引き受けてくれる友人のおかげです。今回もその友人が企画、手配してくれました。宿泊は友人お気に入りの旅館、同じ会社のOGが女将として切り盛りしています。
新潟県松之山温泉「凌雲閣」、昭和13年築の木造三階建ての建物は登録有形文化財に指定されています。日本秘湯を守る会会員で、薬湯と名高い浅緑色の「鏡の湯」と地元の郷土料理、お酒が楽しめます。天然の素材を使った山の幸の数々、黄金イクラと言われるヤマメの卵やヤマメの刺身もあり、新潟の美味しいお酒を楽しみながらの、丁寧に調理されたおもてなし料理にみんな大喜びでした。
食後は部屋で勉強会、ここが合宿の合宿たる由縁です。友人が持参したパソコンとプロジェクターで、「地球温暖化」や「縄文土偶」など、仲間の2人がまとめてきた資料での講義がありました。八海山を飲みながらで、酔いが回るにつれ話が支離滅裂になり、果てし無い議論が深夜まで続きました。途中から女将も参加、延々と続く議論を楽しんでいます。
参加者は男6人、車2台で、まず新潟県魚沼市・西福寺開山堂で鬼才石川雲蝶(うんちょう)の彫刻を鑑賞、重圧感や迫力、繊細さ、華やかさを併せ持っている、と言われるだけあって、とても見ごたえのあるものでした。その後旅館へ、翌日は星峠の棚田と十日町博物館を女将にご案内いただきました。棚田では、遠くの山々の名を、山登りが趣味の彼女が丁寧に説明、道端の草花や山菜を、生け花や食材に精通した女将ならではの解説、縄文時代の火焔型土器(国宝)が展示されている博物館では、縄文楽(がく)検定の上級合格者として、展示の見どころやポイントを案内していただき、終始、楽しく、充実した時間となりました。
昼食のとき女将が、素敵なお仲間ですね、とおっしゃっています。もう二度と作ることはできない、貴重な仲間、これからも末永く楽しい時間を一緒に過ごしたいものです。