終電での帰宅、久しぶりです。5年ほど前に通ったマスコミの学校、その仲間の一人が結婚したのでお祝いの飲み会がありました。
東京田町で、夕方5時からがリハーサル、立ち飲み用の小さな丸テーブルが狭い店内にいくつか並び、注文の度にお金を払う気軽な立ち飲み屋で超貧乏人のためのウイスキーとか幻の酒とか言われるホイスを飲み、6時から本番、重厚な扉のあるお洒落なレストランでイタリアンのフルコースを、料理の説明とシェフのご挨拶を受け、スパークリングワインやワインとともに楽しみました。本番後、居酒屋に移り数々の焼酎を飲みながら話をしているうちに終電時間となりました。
1年ぶりの再会、いつもの楽しい仲間、ライターや編集者への思いを持って入校し、望みを果たした人、他の仕事で頑張っている人、それぞれですが同じような志でつながっているだけに話は尽きません。終電で帰れた今回はまだいいほう、かつては朝帰りとなるときもありました。翌日は決まってガラガラ声、声を枯らすほど何を話したのやら、リラックスしたとりとめのない四方山話こそ最高の時間なのです。
途中から、校長で、WiLL編集長、元週刊文春編集長、ミスター文春こと花田紀凱(はなだ かずよし)氏がいらっしゃいました。ビッグサプライズ、みんな大喜びです。それはそれはお忙しい方なのに、6人ほどのこじんまりとしたわれわれごときの飲み会においでくださるなんて。この気さくさ、フットワークの良さ、これこそ68歳のいまも第一線でご活躍されている秘訣なのでしょうか。たくさんの異なる才能を集め、それを結び、面白い記事を作り上げる、そんな力、何事にも謙虚で白紙で臨む姿勢、あくなき興味を持ち、「面白い」をキーワードに積み重ねてきた実績、社会に大きな影響力を持つ人物なのも当然なのかもしれません。
人材を育てたい、そんな花田氏の熱い思いがマスコミの学校には込められているような気がします。修了した受講生の行く末が気になる、だからこその今回の飲み会への参加なのでしょう。結婚した二人は共に学校の受講生でした。分かっているだけでもこの学校から誕生した夫婦は4組です。花田氏の現在の奥様も受講生の一人でした。レストランに到着してすぐにお祝いのシャンペンを頼み、途中で目立たないように全員の勘定を済ましてしまう、かっこ良すぎです。しかも知的でお洒落、渡辺淳一「失楽園」の主人公のモデル、と言われる所以でしょう。そんな氏を身近に感じて、刺激を受ける、それは幸せなことです。生涯現役を公言する氏に習って、少しでも近づけたら、と気持ちを新たにした飲み会となりました。