横浜みなとみらい万葉倶楽部に宿泊したときのことです。夜中の12時過ぎだというのに200席以上ある大広間に人々があふれ、みなさんそれぞれに食事やお酒を楽しみ、従業員たちもキビキビと働いています。その活気には圧倒され、びっくりもしました。若い女性客も多く、初めて見る風景、とても不思議な真夜中の光景でした。
ここは、午前10時から翌朝9時まで、2、620円で浴衣、タオル、バスタオル付でお風呂に入れて、リラックスルームにある飛行機のファーストクラス席のようなテレビ付リクライニングシートで寝ることができます。お風呂のアメニティは完備していて、女性風呂には化粧品もありホテル以上、全くの手ぶらで、仕事帰りでも気軽に泊まることができるのです。それに露天風呂は温泉で、万葉倶楽部が所有する湯河原や熱海の源泉から毎日輸送しています。
午前11時30分から翌朝8時45分まで食事ができてお酒が飲める、リフレクソロジー、マッサージ、ビューティサロンなども朝5時まで利用でき、ヘアカット&スパやネイルサロンもあります。こういったサービスやお風呂で、真夜中でも大広間を埋め尽くす人々が集まるのです。新しい夜の過ごし方を提案し、受け入れられた、そんな気がします。真夜中のフロントでは、若い女性客数人がチェックインの手続き中でした。
朝5時前に大広間を通るとさすがに人はまばら、リラックスルームを覗いてみると、500以上あるシートのほとんどが平坦なリクライニングとなりみなさん毛布をかけて寝ていました。暗く静かな室内にテレビモニタの明かりが点々と見え、部屋をぐるっと囲んでいる窓が僅かに明るくなろうとしています。まるで巨大な飛行機に乗っているようで、楽しかった夜も終わりそろそろ着陸、といった感じです。
大都会ならではの新しいナイトライフを垣間見ることができたこの宿泊、毎年恒例となった同期入社仲間の宴でした。還暦後に始めて今回で4回目、昨年の会場が関西でしたので今年は関東、この横浜みなとみらいとなりました。メンバー9人のうち3人欠席でしたが、2人の特別参加と奥さん方の参加を得て総勢12名、我々の宴や寝床は和室でごく普通の宿泊でしたが、宴に続く楽しい会話が終わった真夜中、部屋からお風呂に行く途中で見たこの光景にはみんなが驚きました。
翌日は横浜を散策し、港を一望する大桟橋のレストランで昼食をとり解散となりました。また万葉倶楽部で、という声はさすがに聞けませんでした。機能的で効率的なここでの楽しみ方、我々にはあまり馴染めないようです。「それなりに人生を歩いてこられた方々ばかりですので(来年は)情緒ある企画にしたいと思います」とのメールが次回の幹事から届いています。来年は関西で、静かで落ち着いた所での同期会となりそうです。