暮し

No.007:私の”もったいない”

財布の中身
財布の中は電車の回数券

 定年後、財布の厚みが倍以上になりました。原因は電車の回数券で、残念ながら、お金ではありません。毎週決まっている出かけ先は、母が入院している病院と会社で、それぞれ2電鉄づつ計4電鉄を利用しています。昼間だけ使える時差回数券や休日だけ使える土休回数券などを使い分けて運賃の10%-40%を節約しているので、全部で8種類となり、最大で94枚の回数券が財布に入ることになります。

 便利だけど割引のないスイカは「もったいない」ので使いません。種類が多いので、休日なのに平日の回数券で入ってしまうこともあり、そんなときは駅員さんに誤入挟印を押してもらい後日使います。健康のためのウォーキングも「もったいない」生活に貢献しています。通勤時は11km歩いて2電鉄乗るところを1電鉄で済ませているし、新宿と秋葉原に用事があった先日は新宿から秋葉原までを歩きました。本は図書館で借りて読みますし、古いパソコンも工夫しながら使っています。暇人だからこそできるのですが、結構楽しく、充実感すらあるのです。私の中にある「もったいない」精神が生きいきと活動しているからでしょうか。

 「もったいない」という言葉は環境保護の視点から見直されています。資源の無駄使いをしないリデュース、修理して使い切るリペア、人が使ったものをまた使うリユース、再生して使うリサイクル、といったエコの概念を一語で表すこのような言葉は他言語には見当たらないそうです。この「もったいない」の模範生は江戸時代の人々でしょう。日の出とともに活動し、日の入とともに休んで油などの照明用資源の消費を抑え、炬燵(こたつ)、算盤(そろばん)、下駄、鍋、瀬戸物といった日用品ごとの専門修理業が成り立つほど修理が盛んで、中古も多く流通し、古着販売などは業者も多く、主要産業ともいえる繁盛ぶりだったし、人の排泄物のほぼ100%が有機肥料として再生利用されていたのです。これらのことは石川英輔(いしかわ えいすけ)氏著による「大江戸リサイクル事情(1994年講談社刊)」で詳しく紹介されています。

 使える資源が少なかった江戸時代ではこういった「もったいない」は当然だったのでしょう。それに対して、一人当たりのエネルギー消費が江戸時代の100倍と言われ、資源を湯水のごとく使い、捨てている現代では、電灯をつけて夜活動したり、壊れたら捨てて新品を買ったり、他人の古着を嫌がったり、化学肥料を利用したりすることが、当然のこととなっています。江戸時代には考えられないような、高い生産性と利便性を追い求めた結果なのでしょうが、あまりにも違う「当然」です。経済成長が、250年以上にわたってほとんどゼロだった江戸時代と常に成長し続ける現代、それは、成長なしでも成り立った江戸時代と成長なしでは成り立たない現代でもあり、ゆっくりとした江戸時代にこそ、常に何かに追われる現代にはない心の豊かさがあったのではないでしょうか。個人的なゼロ成長となる定年後、江戸時代の暮らしはできませんが、その心は見直してもいいでしょう。「もったいない」もその一つです。独断と偏見の私なりの「もったいない」生活ですが、これからも楽しくまい進して行こうと考えています。

の記事

No.214:80歳の壁 (2024年11月30日)

 会社仲間の集い、あわら温泉での宴の翌日、車3台で観光に出かけました。一緒に宿を出たのですが、内1台が集合場所に現れません。電話で、「どこにいるの?」と尋ねると、「第1駐車場」との答、ここの駐車場は1つ、第1も、第2もありません。結局、「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」集合を「一乗谷朝倉氏遺跡」集合と思い込んでいたようです。事前に決めた行程が狂い、「行程表を見ていない」と、幹事は少々お怒りでした。

No.207:睡眠スコアその後のその後 (2024年04月30日)

 大谷翔平さんは睡眠を大切にしていて、遠征に寝具を持ち込んだり、日々の睡眠データを計測しているそうです。超ビッグな大谷さんを引き合いに出すのはおこがましいのですが、私も睡眠データを計測しています。私のデータは、睡眠の質を示すスマートウォッチの睡眠スコアです。それが、30日移動平均で、昨年7月28日の、100点満点中83をピークに、どんどん低下し、今年3月19日には70にまで下がってしまいました。

No.203:人生の転機となった学校 (2023年12月31日)

 「授業中もぼんやりしていることが多い」とか、「教科書を忘れて来る」、「えんぴつも持たずに登校する」とかを小学校の通信簿連絡欄に書かれていた私ですが、中学に入ってからは少しまともになりました。

No.198:睡眠は改善したものの・・・ (2023年07月31日)

 スマートウォッチによる睡眠の質が「良し」となる「睡眠スコア80以上」の日が続いています。記録し始めた昨年7月から、30日移動平均が75から80の間で上下していましたが、今年6月から80超えで安定し、現在82超えとなっています。ですから免疫力には少々自信があったのですが、7月に帯状疱疹になってしまいました。年金生活者にとって、健康維持は大切なお仕事、お務めのようなものですが、いろいろ努力しても歳には勝てない、ということなのかもしれません。

No.197:帯状疱疹になりました (2023年06月30日)

 痛みが一日中治まらず、夜眠れずに痛み止めを飲みました。原因は帯状疱疹だったのですが、痛み出してから1週間ほど経って首に発疹が出て初めて分かったのです。眠れないほどの痛みは数日でしたが、一日中の痛みは3週間ほど続き、その後も若干の痛みが1週間ほど続きました。

No.193:睡眠スコアその後 (2023年02月28日)

 今月、スマートウォッチの睡眠スコアが63になった日がありました。89~80が「(睡眠の質が)良い」で、79~60は「やや低い」、59~は「低い」なので、「低い」に近いスコアです。気のせいかもしれませんが、スコアが高いと体調が良いし、低いと寝不足感があります。

No.187:睡眠スコア (2022年08月31日)

 睡眠の質が「良い」の睡眠スコア80を越える日が増えました。睡眠スコアはスマートウォッチを着けて寝ることで測定します。今月前半2週間では、80を超えたのが2日、平均74.6でした。それが、後半2週間では80越えが6日あり、平均80.3と、平均で5.7ポイント上がりました。前半2週間は暑さのため昼間のウォーキングをやめており、後半2週間は、ジムマシンでの屋内昼間ウォーキングを始めています。運動量の違いが、睡眠の質の違いになった、ということだと思います。

No.183:帝国ホテル特製フレンチトースト (2022年04月30日)

 京都、横浜、シカゴ、銀座など、「おしゃれ」を連想させる地域が勤務地でした。そして今、内幸町の帝国ホテル東京となり、「高級」という響きが加わりました。おしゃれや高級とは最も縁遠い私が、そんなところで働くなんて、不思議なめぐり合わせです。最近暑くなってきて、半そでTシャツでの出勤、そんな恰好だと帝国ホテルに入れてもらえないわよ、と妻に言われながら出かけます。

No.182:マンションの売却 (2022年03月31日)

 貸していたマンションを売却しました。入院中の長兄が自宅を売ろうとしたのですが、そのうち物事の判断ができなくなり、売るに売れない状況になりました。家が売れたのは長兄が亡くなってからです。そんなことがあって、80歳までには売却しておきたいと考えていました。

No.181:勤務先は帝国ホテル (2022年02月28日)

 事務所のボスが事務所兼自宅を売却して新しいマンションを購入しました。マンション完成まで2年弱あるので、それまでを帝国ホテル東京で過ごすと決め、昨年の12月からホテルに住んでいます。このため、私の勤務先が帝国ホテルとなり、それまで歩いていた自宅から新宿が、自宅から内幸町となりました。


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