暮し

No.008:仕事がない

 仕事が閑散期に入って暇となり、読書の時間が増えました。繁忙期になれば少しは忙しい生活にもどるので、いまは仕事が完全になくなる将来の疑似体験期間といえそうです。だらだらした張りのない生活を想像していましたが、そうでもなさそうです。

 「のんびり」はしていますが、「だらだら」はしていません。読書とウォーキングで一応はやりたいことがあるからでしょうか。「張りのなさ」はある程度あるようです。何しろ膨大な時間をかけてきた仕事がなくなってしまうのですから。予想外だったのは気持ちの変化です。普段であれば見逃してしまうような小さな変化なのですが、疑似体験中の身としては気になります。それは散歩で出会う人々への印象の変化で気付きました。

親子
同じ風景が違う印象に

 道路工事で汗まみれで働いている人をみると、ろくに働いていない負い目からか、「ご苦労様です」の気持ちが自然と湧いてきます。いままでは、こんなところで工事なんかするなよ、ぐらいに思っていたのに。不自由な身体を引きずるように休みながら歩くお年寄りをみると、明日はわが身と身近に感じるのか、懸命さに心打たれます。「お婆さん、じゃまだよ」ぐらいに思ったときもあったのに。散歩している同年代とおぼしき男性をみると、競争心からか、俺はあんたより歩いているとおもうよ、と心のなかで意味のない虚勢をはったりします。いままではさして気にもとめなかったのに。気弱にもなっているのか、タバコの煙をまき散らしながら歩いている男性への怒りは以前よりも弱まり、楽しそうに話しながら手をつないで歩いている小さい子とお母さんへのほほえましい気持ちに、ああいう子供時代が自分にもあったんだとの感傷的な気持ちが入り込むようになりました。

 全体的に気持ちが萎えているような気がします。仕事を失うということはそういことなのでしょうか。長い間かけて積み重ねてきた仕事の代わりはありません。別の仕事では代わりにはならないでしょう。ましてや、読書やウォーキングといった私の軟弱な趣味ではとても代わりになりそうもありません。でも、仕事に限らず何でも、失ったものの代わりなどない場合がほとんどでしょう。代替のない大切なものをいくつか失いながらもこの歳まで無事に暮してきたのですから、時間がたてばこの萎えを超えて十分な気力がよみがえってくるはずだ、と楽観的に考えてはいるものの、自立してからの仕事無しの暮らしは初めてなので気になっています。まあ、じたばたしてもしかたなく、しばらくはこののんびりした暮らしを楽しんでいればいいのかもしれません。取り戻せない、大きなものを失ったときは「時が薬」ともいいますから。

の記事

No.203:人生の転機となった学校 (2023年12月31日)

 「授業中もぼんやりしていることが多い」とか、「教科書を忘れて来る」、「えんぴつも持たずに登校する」とかを小学校の通信簿連絡欄に書かれていた私ですが、中学に入ってからは少しまともになりました。

No.198:睡眠は改善したものの・・・ (2023年07月31日)

 スマートウォッチによる睡眠の質が「良し」となる「睡眠スコア80以上」の日が続いています。記録し始めた昨年7月から、30日移動平均が75から80の間で上下していましたが、今年6月から80超えで安定し、現在82超えとなっています。ですから免疫力には少々自信があったのですが、7月に帯状疱疹になってしまいました。年金生活者にとって、健康維持は大切なお仕事、お務めのようなものですが、いろいろ努力しても歳には勝てない、ということなのかもしれません。

No.197:帯状疱疹になりました (2023年06月30日)

 痛みが一日中治まらず、夜眠れずに痛み止めを飲みました。原因は帯状疱疹だったのですが、痛み出してから1週間ほど経って首に発疹が出て初めて分かったのです。眠れないほどの痛みは数日でしたが、一日中の痛みは3週間ほど続き、その後も若干の痛みが1週間ほど続きました。

No.193:睡眠スコアその後 (2023年02月28日)

 今月、スマートウォッチの睡眠スコアが63になった日がありました。89~80が「(睡眠の質が)良い」で、79~60は「やや低い」、59~は「低い」なので、「低い」に近いスコアです。気のせいかもしれませんが、スコアが高いと体調が良いし、低いと寝不足感があります。

No.187:睡眠スコア (2022年08月31日)

 睡眠の質が「良い」の睡眠スコア80を越える日が増えました。睡眠スコアはスマートウォッチを着けて寝ることで測定します。今月前半2週間では、80を超えたのが2日、平均74.6でした。それが、後半2週間では80越えが6日あり、平均80.3と、平均で5.7ポイント上がりました。前半2週間は暑さのため昼間のウォーキングをやめており、後半2週間は、ジムマシンでの屋内昼間ウォーキングを始めています。運動量の違いが、睡眠の質の違いになった、ということだと思います。

No.183:帝国ホテル特製フレンチトースト (2022年04月30日)

 京都、横浜、シカゴ、銀座など、「おしゃれ」を連想させる地域が勤務地でした。そして今、内幸町の帝国ホテル東京となり、「高級」という響きが加わりました。おしゃれや高級とは最も縁遠い私が、そんなところで働くなんて、不思議なめぐり合わせです。最近暑くなってきて、半そでTシャツでの出勤、そんな恰好だと帝国ホテルに入れてもらえないわよ、と妻に言われながら出かけます。

No.182:マンションの売却 (2022年03月31日)

 貸していたマンションを売却しました。入院中の長兄が自宅を売ろうとしたのですが、そのうち物事の判断ができなくなり、売るに売れない状況になりました。家が売れたのは長兄が亡くなってからです。そんなことがあって、80歳までには売却しておきたいと考えていました。

No.181:勤務先は帝国ホテル (2022年02月28日)

 事務所のボスが事務所兼自宅を売却して新しいマンションを購入しました。マンション完成まで2年弱あるので、それまでを帝国ホテル東京で過ごすと決め、昨年の12月からホテルに住んでいます。このため、私の勤務先が帝国ホテルとなり、それまで歩いていた自宅から新宿が、自宅から内幸町となりました。

No.175:囲碁三昧の日々 (2021年08月31日)

 「何で(事務所に)来ないの!!」と事務所のボスに責められぎみです。事務所への往きは歩きなので、感染の危険は渋谷スクランブル交差点付近ぐらいですが、帰りは電車なので、小さいとはいえ感染リスクがあります。感染力の強いデルタ株で感染が爆発しており、どこに感染者がいるか分かりません。それに、感染したら自宅療養、という切迫した医療状況なので、避けることができるリスクは避けるべきでしょう。

No.174:月を眺めるひととき (2021年07月31日)

よく出会う80代と思われるお二人、ご夫婦に違いなく、女性は杖代わりのように男性の腕をつかんでゆっくりゆっくり歩いています。お二人に出会うのは夕食後の妻との散歩のとき、我々の10年後を想像してしまいます。どちらかを杖代わりにして散歩しているでしょうか。お二人の歩きはおそらく健康のためでしょう、敬意をもって見つめています。


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