店頭のメニュー板にある「うまい五平餅」のとおり、美味しい五平餅でした。中山道・奈良井宿「かなめや」さん、宿場町の見物中に出会った地元の中年女性が勧めてくれた店です。築140年以上とのこと、テーブルにもなる幅広木枠の囲炉裏、むき出しの黒く太い梁、貫禄ある古民家でした。
勧めてくれた女性は気さくで話し好きの方、店のご主人によると、「奈良井宿の宣伝部長」だそうです。でも、このご主人が更に話し好き、いただいたコーヒーや五平餅へのこだわり、町の自慢などを楽しく聴くことができました。ゆったりとした時間、江戸時代の旅人も似たような体験をしていたのかもしれません。奈良井宿で4時間以上過ごし、その日に立ち寄る予定だった平山郁夫シルクロード美術館の入館時間を過ぎてしまい、翌日45キロほど戻っての美術館訪問となりました。
友人夫妻との4人旅、日帰りも含めると年数回一緒に出掛けていましたが、今年は初めて、1年ぶりです。友人も参加していたZoom飲み会で、GoToで何ヵ所か旅行して、えらく得した、と聞いて刺激されたのか、終了後すぐに電話があり、旅行に行こう、ということになりました。
車での旅で、1日目は中山道・馬籠宿、妻籠宿を観光して、近くの昼神温泉泊、2日目は奈良井宿を観光して帰路途中の石和(いさわ)温泉泊、3日目に平山郁夫シルクロード美術館を訪れてから帰宅、となりました。宿場町では江戸情緒ある町並みを楽しみ、地元の人々や名物との出会いがありました。美術館では、平山郁夫氏の大作を前に、これだけの絵を描き上げる熱意と根気に圧倒される思いがしました。旅はいいものです、一緒にいて楽しい仲間がいればなおさらです。
1日目の昼神温泉で参加した「日本一の星空」ツアーは、山頂に向かうゴンドラから見える星空に、これからの期待が膨らみ、山頂では、周辺のライトが一斉に消えたとたんに現れる満天の星空に感動する、という仕組みでした。このツアーで日本一地味だった山奥の村に人が殺到するようになり、「村おこしの成功事例」となっているそうです。友人の奥さんが、いつかオーロラも見てみたい、と洩らしていました。憧れのオーロラを思い起こすような、なかなか見ることができない、美しい天体ショーでした。
コロナ禍で各自の活動が必要不可欠なものに制限され、もっと活動したくて、もっと会って話をしたくて、みんながうずうずしている、GoToでの各地の賑わいはそんなことの証のような気がします。「GoToはお得」ということだけではないでしょう。中山道の旅から帰ってきた後、急激な感染拡大で緊迫度が増しています。微妙なタイミングでの旅でした。思い切って出かけて良かった、と思っています。