事務所のボスが事務所兼自宅を売却して新しいマンションを購入しました。マンション完成まで2年弱あるので、それまでを帝国ホテル東京で過ごすと決め、昨年の12月からホテルに住んでいます。このため、私の勤務先が帝国ホテルとなり、それまで歩いていた自宅から新宿が、自宅から内幸町となりました。
歩く距離はあまり変わらないのですが、今までよりも交通量が多く、信号待ちが多くて、時間は少しかかるようになりました。それに排気ガスも気になっています。ただ、3カ月ほど通勤して、最近はだいぶ慣れ、できるだけ、交通量の少ない、排気ガスの少ない道を歩くようにしています。
ホテル内は快適で、ホテルスタッフの対応も申し分なく、エレベーターを降りると、私を見て、フロアー担当のコンシェルジュ、和服の若い女性、がセキュリティゲートを開けてくれたり、何かあるとすぐに部屋まで来てくれます。部屋には飲み物やスナックが常に補充されており、ボスは水以外手を着けませんが、私としてはありがたいことです。私が行った後は補充が必要となる、とスタッフは気付いていることでしょう。
でも、エレベータに乗るときにドアが閉まるまでお辞儀をして見送ってくれたり、ホテルのエントランスとエレベータ間の広いロビーに点々と立っている数人のスタッフから、いちいちお辞儀をされ、丁寧すぎて返って居心地の悪い思いもします。分不相応で、なかなか慣れません。
印刷物は、ビジネスラウンジにメールで依頼するとベルマンが部屋まで届けてくれます。至れり尽くせりですが、人にやってもらうのに慣れていないので、自分でビジネスラウンジに出向いて、パソコンを借りて印刷しています。でも高級ホテル住いに慣れているボスは、そんな至れり尽くせりが快適なようです。
部屋は毎日清掃してくれるし、洗濯物はドアに吊るしておけばクリーニングして戻ってくるし、朝食兼昼食は部屋に運ばれます。夕食はホテルにあるお気に入りのレストランでいただくことが多いようです。全てが快適だが、請求書が唯一のネック、と本人は言っています。いったいいくらかかるのか、月200万円は優に超えるのでしょうが、それがボスのお金の使い方です。たとえお金があったとしても、なかなかできることではありません。
おかげで、私もそのお裾分けにあずかっています。ボスのおかげで、知らなかった世界をいくつも垣間見てきました。今回もその一つ、勉強になります。まあ、私にはあまり役立たない勉強ですが。