「この中で、誰が一番早く(10万円の特別給付金を)受け取るか、楽しみだ」、行政の効率の悪さ、IT化の遅れをみんなで嘆いていたときの一言です。会社仲間とのオンライン飲み会でのこと。毎週金曜日、夜6時から10時頃までの4時間ほど、いろいろな話題が上がります。緊急事態宣言が発せられた4月7日の週から始めて、先週の金曜日6月19日で11回目、合計44時間ほどになりますが、話しは尽きません。
結局、一番に受け取ったのは冒頭の発言者でした。「模範市民から優先して渡しているんだ」との自慢に、まだもらっていないみんなからは、「いや、金に困っている人から振込んでいるんだろう」との突っ込みがありました。会社の同期が中心の、入社以来テニスやスキーを一緒に楽しんだ遊び仲間で、家族ぐるみの付き合いです。若いころから気心が知れているので、話題が何であれ盛り上がります。
4月17日に奈良で宴を催す予定でしたが、コロナ禍で中止となりました。同期が還暦を過ぎた2007年から毎年続いていて、今年が14回目のはずでした。リアル宴の代わりともいえるオンライン飲み会、関西在住と関東在住が半々で、ほぼ全員の10人ほどが参加しています。
ハーバード大学が、調査対象となった人々を75年以上継続して追跡調査し、「何が人を幸福で健康にするのか」を追求した結果、それは「富でも名声でも無我夢中で働く事でもなく、『良い人間関係』に尽きる」ということでした。そんな学術的で高尚な話題から、給付金がいつもらえるか、といったタイムリーな話題まで、さまざまな話題が飛び交います。
とりとめのない四方山話のなかで、自分の不安、不満、疑問、自慢、喜びなどを遠慮なくぶつけることができる仲間です。こんな時期だからこそ、このような仲間との時間が貴重なのかもしれません。巣ごもりでのストレスを大いに緩和してくれていることでしょう。
巣ごもり生活での「新日常」となりつつあるオンライン飲み会、巣ごもりから解放されるにつれて開催頻度は少なくなり、やがてリアル飲み会となるのでしょうが、いったいいつになることか。早くその日が来ることを願うばかりです。
(これは会社OB会ホームページに寄稿したものです。)