暮し

No.121:運転免許返納

 「運転免許を返納した」と、新たに交付された運転経歴証明書なるものを見せてくれました。大学同期の友人です。便利だが一歩間違うと凶器にもなる自動車、高齢者の運転による事故が社会問題となっているなか、道義心の強い彼らしい決断です。普段走っている道路で間違った道に入った、と決断に至ったひとつのきっかけを話してくれました。その程度のことで、と思えないこともないのですが、そこが彼らしい潔さです。

 かく言う私も返納しました。道義心、といった高尚な気持ちのかけらもなく、単に、更新時の視力検査に自信がなかったのです。免許更新時期になったので新しいメガネを作ろうとメガネ屋さんに行くと、度のかなり強いレンズでも運転視力がでませんでした。これ以上強いレンズだと医者の診断書が必要です、と言われました。数日後、目の調子が良さそうなときに別の店に行きましたが、同じ答えでした。そこで、メガネを作るのをあきらめたのです。

 ここ数年、近視が進んでいるのを感じてはいましたが、これほどまでになっていたとは。日常生活にはあまり支障ないのでさほど気にしていませんでした。悪化ぶりを目の前に突き付けられた思いです。元気に過ごしていても、静かに、でも確実に老いが進んでいます。

 版画家の棟方志功さんは極端な近視で、メガネが板に付くほど顔を近づけて板画を彫ったそうです。制作過程をテレビで見たことがありますが、女性モデルの肌に触れんばかりに顔を近づけていた姿が印象に残っています。制作のためであれば人目もはばからない、目が悪くても自分の目でしっかり確認して描く、そんな気迫に圧倒され、湧き上がるような強い制作意欲を感じました。身体の一部機能が衰えたたときに、どのように暮らすか、で大切なことは、強い目的意識なのかもしれません。私が尊敬する三浦敬三さんも、スキーで滑る、という強い目的意識をもって、100歳近くなっても毎日のトレーニングを欠かしませんでした。先人の生き方や知恵に学びながら、老いへの道を元気に歩んでいきたいものです。


シカゴ赴任後初めての遠出でミルウォーキーへ。130km、1時間半ほどだが慎重を期して1泊した。<写真へのクリックで拡大できます>

 アメリカ赴任を機に取得した運転免許、47歳、23年前でした。歳でもあり、赴任までの期間も短かったため、いくつかの教習所に「無理です」と断られたことや、取得後最初の運転となった赴任先のシカゴで、1台分空いていたところへの駐車がどうしてもできず、同僚に頼んだこと、などを懐かしく思い出しました。アメリカでは、歩いているのはアライグマぐらい、という広くて安全な道を、3500ccの快適な加速、快適な乗り心地の車で、3年半の駐在中、実にいろいろなところに出かけました。日本では一度も運転していません。先日、免許証返納によって発行された運転経歴証明書を受けとりました。免許証そっくりなのですが、「自動車等の運転はできません」と赤字で書いてあります。少し寂しい思いもしています。

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No.214:80歳の壁 (2024年11月30日)

 会社仲間の集い、あわら温泉での宴の翌日、車3台で観光に出かけました。一緒に宿を出たのですが、内1台が集合場所に現れません。電話で、「どこにいるの?」と尋ねると、「第1駐車場」との答、ここの駐車場は1つ、第1も、第2もありません。結局、「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」集合を「一乗谷朝倉氏遺跡」集合と思い込んでいたようです。事前に決めた行程が狂い、「行程表を見ていない」と、幹事は少々お怒りでした。

No.207:睡眠スコアその後のその後 (2024年04月30日)

 大谷翔平さんは睡眠を大切にしていて、遠征に寝具を持ち込んだり、日々の睡眠データを計測しているそうです。超ビッグな大谷さんを引き合いに出すのはおこがましいのですが、私も睡眠データを計測しています。私のデータは、睡眠の質を示すスマートウォッチの睡眠スコアです。それが、30日移動平均で、昨年7月28日の、100点満点中83をピークに、どんどん低下し、今年3月19日には70にまで下がってしまいました。

No.203:人生の転機となった学校 (2023年12月31日)

 「授業中もぼんやりしていることが多い」とか、「教科書を忘れて来る」、「えんぴつも持たずに登校する」とかを小学校の通信簿連絡欄に書かれていた私ですが、中学に入ってからは少しまともになりました。

No.198:睡眠は改善したものの・・・ (2023年07月31日)

 スマートウォッチによる睡眠の質が「良し」となる「睡眠スコア80以上」の日が続いています。記録し始めた昨年7月から、30日移動平均が75から80の間で上下していましたが、今年6月から80超えで安定し、現在82超えとなっています。ですから免疫力には少々自信があったのですが、7月に帯状疱疹になってしまいました。年金生活者にとって、健康維持は大切なお仕事、お務めのようなものですが、いろいろ努力しても歳には勝てない、ということなのかもしれません。

No.197:帯状疱疹になりました (2023年06月30日)

 痛みが一日中治まらず、夜眠れずに痛み止めを飲みました。原因は帯状疱疹だったのですが、痛み出してから1週間ほど経って首に発疹が出て初めて分かったのです。眠れないほどの痛みは数日でしたが、一日中の痛みは3週間ほど続き、その後も若干の痛みが1週間ほど続きました。

No.193:睡眠スコアその後 (2023年02月28日)

 今月、スマートウォッチの睡眠スコアが63になった日がありました。89~80が「(睡眠の質が)良い」で、79~60は「やや低い」、59~は「低い」なので、「低い」に近いスコアです。気のせいかもしれませんが、スコアが高いと体調が良いし、低いと寝不足感があります。

No.187:睡眠スコア (2022年08月31日)

 睡眠の質が「良い」の睡眠スコア80を越える日が増えました。睡眠スコアはスマートウォッチを着けて寝ることで測定します。今月前半2週間では、80を超えたのが2日、平均74.6でした。それが、後半2週間では80越えが6日あり、平均80.3と、平均で5.7ポイント上がりました。前半2週間は暑さのため昼間のウォーキングをやめており、後半2週間は、ジムマシンでの屋内昼間ウォーキングを始めています。運動量の違いが、睡眠の質の違いになった、ということだと思います。

No.183:帝国ホテル特製フレンチトースト (2022年04月30日)

 京都、横浜、シカゴ、銀座など、「おしゃれ」を連想させる地域が勤務地でした。そして今、内幸町の帝国ホテル東京となり、「高級」という響きが加わりました。おしゃれや高級とは最も縁遠い私が、そんなところで働くなんて、不思議なめぐり合わせです。最近暑くなってきて、半そでTシャツでの出勤、そんな恰好だと帝国ホテルに入れてもらえないわよ、と妻に言われながら出かけます。

No.182:マンションの売却 (2022年03月31日)

 貸していたマンションを売却しました。入院中の長兄が自宅を売ろうとしたのですが、そのうち物事の判断ができなくなり、売るに売れない状況になりました。家が売れたのは長兄が亡くなってからです。そんなことがあって、80歳までには売却しておきたいと考えていました。

No.181:勤務先は帝国ホテル (2022年02月28日)

 事務所のボスが事務所兼自宅を売却して新しいマンションを購入しました。マンション完成まで2年弱あるので、それまでを帝国ホテル東京で過ごすと決め、昨年の12月からホテルに住んでいます。このため、私の勤務先が帝国ホテルとなり、それまで歩いていた自宅から新宿が、自宅から内幸町となりました。


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