先月の自転車との正面衝突事故、今月その現場検証に立ち会い、そこで自転車の危険性を改めて認識しました。周囲に明りが全くない暗闇での事故、自転車が私に気付いてブレーキをかけたのは衝突位置のほんの数メートル先でした。しかもそのブレーキ痕は、私を避けるのではなく、私に向かってきていたのです。
自転車は誰でも運転できる、ということは、どんな人が運転しているか分からない、という危険性があるということ。100メートル以上先から真っ直ぐな見通しの良い道路で、私の持っていたライトの明るさであれば60メートル以上先から認識出来たにもかかわらず直前まで気付かず、しかも気が動転したのか、わざわざぶつかってくる、そんな人でも運転しているということです。
かなりの速度が出せる割にはライトが弱いのも危険性を高めています。下り坂をマウンテンバイクで走ってきたので時速20キロ以上は出ていたはずで、夜間であれば原付バイク並のライトが必要なのです。ところが、自転車のライトで認識できる歩行者はせいぜい30メートル先、つまり歩行者を認識したとしても、そこまで数秒しかありません。
現場検証のために川崎の自宅を出たのが午後1時ごろ、沼津で途中下車してお寿司を食べてから富士宮へ、警察署に着いたのは午後5時少し前でした。署に入ると、まず目についたのが「夜間歩くときは反射グッズを身に着けよう」という説明イラスト付の大きな掲示板、暗くて危険なところが多い地域なのです。これを事前に見ていたら、と悔やまれます。夜でかつ揺れると点滅するLEDランプ(スイングフラッシュ「かっ照君」)を交通課で販売していると書いてあったので、早速購入しました。
事故現場へは車で30分ほど、警察車両で移動です。途中、この警察車両を追い越そうとして、速度オーバーしてますよ、と注意される車が数台ありました。怖いもの知らずというか、ちょっとびっくりです。5時半ごろに現場到着、相手は両親と共に乗用車内ですでに待機しており、すぐに現場検証が始まりました。
私は、道路脇の草地にリュックを背に仰向けで倒れたそうです。草を踏んでみると柔らかくふわふわしています。もしコンクリート上だったら頭を更に強く打っていたことでしょう。相手は、足をペダルに固定しているため、自転車と一緒に倒れ、ほほ骨にひびが入り、アゴがずれ、前歯が折れるという、かなりの怪我を負っています。もうこのような道をこのような時間には二度と走らないでほしいと願うばかりです。私はもう決して歩きません。
21歳の男性で、25キロほど先の富士急ハイランドからの帰りだったとのこと、気の弱そうな、口数の少ない若者で、高校を卒業して働いているそうです。加害者として書類送検されますが、検察庁の判断となるものの、裁判となり前科者となる可能性が高い、という警察からの説明でした。過失度合が大きいということなのでしょうが、実に後味の悪い結果です。
現場検証が終了したのは午後7時ごろ、帰りも警察車両で送っていただきました。駅までお願いできますか、とのお願いに、何時の電車ですか、と気さくに応えていただき、まるでタクシー代わりのようで、恐縮しています。
帰宅したのは夜10時半ごろ、妻がニコニコしながら、「しっかりお灸をすえてもらった?」と期待を込めて尋ねてきました。とんでもありません、ほとんど落ち度のない被害者として丁寧に扱ってもらって帰ってきたわけで、気になっていた手持ちランプの暗さも、遠くから十分に認識できる明るさだったことが分かりました。まあ、歩くべきではないところを歩いた、という反省はあるものの、法律的には何の問題もありません。攻め手を失ったのか、交通課で購入したLED、私のは無いの、と責められ、これには少々困惑しました。まあこれからは心配をかけないように、ゆとりを持った日程で歩くようにしたいとは考えています。