料理らしい料理は小学生のとき授業でカレーライスを作って以来です。男の料理教室、4人が1組となり簡単料理を勉強します。先生の説明、実演が終わると、私以外の3人は材料や包丁を手にテキパキと下ごしらえを始めました。
後で分かったのですが、3人ともベテランなのです。このままでは勉強にならない、と一瞬焦る私に、大根を剥いてください、と一人が言ってくれました。これでやっと仲間入りできた思い、ぎこちない手つきで大根の皮を剥いていると、じょうずですね、と嬉しい言葉、以後、自分でやれそうなことを見つけては作業し、料理を楽しく勉強できました。
メインメニューは「大根と鶏団子のあっさりスープ煮」、とても美味しくできて、といってもベテラン3人のおかげですが、同時に作った「大根と人参のきんぴら」「昆布茶を使った浅漬」「生姜とちりめんじゃこの炊き込みご飯」などで、4人で和気あいあいと楽しくいただき、満足な初料理教室となりました。主催は「エリアマネジメント」という、私が住む地域のコミュニティ活動の核となっているNPO法人で、参加者は16名、ほとんどが定年退職した人たちでした。私のグループは全員が退職組、1人は81歳で一人暮らし、8年前に奥様を亡くされてから自炊生活、3度3度の食事をちゃんと作っていて、買物などで毎日外出している、とてもお元気で、見た目も動作も齢よりもずっと若々しい方です。あと2人は私と同じぐらいの年代で、1人は、家族全員の食事やお弁当を毎日作っている、もう1人は、1年間のミラノ単身赴任のときに自炊をして料理を覚えた、とみなさんベテランでした。
食事後はアルコールが入っての懇親会、81歳の男性に、奥様が亡くなられてお一人住まいはお寂しいでしょう、と話しかけると、8年も前だし、それに3度3度の食事を作って食べるのが結構大変で、寂しいなどとは言ってられません、とのことでした。良い食材を求めて近所の商店街をぶらぶらしている、とのこと、こうしてやることがあるから元気なのだ、と再確認しています。そんな人たちと知り合い、刺激を受ける、「男の料理教室」もいいものです。
この教室は、ポストに入ってきたチラシで知り、申込みました。久しぶりに会った大学時代の友人から、仕事を辞めてからは家族全員の食事を作っている、と聞いたばかりだったので受講する気になったのです。妻は「みんなの足手まといにならないように」と少し心配気味、事務所のボスは何故か大喜び、事務所では作ってくれる昼食を食べるだけで、料理はできないし皿洗いはやらないので、これが少しは改善されるかもしれない、という期待からかもしれません。妻の見解は「あなたの失敗談を期待してるんじゃないの」というもの、それもうなずけます、自分でも不器用だと思っているので。
料理教室の翌日、家で復習、全部を自分でやってみました。ほとんどの材料はすでにあるので、買物は鶏の挽肉だけ、妻お勧めのスーパーではすでに売り切れ、別のスーパーでなんとか買うことができました。午後4時前だったのですが、前日が45年ぶりの大雪で、買物ができなかった人たちが、晴れたこの日に買いあさったからでしょうか。スーパー5店舗が200m範囲内にある自宅はやはり便利です。4時15分から料理をスタートし、5時半ごろ終了、何事もなく順調でした。というのも、妻がいろいろとアドバイスしてくれて、やはりベテランは違います。反省点はいろいろとあるものの、まあまあ美味しくいただきました。
料理教室の翌週、東京でまた大雪となった日に毎年恒例となったガーラ湯沢日帰りスキーに出かけました。スキー場も当然雪でしたが、さほどの雪ではなく、風もないのでまあまあのコンディションです。午後から3時間、トイレ休憩もなしでみっちり滑りました。毎年一緒に行く大学同期の2人は休憩しながら楽しむスキーで、今年は2kmの下山コースではなくリフトで降りる、とやや疲れ気味でした。いつものように、温泉で体を休めて、新幹線で冷えたビールを楽しみながら3人で帰っています。
ところがこの日、大雪で交通機関が乱れ、自宅最寄駅到着は3人とも遅れた上に、友人2人は駅からの歩きとなりました。1人は雪の中を4kmほど歩くこととなったのです。駅に直結したマンションに住む私は、幸い雪道を歩くことなく帰宅できました。しかも、雪で横須賀線が止まってしまいましたが、東急線で迂回して自宅へ、なにしろ13路線も利用できる駅なのでこんなときも便利です。今月は、我がマンションの便利さを何かと実感することとなりました。