今月初めにカニ漁が解禁され、しかも今年は豊漁とのこと、カニへの期待を膨らませて金沢に3泊した旅でした。ズワイガニを目の前で茹でてくれる居酒屋でいただきましたが、期待が大きすぎたためか、少し物足りなさを感じました。カニといえばカニカマ、という普段の生活がしみついているのかもしれません。でも、お寿司屋さんでは、のどくろやガスエビといった北陸の美味しさに大満足、同じ店に2日出かけ、「たくさん食べていただきありがとうございます」とお礼を言われました。美味しいお寿司をたくさん頂きました。
初日は福井まで足を延ばして永平寺へ。55年前に訪れたとき大きなすりこぎがあり、「身を削り、人に尽くさん すりこぎの その味知れる 人ぞ尊し」とありました。大学時代、部の合宿後に数人で北陸を旅行したときのことです。そのとき、一人がすりこぎ羊羹を買った、とのこと、この歌に感銘を受けてのことでしょう。いまはすりこぎだけで、歌の書はありませんが、みんなと旅行した若いときの楽しかった気分を思い起こすことができました。
2日目は金沢からバスで白川郷へ、バスは満席でしたが、日本人はおそらく私たち夫婦だけだったと思います。さすが世界に誇る白川郷です。合掌造りは、ワラナワとマンクサの若木を叩いて柔らかくしたネソで木を結び付けて組み立てています。釘やカスガイは一切使っていません。それがよく分かるのが屋根裏、自然の草木だけで、これだけ大きな建造物を作り上げた先人の知恵と工夫を見ることができます。
3日目は金沢から高岡、そこから氷見線で雨晴海岸に行きました。抜けるような青空のもと、富山湾越しに浮かぶように立山連峰がありました。世界でも珍しい景観だそうです。海の青、山の青、空の青、の様々な青の中に、山の峰々を薄く被った白い雪が横一線に連なる様は確かに見応えがありました。一見の価値ありです。晴れていればですが。
その夜、金沢で唯一の観光となった「チームラボ金沢城光の祭」に行きました。チームラボの技術を駆使して、城内の石垣や木々を光や映像で彩り、揺らすと色が変わる卵形オブジェが広場一杯に並び、城全体を幻想的で美しい空間にしています。2ヶ月に及ぶ開催の終了4日前で、たまたま見ることができて幸運でした。
4日目は糸魚川の妻の実家に立ち寄り、90歳になるお母さんにご挨拶してから帰宅しました。天候に恵まれたよい旅となりました。