貸していたマンションを売却しました。入院中の長兄が自宅を売ろうとしたのですが、そのうち物事の判断ができなくなり、売るに売れない状況になりました。家が売れたのは長兄が亡くなってからです。そんなことがあって、80歳までには売却しておきたいと考えていました。
この3月で賃貸契約の更新となるのを機に、借主さんに「売却したいので次は更新無しの契約に変更したい」と昨年お願いしました。「現在の2年契約を4年契約とかにして、その間に次の家を探していただければ」と。ところが、今年になって、「購入したい」と借主さんが言ってきたのです。「交通の便が良く、家族の生活も根付いているので移りたくない」と、売買契約後に話してくれました。
ここ10年ほどで中古マンション価格が高騰していて、22年前に新築で購入した価格よりも高く買っていただきました。中古マンションは年々老朽化して価格が下がるだけ、と考えていた私にとっては予想外です。これにより、売買益を得ただけでなく、いままで、一銭もかからずに自分が住めたことになり、さらに、貸して家賃をいただいたりしていたことになります。
このまま所有していればもっと儲かるのかもしれませんが、老朽化とともに修繕維持費が増え、借手や買手もなかなか見つからなくなり、資産ではなく負債となってしまう可能性もあります。儲けているうちに売却するのが得策でしょう。家賃収入は主に海外旅行に使ってきましたが、今回の収入で、これからもまだまだ海外旅行が楽しめます。健康であれば、ですが。
買主は57歳、数千万円の住宅ローンを組みます。月々の返済は今の家賃より少し少なくて済むものの、私の歳+4歳となる79歳まで続くこととなり、高齢になっての返済は大変そうです。今回のマンションを私が買ったのは53歳、借金はしませんでした。人それぞれですが、私は比較的手堅く暮らしてこれたのだ、とあらためて思います。
引渡しは来月中旬、今は、家を手放す寂しさと、大きな荷物を下ろす安堵の思いでいます。