体重が3キロほど減りました。率でいうと4.6%減、6月ごろから減り始め、ズボンがかなりゆるくなっています。最も増えたアメリカ生活での体重と比べると13キロ、17%減で、今や20代のころに戻った感があります。まあ、体重だけですが。
6年以上前から続けているウォーキングで徐々に減ってきた体重もここ1年間はあまり変化しませんでした。それがわずか数カ月で3キロ減、食事のときによく噛むようになってからのことです。よく噛むと痩せる、ということを実感しています。歳の近い4人兄弟で育ち、激しい競争の中、早く食べないとなくなる、と身に着いた早食い、サラリーマン時代は時間に追われての早食い、それを還暦を過ぎてからやっと改善したことになります。
きっかけは、胃が荒れている、と健康診断で毎年言われるようになったことです。そこで、わたしなりに考えた対策が、「よく噛む」でした。胃の負担も減って良くなるだろう、と。それに、競争もなく、時間もあるいまはゆっくり食べることができるはず、と。しかし、そのような理屈や条件だけでは長年の習慣を変えられなかったかもしれません。大きな力となったのは、「食べることの大切さ」を実体験で感じたことでした。
1年ほど前から仕事で通っている事務所での体験です。家庭的な雰囲気の個人事務所、お昼はそこで料理してみんなでいただきます。本格的な台湾料理のできる火力の強いガスコンロ、厳選された食材がそこで調理されます。食材にも、調理方法にもこだわり、できた料理を楽しい会話とともにゆっくり味わう、そんな贅沢なお昼です。食事は素早く済ますもの、だったわたしとしてはとても新鮮な体験で、「生きることは食べること」「食べる喜びは生きる喜び」といった感じを受けました。
次は何を食べるか、使う食材は、いまあるものは、いま旬のものは、いただきものは、と続く真剣な協議、そして当日、料理が始まると事務所中に広がる美味しそうな匂い、いただくときのゆったりとした楽しい時間、そういった体験から「食べることの大切さ」をあらためて感じるのです。食事には1時間弱かけます。早食いだったわたしはさっさと済ませてパソコンに向かっていたのですが、食事に時間をかけることに違和感がなくなったころ、「よく噛む」ことを思いつきました。ここでの体験がそれを思いつかせ、実行させ、続けさせていることは間違いありません。
当初、筋肉痛なのか顎が痛くなったり、食事時間配分にとまどったりしましたが、いまではすっかり定着し、「よく噛む」ことが当たり前になりつつあります。体重減の実績がそれをさらに後押ししています。定年後に勤め始めた、学ぶべきことが多い個人事務所、これもひとつの大きな成果です。