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Mさんのページ −多彩な趣味をもつ友人Mさんのページ−


自由研究 No.021-040


目次

No.040:イモムシ  No.039:栗  No.038:茗荷  No.037:カレドニアン運河  No.036:ゴーヤ  No.035:オクラ  No.034:梅干パワー  No.033:草取り戦争  No.032:スズメ蜂  No.031:浦和駅の切符  No.030:天体観測  No.029:コンパス  No.028:ホヤ  No.027:半田ゴテ(続編)  No.026:ツタンカーメンのエンドウ豆  No.025:ペンギン  No.024:クスノキ  No.023:エシャロット  No.022:電源ボックス  No.021:クンシラン

イモムシ

 黒のボディに黄色のライン、側面にはキリッとした目のような赤いエンブレム、後部の屋根にはピンと立ったアンテナ。 新型の超特急でも見ているようである。アンテナをユーモラスに前後に振りながらノソノソといかにも恥ずかしそうに草むらの中に消えて行った。 気になって昆虫図鑑を調べたら「スズメガ科・コスズメ亜科・セスジスズメ」の終齢幼虫らしい。蛹で越冬して5月頃に羽化する。 成虫は超音速ジェット機を連想させるスマートなデルタ翼を持つ。名前にイモが付くからといってイモ○○チャンと同格にしては失礼です。 高速で地上を走り、空を飛ぶ、ハイテク乗り物を提案してくれた“科学のイモ‥”ではなかった、“科学の子”なのです。 イモムシ君、そーでねーのげ?

芋虫の写真 いまはノソノソと歩いても、成虫になると超音速ジェット機を連想させるスマートなデルタ翼で飛ぶ。

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 25年ほど前に「丹沢」と呼ばれる品種の早生栗を8本ほど植えた。 樹勢も良くなりここ数年は豊作続きで40〜50Kgも収穫できる。 ヤブ蚊の集中攻撃を受けながらの栗拾いも大変だ。収穫してから数日間陰干しするのだがすぐにカビが生えてしまう。 専業農家では出荷する前に特別な薬品で燻蒸してカビを防止している。ただこれは劇薬なので一般家庭では取り扱えない。 それに燻蒸後の残留成分が本当に人体に無害なのかどうかも疑問である。冷凍保存すればいいのだが冷蔵庫のスペースも無い。 栗饅頭、栗羊羹、栗キントン、マロングラッセ、モンブラン、…、料理の世界では洋の東西を問わず上位にランキングされているというのに、 ウーン 困った。昨年は『 完全無農薬栽培!』(正確には『 無管理ホッチャレ栽培 』)とか言っていつもの仲間に一方的に送り付け、 強制的に秋の味覚を堪能していただいた。今年は…!

栗の写真 完全無農薬栽培の「栗」

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茗荷

 いつの頃からか塀のそばに茗荷が自生している。 学名 Zingiber mioga Rosc. 生姜科の多年草で繁殖力が強く雑草を排除しながら領地をぐんぐん拡大して来る。 毎年梅雨から初秋にかけて根茎から花穂がでて淡黄色の花を開く。 花穂は特有の強い香りと辛味があってソーメンや冷奴の薬味として、なによりも朝の味噌汁の具には最適、 夏ばての食欲増進にはもってこいの野菜である。取れたてに味噌をつけて丸かじりすればビールに良く合う。 最近もの忘れがひどくなったが茗荷の食べ過ぎかもしれない。「それは年のせいだろ!」茗荷の反論。

茗荷の写真 食欲増進にもってこいの茗荷

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カレドニアン運河

 スコットランド北部の地図を見ると北海側のインバネスと大西洋側のフォートウイリアムの間に一直線に谷が続いている。 グレートグレンと呼ばれるカレドニアン造山運動で生じた地溝帯である。谷にはネス湖をはじめ細長い湖がいくつも連なっている。 1700年代末にこれらの湖をつないで北海と大西洋を結ぶ約100Kmの大運河が造られた。大変な土木工事であったに違いない。 運河は現在も当時のまま保存されていて主にレジャーのヨットが北海と大西洋の往来に利用している。
 ネッシー伝説からネス湖周辺は深山幽谷のイメージだが意外と海に近い。北海沿岸のインバネスからネス湖までは十数Km、 海抜は僅か30mである。運河はネス川に沿って掘られ、6箇所に閘門が設置されている。 夏の休暇には多くの人達がヨットで海から運河をのぼり湖に入る。ネス湖西岸のフォートオーガスタスにはヨットハーバーがあり、 湖岸でバーベキューを楽しむ家族をよく見かける。ヨットはさらに谷間に連なるいくつかの湖を通り、 グレートブリテン最高峰のベンネビス( 1,343m )の雄姿を見ながら大西洋側のフォートウイリアムに抜ける。 優雅でなんとも羨ましい限りである。

地図 グレートグレンは大西洋(地図左)から北海側のインパネス(緑線で囲まれた部分)まで北東に続いている。
拡大地図 写真下中央がネス湖(インパネス周辺(上の写真の緑線に囲まれた部分)) 
運河 200年以上も使われている運河
運河 運河をのんびり進む

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ゴーヤ

 今年も家庭菜園にゴーヤを植えた。暑くなって急に元気良く柵に這い上がり、 さらにつかまるものはないかと空中を手探りしている。 太陽に向かって開いた葉っぱの面積を全部合わせると屋根のソーラパネルよりはるかに広そうだ。 ソーラパネルは毎日200リッターのタンクに80℃のお湯を満タンにしてくれる。 ゴーヤは葉っぱで受けた太陽エネルギーを下にぶらさがった実の中に蓄えているのだろう。 今夜も生ビールにゴーヤチャンプル。毎日ものすごい太陽エネルギーを食べている気分である。

ゴーヤの写真 太陽エネルギーを吸収して元気に実ったゴーヤ
ゴーヤの写真 太陽の恵みが食卓に

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オクラ

野菜の花とは思えない綺麗なオクラの花<画像を再生>

 温帯から熱帯で広く栽培されているアオイ科の1年草で原産地はアフリカ。 子供のころには食べた記憶がないから日本に入って来たのは最近のようだ。和名かなと思って広辞苑を見たら、 “陸蓮根”(オカレンコン)、英語の辞書には、“The green seed cases of the okra plant, eat as a vegetable.” とある。ナールホド!
 家庭菜園で6本ほど栽培している。野菜とは思えない綺麗な黄色の花が次々と咲き、 数日後には収穫できる。きざんで熱湯をさっとかけると独特のぬめりが出る。青紫蘇の葉をきざんで入れて醤油をかけ、 納豆のようにかき回して熱いご飯にかけて食べる。水攻め、アルコール攻めでヘトヘトになった胃腸にはもってこいの朝食である。

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梅干パワー

 樹齢は50年くらいだろうか、庭の片隅に梅の木が1本ある。冬から春にかけての気候のせいか気まぐれに沢山の実をつける。 2月に花がずいぶん咲いたなぁ と思っていたら大豊作になってしまった。6月中旬に収穫し、赤紫蘇といっしょに樽に漬け込んだ(家内が)。 土用の頃に樽から取り出して天日で干す。よく母が「三日三晩の土用干し」と言っていたのを思い出す。
 干された梅を見ていると、 毎日1粒ずつ食べても数年はもちそうな量である。物置の棚には母が残した“十数年もの”の瓶まで4つも並んでいる。 ほどよく乾き表面にうっすらと白く塩が噴いてきたら日本酒か焼酎をパラパラとふりかけながら瓶に漬け込んでゆく。 また梅干の瓶が1つ増えた。医学的には胃潰瘍や癌のもとになるピロリ菌をやっつけ、動脈硬化の脅威から血管を守ってくれるそうだ。 家族に幸せと健康をもたらす頼もしい味方である。http://www.trace-navi.jp

今年は梅が豊作だった<画像を再生>

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草取り戦争

雑草防止シートの写真 雑草に勝てるか雑草防止シート作戦

 毎年夏になると庭の雑草との戦争が始まる。いくら綺麗にむしっても2週間も経つと元の木阿弥。これまでいろいろな作戦を試みた。
・化学戦 :農協で購入した化学兵器、除草剤。効果は抜群だが環境に良くなさそうなので使用を中止。
・焼き討ち :通販で手に入れたドイツ製火炎放射器。燃料は灯油で高温の炎を噴出す。地中に潜伏した種は蘇る。ミミズやダンゴムシなど善良な市民まで犠牲になり残虐。
・薙倒し :20cc 2サイクルエンジン草刈機。刃先は超硬特殊合金の強力兵器。雑木や笹竹まで刈り払い、短時間に広範囲を攻略できる。塹壕の中や匍匐姿勢で難をのがれた運のいい雑草が生き延びる。
・光合成妨害 :ホームセンターで見つけた雑草防止シート。水や空気は通すが日光の95%をカットして光合成を阻止。もやし状態で生き延びる可能性が大きい。目下試行中である。
・白兵戦 :古典的武器、鎌による接近戦。問題は刃の切れ具合と兵士の体力と気力。戦況は泥沼の様相、平和はいつ来るのか、戦いは果てしなく続く。

草取り物語の数々の武器<画像を再生>

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スズメ蜂

 スズメ蜂が飛んでいたのでそっと追いかけたら裏の壁の僅な隙間から中に入って行った。 見ていると次から次へと何匹も出入りしている。どうやら押入れの天井裏に巣を作っているようだ。 耳を澄ますとシャカシャカと音が聞こえる。夜は静かになるので活動を休止しているらしい。なんとか退治せねばと思い、 ペットボトル2つ使ってトラップを作った。片方の上部を切り取って漏斗を作り、もう一方の口にテープで固定した。 夜のうちに壁の隙間に漏斗をあてがいガムテープで固定した。さて、その効果やいかに。
 翌朝見ていると隙間から出てきた蜂が漏斗を通ってペットボトルの中に次々と飛び込んで行く。 ワーォ、たちまちいっぱいになってしまった。押入れの上にはまだかなり残っているようだ。 天井板に錐で孔を開けスプレー式殺虫剤のノズルを差し込んで毒ガス攻撃。 ウワワーン、ポタポタ、モゾモゾ、落ちてもだえ苦しんでいる光景が浮かぶ。 数日後に押入れの天井を開いたら廃墟と化した巣とおびただしい死骸、恐ろしいホロコーストの現場がそこにあった。 Oh my God! ボトル詰めの蜂は焼酎を入れて『 蜂酒!』‥、は作らないで手厚く葬った。 我が家の居候となったばかりに、でも刺されるとアナフィラキシーショックで死ぬほどの猛毒を持っている、しかたがない。
参考:キイロスズメバチhttp://www2u.biglobe.ne.jp/~vespa/vespa_s2.htm
注意:ペットボトルのトラップは危険ですので絶対にマネをしないで下さい。

巨大なスズメ蜂の巣が天井裏に<画像を再生>
捕えた蜂の写真 トラップには次々とスズメ蜂が

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浦和駅の切符

 買い集めた切符を並べて暫し眺めていると、弁慶みたいな強そうなのをはじめ周囲に何人のも家来を従え、 少し離れて白拍子らしきまで見えてくる。えっ、大河ドラマの話かって? いえ、浦和駅の切符の話です。

「浦和」名のついた切符が勢ぞろい<画像を再生>

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天体観測

 ドブソニアン型の反射望遠鏡を長年愛用している。この望遠鏡はニュートン式反射望遠鏡を原型として集光能力だけにこだわり、 倍率は比較的低い×30程度で使うのが特徴だ。恒星は何光年も遠方にあるため倍率より集光能力、 すなわちどれだけ暗い星まで見えるかが重要になる。主鏡、斜鏡、接眼レンズなどの光学系は精度のいいものを使うが、 望遠鏡の外枠や架台はその辺にある普通の材料を利用する。いかに安く作るかはアイデアしだい、そこがドブソニアンの面白いところだ。 マニアも大変多く、中にはドラム缶もどきの大口径を車に積んで全国を巡りながら星空に向けて楽しんでいる人もいる。
 我が愛機の主鏡は、口径200mm / F 1200mm、集光能力は抜群で天の川に向けると無数の星、まさに銀河宇宙が見える。 架台が自動追尾式でないため地球の自転の影響で像が流れ写真撮影には向かない。 でも月や惑星などはデジカメを使ったコリメート撮影でシャッタースピードをうまく調整するとけっこう楽しめる。 最近手軽に待ち運べるよう組み立て式にリニューアルした(テレスコープ技報1〜5)。 夏休みには空気の澄んだ高原か離島の海岸でテントに泊まって星空を見るという前からの夢を実現するつもりだ。

月齢13日<画像を再生>
月の写真 月齢7日

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コンパス

 スエーデン製のコンパスを長年愛用している。内部にダンパー用のアルコールが入っていて磁針の振動を押さえるので大変見やすい。 使い方も簡単で、地図上の現在位置と目的地の間にコンパス外枠のスケールを合わせて置き、 磁針ケース部を回して地図上に示された経線(正確には磁北)との方位角を設定する。 こうして地図を都度見なくても進むべき方向が分かる。逆に太陽や遠方の山などの方位を測定して地図上の自分の位置を知ることもできる。
 ただ、磁針のバランスがスエーデンの北緯65度あたりで使うことを前提に合わせてあるため日本付近では地磁気の俯角の差でN極が若干上向きになる。 実用上は全く問題無いが、以前タスマニアの最南端のホバートに持って行ったらN極がコンパスの上面にくっついてしまい使えなくなってしまった経験がある。
 このコンパスは登山やウォークラリーだけでなく旅行の時も必ず携帯している。 最近、旅行先でよくレンタカーを使うがカーナビが常備されているので大変便利になった。 でも地図とコンパスを使い、目的地を探しながらふらりふらりと旅するのも楽しいものである。

コンパスの写真 長年愛用しているコンパス

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ホヤ

 イソギンチャクの仲間ぐらいに思っていたらそんな下等な生物ではないらしい。 百科事典を見ると「尾索類ホヤ目に属する原索動物。幼生はオタマジャクシ形で尾部に脊索をもち、自由に泳ぐが、 成体は海岸の石などに固着して‥。東北、北海道に分布‥、 刺身、酢の物などにして美味 ‥」と書いてある。 この“美味”につられて東北新幹線『はやて』に乗って八戸まで行った。
(http://www.k-sanriku.com『お客さまの生の声』)
 水揚げしたばかりのホヤはさすがにうまい。ホヤ酒にして飲むとこれもまた最高である。 小さめのホヤの中に冷酒を入れ10数分おく。ホヤ独特の香りとほのかな潮の味が酒の中で相まって、 飲むほどに大海原を漂っているような気分になる。スコッチにも似たような飲み方がある。 殻についた生牡蠣にスコッチをたっぷりかけ、タバスコを1滴たらしてチュルッとすすりこむ。 特にアイリーモルトの代表格である“LAPHROAIG”や“BOWMORE”をこうやって飲むと神の恵みに感謝せずにはいられない。 ウイスキーの語源は「ウシュク・ベーハ」、ゲーリック語で「命の水」。ほや酒もまさに「命の水」である。

この美味のために八戸まで行った<画像を再生>

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半田ゴテ(続編)

 コテ先の酸化した半田屑を取るためのクリーナーがある。中に水を入れて使う大変便利な道具である。 このクリーナーが無かった頃は工具箱の縁などにコテ先をトントンと当てて酸化した半田屑を振り落としながら半田付けをしていた。 職場の作業台や床の上には回路の実験中にこうして落とされた半田屑が張り付いていて掃除の時に剥がすのに苦労した記憶がある。
 研究所時代にお世話になった回路設計の大先輩Kさんのことである。 当時、彼の作業台の隅にはゴルフボールほどの半田ボールがいつも置いてあった。 難しそうな顔つき(普段はニコニコした気さくなオジサン)で配線図とオシロスコープの波形をにらみながら実験回路の部品の定数を変え、 そのたびにコテ先でそのボールをコツコツとやっていた。ちょうど小鳥がくちばしの汚れを拭うようにボールの表面で半田屑を拭い取っている。 半田屑は溶けているからそのまま表面に張り付いて固まる。 そのボールは何年もかけて丹念に育てたようで床に転がすとどこまでも転がって行きそうな見事な球体であった。 半田屑で作ったボールである。
 「オッ!さすが先輩」早速自分も真似をして始めた。 大先輩の専売特許に配慮してこちらは正四面体に形を整えながらコツコツとやりだした。 コツコツ続けること10数年、1辺6cm、重さ600gの立派な造形物に成長した。 やがてクリーナーが出回りその成長は止まることになる。毎年正月に昔の仲間がKさんの家に集まるが、 あの半田ボールのことがよく話題になる。我が造形物は設計の現場にいた頃の記念品として部屋のガラス棚に飾ってある。 輪切りにすると当時のさまざまな苦労の跡が年輪になっているかも知れない。

10数年で成長した半田塊<画像を再生>

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ツタンカーメンのエンドウ豆

 昨年、知り合いから“ツタンカーメンのエンドウ豆”というのを10粒ほどもらったので早速プランターに蒔いた。 ツタンカーメンは古代エジプト第18王朝第12代の王(在位B.C.1347年〜B.C.1338年)である。 王家の谷の墳墓から黄金のマスクなど約1700点の埋葬品に混じってエンドウ豆が発掘された。 この豆を蒔いたところ発芽して現代にエンドウが甦った。 そのエンドウから収穫された豆はその後世界の愛好家たちに分けられて栽培されてきたそうだ。 どんな花が咲くのか楽しみに待っていたら、勢い良伸びた蔓に薄い紫色の花が開いた。 ツタンカーメン王の霊でも宿っているような神秘的な色である。 3000年の時間を超えて花を咲かせるエンドウの生命力に驚きと不思議さを感じる。 古代エジプトでは死者が再びこの世に甦ることを祈ってエンドウ豆を埋葬品に入れたのだろう。 やがて花が終わると紫色のさやをつけた。豆が収穫できたらオレの骨壷に入れて3000年後の子孫に伝えようか、 と家内に話したらイヤな顔をしていた。残念ながらと言うか、幸いにしてと言うか、豆の収穫前に蔓は枯れてしまった。

3000年前のツタンカーメンのエンドウ豆の花<画像を再生>
花とともに神秘的なエンドウ豆<画像を再生>

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ペンギン

 最近、山手線の列車内のテレビでJALカードスイカのCMを良く見かける。 ペンギンがカードを使ってよたよたと電車やモノレールに乗る姿をカラスが見て「トリなら飛べよ」、 電線のスズメも「トリなのにねー」と冷やかす。 ペンギンはそれを無視して「空飛ぶカードがあるもんねー」とカードでチェックインしてジェット機に乗り、 シートに悠々と座って空を飛んで行く、というストーリーである。このCMを見ながら思う。そもそもペンギンは空を飛べないし、 地上を歩く姿もよたよたでカラスやスズメと同じ環境で生活するトリではない。 一方で海中を泳ぐスピード、特に餌の魚を追い求める敏捷性はすごい。イルカやアザラシの動きに似ている。 大昔、ペンギンは空を飛んでいたのかもしれない。何かのきっかけで南極の海で生活するようになり、 環境に適応して今の体型や運動能力を身につけて来たのだろう。生活圏を棲み分けて進化する。 ほのぼのとしたペンギンのCMが今西錦司の進化論の世界を物語っているような気がする。
http://akitagenryu.hp.infoseek.co.jp/essei/sumiwake.html

ペンギンの写真 大昔、ペンギンは空を飛んでいたのかもしれない。

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クスノキ

 前の小学校の校庭に樹齢100年をはるかに超えたクスノキの巨木がある。 道ひとつ隔てているが我が家の屋根に覆いかぶさるようである。夜になるとアオバズクが来てホーッホーッと鳴いたり、 子供の頃によく登って遊んだ木である。枝を折ったり、葉をもむと独特の芳香がある。 この芳香はテルペン・ケトン(C10H16O)。テルペンといえば森林浴で良く知られている有機化合物で人間の神経、 特に自立神経に作用して精神の安定をもたらす効果がある。 クスノキだけでなく樹木は微生物の成長を阻害し自分を守るためにこの種の化合物を発散している。 しかし、一方でこの化合物は動物にはいい作用をする。生物界とは不思議なものだ。昔はクスノキから樟脳の原料をとっていた。 その防虫効果のせいなのか落ちた葉はなかなか腐敗しない。5月末になると新芽が出て古い葉が一気に屋根の上にふりそそぐ。 雨どい掃除が梅雨入り前の我が家の年中行事になっている。 九州の大宰府天満宮の参道に沿って樹齢数百年の見事な巨木が生茂っている。 お参りしたあと心が洗われたような気分になった記憶があるがテルペンの効果だったのかも知れない。 我が家庭もこのクスノキには不知不識のうちに心が癒されているような気がする。

安らぎのクスノキ<画像を再生>
エシャロット収穫写真 テルペン・ケトン(C10H16O)の化学式

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エシャロット

 赤提灯などで酒の肴にエシャロットを注文すると若いラッキョウに味噌がついて出て来る。 スーパーの表示なども若いラッキョウをエシャロットと表示している。 しかし、エシャロットはユリ科の多年草でラッキョウとは別の種である。 似ているのでそう呼ぶようになったようだ。呼び方はいずれにしても整腸作用が大変強い。 生は特によく効く。アリシンという成分が血液をさらさらにする効果もあるそうで健康食品に推薦したい野菜である。
 昨年の初夏、知り合いの農家でラッキョウを沢山いただいた。 酢漬けにした残りを保存しておき、秋に我が菜園に植え付けた。 一粒のラッキョウが5〜6粒のいわゆるエシャロットに株別れした。 ちょうど今が旬、おりしもビールの季節である。 プシューッ、トクトク、グビグビ、カリカリ、ゴロゴロ、プー(オットシツレイ)。 にぎやかな家庭菜園の恵みである。

健康食品に推薦したいエシャロット<画像を再生>
エシャロット収穫写真 昨年いただいたラッキョウから収穫

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電源ボックス

 中学生のころであった。模型用の小型モーターが安く手に入るようになり『子供の科学』 などを見ながらいろいろな電動模型を作った。 電源は乾電池であったが当時の乾電池は容量が少なく電圧がすぐに下がってしまう。 値段もけっこう高かったので自分では買わずによく懐中電灯から出して使った。 我が家の懐中電灯の乾電池はおよそモーターを回して消費されてしまった。 家庭用の電源で使える直流電源は何としても欲しかった。 市販されている鉄道模型用の電源ボックスは ¥2,000〜3,000もするので財布を握っていた母からはお許しがもらえない。 結局、通信販売のカタログを見て部品を買い集めて自作した。その仕様は、
・ 出力電圧 DC 0 〜 15V ( 3Vステップ切変え)
・ 出力電流 最大2A
・ 整流方式(ブリッジ型セレン整流器)
・ 電圧微調整(20W可変抵抗器)
製作費は千数百円だったと思う。 やがてこの電源ボックスで回転式シャッターを制御して撮った【1枚の写真】でコニカのEEカメラを手に入れることになる。

【1枚の写真】のプロローグとなった手作り電源<画像を再生> マブチモータのポスター 90円だったマブチモータ

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クンシラン

 温室で越冬させたクンシランが満開になった。温室の温度をうまくコントロールして正月に咲かせる人もいる。 我が家は冬の間だけ温室に入れて置きあとは自然の環境まかせのため4月下旬から5月上旬にかけて咲く。 このクンシランは40年ほど前に父が種から育てたものを株分けしながら栽培し続けて来たものだ。冬の霜害にあったり、 夏に葉焼けしたり、いくたびかの苦難を乗り越えて今年も花を咲かせてくれた。
 クンシランの学名は“Clivia miniata”、 南アフリカ原産でヒガンバナ科の多年草である。ランに似ているので『君子蘭』という和名がついたがラン科ではない。 根が鉢の上まで張り出して来たので今年は植え替えが必要だ。花が終わったら鉢から株を抜き、 腐って変色した根や余分な根を切り取って新しい土に植えてやる。同時に株分けもする。 毎年、咲く花を見ていると植物にも人の気持が伝わるようである。

父の代からのクンシラン<画像を再生>

2005年5月-9月 M

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