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マスコミの学校

福田文昭氏:編集者が知っておくべきこと

 「その場に行かなければ写真は撮れない」と、撮影の苦しさと楽しさを語る福田文昭(ふくだ ふみあき:1946年山梨県生まれ)氏は行動派記録カメラマンだ。全国各地の動物園での動物写真から、三浦友和と山口百恵のツーショット写真までその活動範囲は広い。このツーショット写真は40日もの張り込みの末撮影されたもので、二人の婚約発表のきっかけとなった。「(二人の写真を)撮りたかった」と当時の想いを振り返る福田文昭氏の講座は、ライターや編集者と同様にカメラマンも自らの『想い』が大切であることを教えてくれるものだった。
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大宅壮一文庫見学

 朝10時に京王線八幡山駅に集合し大宅壮一文庫へ。1944年に大宅壮一氏がここに居をかまえマスコミ活動と共に雑誌を集めだしたのが文庫の始まりだ。大宅氏は「本は読むものではなく、引くものだよ」と、本は必要な時に検索できて読めることこそ大切だと説いた。その想いを継いだ大宅壮一文庫では年間2万冊の雑誌・書籍の保管、検索データ作成・入力・維持、記事閲覧サービスなどを45名のスタッフで進めている。
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小松成美氏:ノンフィクションを書く

 ノンフィクション作家小松成美(こまつ なるみ:1962年神奈川県横浜市生まれ)氏の、会社員から作家になった今日までを垣間見ることができた。24歳の会社員のときにメニエル症候群によって救急車で運ばれる事態となり、「自分のこの一瞬はもう取り戻せない。自分のやりたいことをやろう」と決意し文章を書き始める。「13年間ノンフィクション作家を続けることの苦しさ、犠牲、忍耐、努力は並ではない」と語る小松氏はまさに努力、努力、そして努力の作家だった。
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堤堯氏:良い編集者とは

 郵政民営化法によって、日本人最後の貯金といわれる郵貯・簡保の340兆円が外資のハゲタかにさらされることになる。アメリカ大手資本は明らかにこの金を狙っており、しかも彼らの意向に沿った民営化法となっている、と郵政民営化法の危なさを堤堯(つつみ ぎょう:1961年東京大学法学部卒)氏は説く。
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山田ズーニー氏:文章力①<自分の想いを表現する>

 セミロングのヘアスタイル、黒を基調とした服装で胸には大きな白いコサージュ、きびきびした動作、よどみのない話し方、理路整然とした濃い話、などで新鮮な印象を強く受けた講座だった。文章表現/コミュニケーション・インストラクター山田ズーニー(やまだ ずーにー:1961年岡山県生まれ)氏は執筆、講演、大学での講義、企業研修、教材開発、授業企画、TV/ラジオ講座などの活動を通して、人の「考える力・表現する力」を活かし、伸ばす教育サポートを実践している。対象者は、中学生から高齢者、文章指導をする教授、プロライターまで幅広い。山田氏がインターネット上で掲載している http://www.1101.com/essay/ 「おとなの小論文」は5年に及ぶ人気コラムだ。最近は、今回のような生徒参加型ワークショップに最も力を入れている。
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残間里江子氏:プロデューサの仕事

 人を包み込むような柔らかく心地よい話し方や親しみのある表情、話が進むにつれて見えてくる内面にある厳しさ、強さ、粘り、そういったもの全てが残間里江子(ざんま りえこ:1950年仙台市生まれ)氏をプロデューサとして成功させている要因なのだろう。強い『自分の想い』をもって多くの人たちを巻き込んでいく名プロデューサの知恵と力に圧倒された今回の受講だった。
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花田紀凱氏:企画力②<実際に企画をたててみる>

 先週みんなが提出したWill記事企画案に対する花田編集長のフィードバックの時間だ。冒頭から水を飲む花田編集長は少し疲れ気味に見えたが、企画案へのコメントが始まると活力に満ちた編集長となっていた。真剣勝負の雑誌編集の現場ではもっと激しいコメントや応酬があるのだろうが、今回は生徒に対するコメントなのでかなり手加減しているようだった。
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元木昌彦氏:取材力①<取材の仕方>

 今回の衆議院総選挙でTVの影響力の大きさがより鮮明になった。新聞の影響力は落ちぎみで、雑誌にいたっては火が消えたようだ。個人情報保護法と、田中真紀子の娘さんの離婚記事に対する出版差止め命令が元気のない出版ジャーナリズムに追い討ちをかけている。個人情報保護法では出版社や作家は適用除外の報道機関として明記されていないし、あの離婚記事程度で出版差止めでは政治家のスキャンダルなどはもう書けない。出版差止めとなると印刷費や広告費などの損害で出版社は大きな打撃を受けるからだ。離婚記事の週刊文春の場合はすでに配送された後だったので、むしろ完売に近い形で終わったが。光文社などは週刊宝石を休刊し出版ジャーナリズムから手を引く気配だ。と静かに話す元木昌彦氏(もとき まさひこ:1945年生まれ)氏は講談社で「フライデー」「週刊現代」などの編集長を勤め、告訴された数はまだ誰にも破られていないといわれる筋金入りの雑誌ジャーナリストだ。
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加藤昭氏:取材力②<ネタ元をどうつかまえるか>

 ソ連という国で、300万点もの日本関連機密資料の中から1通の手紙を探し出し、その手紙について証言できる人物からの裏を取るために、厳寒のソ連で21日もの間その人物の家の前で毎朝たたずんだジャーナリスト加藤昭(かとう あきら:1944年静岡県生まれ)氏の執念や集中力にただただ驚いた講座だった。
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ターザン山本氏:編集者・ライターに何が必要か

 「生きている限り青春」と言う山本氏の話は、白黒のはっきりした分かりやすい体育会系色の強いものだった。90年代に「週刊プロレス」のカリスマ編集長として一時代を築いたターザン山本(たーざん やまもと:1946年生まれ)氏は来年還暦を迎える。しかし、ピンク柄の帽子、淡い黄色にピンク柄のシャツと淡いオレンジのマフラー、黒のブレザー、グレーのズボン、ベージュの靴といういでたちでのパワフルな語りは、なお青春真っ只中のようだ。長年勝負の世界を見てきた山本氏の一瞬一瞬への闘魂を感じた講座だった。
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