「予約は来週です、今日ではありません」と言われて唖然としました。歯医者さんに電車で出かけ、受付で言われるまで全く気付かないという、自分の勝手な思い込みの激しさに唖然としたのです。茅ヶ崎の90歳の女性ドライバーが4人もの死傷事故を起こしたのは、「信号は赤だとわかっていたが、歩行者が渡り始めていなかったので通過できると思った」という勝手な思い込みによるものでした。この異常ともいえる自信は、年齢を重ね、経験を重ねた者特有なものなのでしょうか。歳をとったらより「小心」でいないととんでもないことになりそうです。
今年の春の旅行は、2泊3日の高野山と4泊5日の台南でした。高野山旅行では友人夫妻との弾む会話、台南旅行では妻との食べ歩き、などで楽しさ満載となりました。目的は「楽しむこと」、楽しみ方は人それぞれ、今回も我々らしい楽しみ方でした。楽しむ基本にあるのは、時間、お金、健康、更には、景色や食事に同じような喜びや共感を得ることができる仲間、そういったものに恵まれることでしょう。何よりも大切なのは、居心地の良さ、そのためには役割分担が当たり前にできることが大切なような気がします。
友人夫妻との旅行は、行先は4人で決めますが、車の運転やルート、宿泊などは友人が、行く先々での買い物や食事の内容は我々が主に担当します。妻との旅行では、行先は2人で決めますが、買い物や食事は妻が、そこへのアクセスや観光は私が主に担当しています。チームワークで行動する楽しさ、居心地の良さがあります。先の、高齢による「勝手な思い込み」による失敗や、意見の衝突による気まずさは、この居心地の良さを壊す要因になりかねません。お互いが歳をとると特に留意すべきことなのでしょう。
高野山では、宿坊の早朝勤行で心を清め、時々雨模様の景色に映える新緑に心洗われ、下山後の赤目温泉で煩悩が一気に戻り、美味しい伊賀牛でお腹を満たして帰ってきました。雨の後の、新緑の美しさと赤目四十八滝の激しい流れが印象に残っています。台南では、南国の太陽の下で、汗をかきかき美味しさを求めて歩き回り、途中で、かき氷やサトウキビジュースなどを美味しくいただきました。旬のマンゴの美味しさに感動し、小龍包、タンツー麺、牡蠣の数々の料理などに舌鼓を打って帰ってきました。楽しさ溢れる旅でした。